氷結®mottainaiプロジェクト
日本アイ・ビー・エム株式会社は2日、キリンビール株式会社が5月に発売した「キリン 氷結®mottainai 浜なし(期間限定)」の製造プロセスにおいて、IBMのブロックチェーン・ソリューションであるIBM Supply Chain Intelligence Suiteを活用していることを発表した。
これは、果汁のトレーサビリティー・プラットフォームを導入し、社会貢献型商品のサプライチェーン全体を可視化する取り組みの一環である。
このプロジェクトは、フードロス削減と農家支援を目的とした「氷結®mottainaiプロジェクト」の一部であり、第1弾として「キリン 氷結®mottainai 浜なし(期間限定)」が市場に投入された。キリンビールは、この新シリーズを通じて、規格外で廃棄される予定だった果実を使用し、食料資源の無駄をなくすことを目指している。
さらに、キリンビールはブロックチェーン技術を活用して、消費者が果実農家を直接支援できる仕組みを構築することを目指している。消費者は自身の支援がどのように農家に貢献しているかを具体的に把握できるようになるだろう。また、商品の売り上げ1本につき1円を果実農家へ寄付するという取り組みも開始しており、今後はさまざまな地域特産の果実を使用することで、日本全国の果実農家を継続的に支援していく計画だ。
関連:トレーサビリティーを使ってカーボンアカウンティングしよう|SBI R3 Japan寄稿
サステナビリティーの取り組みを支援
今回の取り組みにおいて、日本IBMは原料となる果実の生産者組合から商品の製造企業までの情報を、トレーサビリティー・プラットフォームを通じて可視化する支援を行った。
このプラットフォームは、IBM Blockchain Transparent Supplyモジュールを活用しており、商流の記録に加え、運搬における温室効果ガス(GHG)排出量や再生可能エネルギーの調達状況に関する証跡もブロックチェーン上で管理することができる。
日本IBMは、これまでに培ったサステナビリティーに関する知見や先端技術を駆使し、日本の飲料業界や製造業全体におけるサステナビリティーの取り組みを加速させることを目指している。
関連:IBM、仮想通貨向けコールド・ストレージ技術を発表 リップル傘下Metacoらと協業