はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨ビットコインキャッシュが6万円まで急騰|高騰要因のハードフォークはどうなる?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインキャシュがアップデートハードフォーク
ビットコインキャッシュは11月15日に技術的なアップデートによるハードフォークを迎える。その際、ビットコインキャッシュのチェーンはアップデートの内容について対立している二つのチェーン(BitcoinABCとBitcoinSV)に分裂する可能性があるが、投資家の中には付与通貨を目的とした買いが殺到している。

ビットコインキャッシュアップデートハードフォーク

ビットコインキャッシュはビットコインの技術的な限界を改善するために2017年8月にビットコインのチェーンから分裂して生まれた。

もともとの目的はビットコインのブロックサイズ(ブロックチェーン上にある各ブロックに記録できる容量)を拡大するためで、ビットコインの1MBに対しビットコインキャッシュのブロックサイズは8MBに、その後2018年5月には32MBにまで拡大、取引処理能力を大きく向上させている。

その後、ビットコインキャッシュは定期的に機能をアップグレードするというロードマップが発表されており、継続的な開発が進んでいる。

今回の相場に影響を及ぼしているのも、アップグレードの一つとなるが、次回のアップデートは11月15日に予定されている。問題はそのアップデート内容についてビットコインキャッシュのチェーンを支える技術者やマイナーの間で意見が分かれており、ビットコインキャッシュのチェーンはBitcoinABCとBitcoinSVの二つの独立した互換性のないチェーンに分裂してしまう可能性が生じている点だ。

ビットコインキャッシュのチェーンに関する技術的対立

11月15日のアップグレードをめぐって、技術者やマイナーがBitcoinABCと呼ばれるグループと、BitcoinSVと呼ばれるグループに分かれて対立しているのだが、その動きは以下の通りだ。

BitcoinSVは、BCHからの分裂を意図したものではない。また、新たなコインやトークンを作り出すことも意図していない。

そうではなく、オリジナル版のビットコインを支持する採掘者向けに、実装の明確なBCHを提供するものだ。今後、ナカモト・コンセンサスの下、BCHのブロックチェーンを賭けた、マイナー投票による競争が行われることになるだろう。

Bitcoin ABC

BitcoinABCは、「OP_CHECKDATASIGVERIFY(別称DSV)」と呼ばれる技術的な提案を今回のアップグレードで提案しており、これは異なるブロックチェーン上の資産を交換すること等を可能にする技術だ。

Bitcoin ABCは以下の内容アップデートを提示している。

  • CTORの導入
  • opコード「OP_CHECKDATASIG」と「OP_CHECKDATASIGVERIFY」の施行
  • 最低限トランザクションサイズの施行
  • 「push only」ルールの施行
  • 「Clean stack」ルールの施行

Bitcoin SV

これに反対しているのがBitcoinSVと呼ばれるグループで、BitcoinABCによる技術的な改変を、サトシ・ナカモトが描いた本来のビットコインの姿からかけ離れたものであるとして批判している。

BitcoinSVのSVは「サトシ・ヴィジョン(Satoshi Vision)」の頭文字から取られている。

BitcoinSVの中心にいるのが、かつて自らがサトシ・ナカモト本人であると名乗ったこともある、ブロックチェーン企業nChain社のクレイグ・ライト氏である。

同氏が「OP_CHECKDATASIGVERIFY」に対する反対姿勢を明確化させたことでビットコインキャッシュコミュニティが二つに分かれ、11月15日のアップグレードでチェーンの分裂が起こる可能性が生じた格好だ。

Bitcoin SVは以下のアップデート内容は以下の通りだ。

  • ブロック容量を32MBから128MBへ4倍増
  • 以前禁止されていた4つのopコードの解禁
  • opコードのスクリプトを201から500に増加

大手取引所Coinbase、Binanceのハードフォークサポート

こうした中、大手取引所であるCoinbaseとBinanceはBitcoinABCの側を支持しつつも、万が一ハードフォークによりビットコインキャッシュのチェーンが完全に分裂してしまった場合に備えた、顧客保護と分裂コインの取扱方針を発表している。

Coinbaseは、「bitcoincash.orgのロードマップを支持する」としつつも以下のようにチェーン分岐後の分裂コインの取扱について声明を発表した。

「考えにくいことですが、もしもフォーク後にチェーンが複数存在することになった場合には、Coinbaseはお客様の資産をどちらのチェーンからでも取り出せるようにいたします」

取引所の取扱いにおける注意点

現状ほとんどの取引所では、Bitcoin ABCのソフトウェアをアクティベートしている。

よってハードフォークの対応が無い場合は、Bitcoin ABCの通貨がこれまで通り、BitcoinCashとして取り扱われる可能性は高く、Bitcoin SVを取り扱う場合は、取引所が対応、またそれに伴う声明を出す必要がある。

また重要な問題は、Bitcoin SVが現状リプレイプロテクションの実装方針が発表されていることだ。この影響でハードフォークが行われた後、いわゆる不正送金(リプレイアタック)が行われる懸念も含んでいる状況となり、仮に対応方針を発表している取引所であっても、上場する段階で、Bitcoin SVのリプレイプロテクションに関する対応を待つ必要は出てくるかもしれない。

日本の取引所は取扱いを行うか?

日本の取引所が分裂コインに関して取扱い方針を発表するかは未だ不明だ。

これには現在自主規制団体を認可し、自主規制ルールの施行のフェーズへ移っている金融庁や自主規制団体の新たな取扱ルールに乗っ取って、新たなコインを上場させる必要があるが、それが大きな懸念点として挙げられるためである。

先日、利用規約の改定を行なったコインチェック(マネックスグループが買収)の新たな規約もその動きを見る上での一つのヒントとして挙げることができる。(改定内容は以下の通り)

登録ユーザーより預かった「仮想通貨のハードフォーク」等により新たな仮想通貨が生じた場合であっても、登録ユーザーは、コインチェック社に対して、新たな仮想通貨の付与やその取扱いを請求できないものとする

出典:CoinCheck

なお、今までビットコインゴールドなど、ビットコインからハードフォークして誕生したコインがあったものの、日本国内全体を通して取扱いには至らず、付与方針は発表されていない経緯がある。これらの改定規約内容も、金融庁などからの取扱許可が下りなかった場合も想定した内容として改定されたと思われる。

ビットコインキャッシュ価格が高騰

ビットコインキャッシュは、このハードフォークを背景に、価格が高騰、3日未明から上昇した価格は4日18時には6万円まで達し、前日比でも16%を超える好調相場を維持している。

5日時点では一時6万5千円の高値をつけ、相場全体を押し上げる動きを見せた。

出典:Bitbank

特にビットコイン(BTC)の相場の行先を見極めようとしている仮想通貨市場は全体的にボラティリティが低下、大きく値が動かない相場が続いていたため、ビットコインキャッシュが単独で大きく上昇している状況は、大きくコミュニティを賑わせている。

今回懸念されるコミュニティ分裂が起きた場合、相互に互換性がなくなるリスクが生じる可能性など、状況を見極めようとする見方もあるが、人気が高いビットコインキャッシュから分裂するコインを得ることができるといったプラスの考え方で捉える動きが強いと思われる。

その背景には、上記でも挙げた大手取引所のハードフォークをサポートする声明が挙げられるが、その動きが投資家に一定の安心感を与え、分裂通貨獲得の可能性がプラスのファンダメンタルズ要因として相場に影響している可能性が考えられる。

これには、投資家がビットコインから通貨分裂したことで得た通貨による付与利益の恩恵が過去にもあったことも重要視された形であると思われるが、いずれもコミュニティの動きがどのように変化するかは見極める必要がある状況が続いている点は覚えておきたい。

ファンダメンタルが効いている状況はプラスの動き

しかし、このように個別のファンダメンタルズ要因が働き、特定の通貨の価格が上昇したことは、仮想通貨業界において重要な動きであると言える。

10月頭にはSWELLを控えていたXRPが大きく高騰したが、停滞するビットコインを受け、多くのアルトコインがビットコインの動きを見極めている状況が長く続いている。

このように仮想通貨を代表するXRPやBCHの価格の動きで、コミュニティが盛り上がり、個別ファンダが効いている状況は、仮想通貨市場を盛り上げる上で重要な動きとなる。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ビットコインキャッシュ(BCH):ストレステストを実施、新記録を達成
2018年9月1日ビットコインキャッシュチェーンはストレステストを行い、昨日で約200万のトランザクションが処理され、BCHはリップルやイーサリアムの一日のトランザクション処理数をしのいだ。その期待感からか、9月2日にはBCH価格の値上がりが見られた。
BCHマイナーに送金手数料なしを提案|少額決済の需要を高めるか
nChainとCoinGeekは、BCHのマイナーに、ダストの制限を排除する、つまり546satoshi以下の送金も承認することを求め、自身のマインングファームでは一部手数料を取らないトランザクションも受け入れていく意思を発表しました。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/02 水曜日
10:50
上場企業のビットコイン購入がETF上回る、2025年上半期24万超BTC取得で4倍以上増
2025年上半期に世界の上場企業が仮想通貨ビットコインを24万5510BTC購入しETF保有数の2倍超。前年同期比約5倍増でマイクロストラテジー戦略が拡散、企業準備金としての位置づけが確立された。
10:30
米SEC、仮想通貨ETFの上場基準を策定か 審査迅速化に期待
米証券取引委員会が、ビットコインなど仮想通貨ETF向けの汎用上場基準策定を検討していると伝えられる。19b-4様式省略により審査迅速化が期待される。
10:20
ETH1万ドル到達は『義務』と表明、イーサリアムに新組織誕生
仮想通貨イーサリアムに、イーサリアムコミュニティ財団という新たな組織が誕生。公式サイトで、イーサリアムの価格に特化した組織であると説明している。
07:55
NYSE上場DDCが760億円調達完了、ビットコイン準備金戦略を本格始動
アジア食品ブランド運営のDDC EnterpriseがNYSE上場企業として最大規模の仮想通貨専用資金調達を実施。Anson Fundsらから総額5億2800万ドルでビットコイン準備金構築へ。
07:25
XRP戦略推進へ、ナスダック上場のWebusが1億ドル調達合意
ナスダック上場のWebusがリップル・ストラテジー・ホールディングスと1億ドルの資金調達契約を締結。仮想通貨XRPを活用した事業戦略推進により株価が日中130%上昇も最終的には8%反落。
07:15
「ビットコインが25年に20万ドルへ到達するとの予測は維持」Bitwise
仮想通貨運用企業Bitwiseは、2025年の10の予測に対する中間評価を公開。ビットコインが20万ドルに到達するとの予測は維持することなどを記載した。
06:50
ストラテジーのビットコイン循環戦略、NAV超プレミアムを正当化か=TD Cowen分析
ストラテジーの株価は純資産価値(NAV)を大きく上回って推移。継続的な株式発行が1株あたりのBTC保有を押し上げる構造が、投資家の注目を集めている。アナリストはその持続性とリスクに着目している。
06:12
ビットコイン利確が加速 第3四半期は過去最弱の季節性=アナリスト分析
仮想通貨ビットコインの利確が進む一方、市場は方向感に欠ける展開。第3四半期は過去最弱の季節性もあり、アナリストは地政学リスクや米金融政策の不透明感に警戒を示している。
05:50
トランプ大統領の「大きく美しい法案」上院可決も、仮想通貨少額免税案は見送り
トランプ政権が推進する大型予算法案に、仮想通貨の少額免税や報酬課税見直しの修正案は含まれず。ルミス上院議員は今後の再提出を示唆し、業界団体もロビー活動を継続する構え。
05:37
米SEC、ビットコインやXRPに投資するグレースケールの仮想通貨ファンドETF化を承認
米証券取引委員会(SEC)は、グレースケールのバスケット型ファンドのETF転換を加速承認。構成資産の約8割をビットコインが占めており、今後の仮想通貨ETF全体に追い風となる可能性も。
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧