2025年初頭に退任の可能性
暗号資産(仮想通貨)リサーチ企業10x Researchのマーカス・シーレン創設者は21日、もし仮にドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれた場合、ゲーリー・ゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長は2025年初頭に退任する可能性が高いと意見した。
シーレン氏は、ジョー・バイデン氏が大統領選から撤退した今、強力な反対勢力がなくなっており、トランプ氏が2025年1月に大統領に就任する可能性が高まったと予想している。
ゲンスラー委員長の任期は2026年6月5日まで延長されているところだが、政権が変われば、それにともない2025年1月か2月に退任すると推測する格好だ。
2021年にトランプ政権からバイデン政権に交替した際には、前職のジェイ・クレイトン氏がSEC委員長から任期を6か月前倒しで退任していた。その後、バイデン大統領の指名を受けてゲンスラー氏がSEC委員長に就任している。
ゲンスラー氏が率いるSECは、コインベースなど様々な仮想通貨企業に対して、「有価証券を違法に販売している」として訴訟を起こしてきた。業界や一部議員などから明確なガイドラインを提示していないと批判されてきた経緯がある。
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トランプ氏は、6月にシリコンバレーで開催された資金調達イベントで、大統領に就任した場合、「バイデン氏とSECゲンスラー委員長による仮想通貨反対運動は1時間以内に止める」と話したと伝えられる。
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SEC(証券取引委員会)とは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
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「ビットコイン2024」に注目
シーレン氏は、トランプ氏が25日から27日に開催されるカンファレンス「ビットコイン2024」で重要な発表を行う可能性があるとも指摘した。現在、トランプ氏が再選した場合、ビットコインを米国の準備金として保有することを提案するのではないかという噂が広まっているところだ。
シーレン氏は、もしトランプ氏が本当にこうした計画を発表すれば、ビットコインの価格が急上昇する可能性があると述べている。
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7つの州がSECに異議
米国では今月10日、7つの州が集合してSECの仮想通貨規制に異議を唱える法的文書を地裁に提出した。アイオワ州、アーカンソー州、インディアナ州、カンザス州、モンタナ州、ネブラスカ州、オクラホマ州の司法長官が名前を連ねている。
この七州連合を率いるのはアイオワ州であり、同州のブレナ・バード司法長官は次のように述べた。
バイデン政権下のSECは、アイオワ州などの州が、仮想通貨に関して泥棒をその法で罰し、詐欺の危険から市民を守るという職務を果たせないようにしようとしている。
SECが議会の議論を回避して、追加権限を自らに与えることは違法であり、イノベーションを阻害し、詐欺師を逃がすことになる。
SECが明確な規制を示さずに、企業を訴えることで取り締まるという姿勢が、各州の消費者保護法を無効にしていると意見する形だ。
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