はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

三菱UFJ元アナリストの石丸伸二と内田稔が語る「仮想通貨とドル円の未来」|WebX2024

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

不透明な未来:金融の知識を武器に人生を切り拓く

CoinPost株式会社が企画・運営し、一般社団法人WebX実行委員会が主催する国際Web3カンファレンス「WebX」において29日、高千穂大学商学部教授の内田稔氏と、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が対談した。モデレーターは、株式会社tonariの高橋弘樹代表取締役社長が務めている。

内田稔氏は、三菱東京UFJ銀行時代の為替を専門とするアナリストとして石丸伸二氏の先輩にあたる有識者であり、10年弱ともに働いた経験があるという。石丸氏は、三菱UFJ銀行出身で、米ニューヨークでの赴任経験を持つ。

ReHacQとコラボのスペシャルセッションとして『不透明な未来:金融の知識を武器に人生を切り拓く』というタイトルで暗号資産(仮想通貨)の将来性や、ドル円の見通しなどが語られた。

仮想通貨と金融包摂

まず仮想通貨については、内田氏と石丸氏共に、金融包摂に対する期待を抱いている。

内田氏は、世界には「10億人以上、銀行の口座にアクセスすらできない人たち」がいると指摘。そうした人々がお金の貸し借りや送受信をする場合に、仮想通貨であればインターネットやスマホがあれば可能になると続けた。

例えば、銀行サービスを利用できない人々でも、お金を借り、教育を受けて次のステップを目指すことなどができるようになる。投資対象と見られがちだが、「金融包摂」という観点でも将来性があるとの見解を示した。

関連: 世界最高のP2P取引率を誇るアフリカ、金融包摂で仮想通貨利用が普及

石丸氏も、「金融包摂の観点で、暗号資産(仮想通貨)領域には非常に期待している」と発言した。メタ社(旧フェイスブック)が立ち上げようとしていた仮想通貨プロジェクト「ディエム(旧リブラ)」が発表された当初には社会を良くすると直感し、当時レポートを書いた経験があると言及。

ディエムについては、発展途上国に金融インフラを整えるだけでなく、先進国においても、既存の金融サービスが変わっていくきっかけとなるポテンシャルがあったと評価している。これが規制により封じ込められてしまったことが果たして正義だったのか?という問いには懐疑的だと続け、既得権益と金融機関のジレンマにも触れた。

関連: メタ(旧フェイスブック)社、米シルバーゲート銀行にディエムの知的財産権(IP)など売却

一方で、仮想通貨のリスクについては、バリュー判断の難しさやボラティリティ(価格変動)の大きさ、ハッキングによる資金流出などが挙げられている。

ドル円の見通しや円安の原因は?

内田氏は、今後のドル円の見通しについて「日米の金利差というのは縮小する方向なので、ドル安円高方向だ」と予想した。

ただ、アメリカの大統領選挙などのかく乱要因で、もう少し円安方向に向かう可能性についても油断はできないとしている。同時に、年内に日銀が利上げをもう1回やるのではないか、その場合、再度円高ショックが起こり140円を割ることもあり得るとも述べた。

購買力平価を尺度として、本来の経済指標だけでみれば、過去は1ドル130円でも相当の円安だったとも指摘した。

内田氏は、「金利からインフレ率を引いた実質金利」が重要だとも述べている。現在の日本の政策金利は0.25%だが、物価のインフレ率が2%以上であるため、引き算すると実質金利がマイナスになっている。これが円安の根底にあると述べた。

また、経常収支に関しては、各種インターネットサービスの会費がアメリカに流れていく状況や、日本企業のM&Aによる直接投資などが円安要因になっている側面があるとも話している。

日銀が利上げをすることで、日本円の弱点部分が和らいでいき、円は持ち直していく方向ではないかと予測した。

暗号資産がドルや円などの法定通貨に深刻な影響を及ぼすことはあるのか?というテーマについては、石丸氏は「もし仮に、三菱UFJ銀行などの大手銀行がアセット運用に暗号資産を取り入れ始めたら、株や債権の同時安などの影響は起こり得る」との見方を示した。

余談にはなるが、内田稔氏は、三菱UFJ銀行で長年一緒に働く中で、仕事への向き合い方などマインドの面で「石丸氏は政治家に向いている」と感じる場面が多々あったと述べている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
14:30
チェーンリンク現物ETF、初日に64億円の流入で好調 ソラナETFからは最大流出
仮想通貨チェーンリンク現物ETFの取引初日に64億円が流入し好調な滑り出しとなった。一方ソラナ現物ETFからは過去最大の資金流出があった。
14:00
国際通貨基金(IMF)、ステーブルコインの規制断片化に警鐘 
国際通貨基金が今週、ステーブルコイン市場の評価報告書を公開し、各国の規制枠組みの断片化が金融安定性を脅かし監視を弱体化させ、国境を越えた決済の発展を遅らせていると警告した。
13:30
CZとピーター・シフが激論交わす、ビットコインvs金「どちらが真の価値保存手段か」
バイナンス創設者CZ氏と金支持派エコノミストのシフ氏が4日、ドバイでビットコイン対トークン化金の討論を実施。金塊の真贋確認場面が話題となり、検証可能性や価値保存機能をめぐり対照的な見解を示した。
12:00
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」、チケット販売開始
アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX2026」が2026年7月13日・14日にザ・プリンスパークタワー東京で開催。本日よりVIP Pass、Business Pass、Booth Passのチケット販売を開始。開幕セール価格は2月28日まで。
11:52
ビットコイン、政府系ファンドは8万ドル台で買い増し 日銀政策と円キャリートレードにも注目
ブラックロックのフィンクCEOは、複数の政府系ファンドがビットコインの大幅下落局面で買い増していたことを明らかにした。一方、CryptoQuant CEOは2022年のような大暴落は起きにくいと分析。市場は12月の日銀政策決定に注目、円キャリートレードの動向がビットコイン含むリスク資産に影響を与える可能性を考察する。
11:20
「ストラテジー社は株価指数から除外されてもBTCを売却しないだろう」Bitwise
Bitwiseのマット・ホーガン最高投資責任者は、ストラテジー社は株価指数から除外されてもビットコインは売却しないだろうとの見方を示した。その根拠を説明している。
10:15
XRPレジャーの流通速度が年間最高値を記録 オンチェーン活動が急増=CryptoQuant分析
XRPレジャーの流通速度流通速度が12月2日に年間最高値0.0324を記録。大口保有者による2100億円規模の買い増しや取引所準備金の減少など、オンチェーン活動の活発化が確認された。CryptoQuant分析。
10:05
年末にかけての下落リスクを軽減する価格帯は? ビットコイン最新市場分析=Glassnode
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新週間レポートを発表。需要低迷と含み損拡大の中、年末の下落リスクを抑える価格帯などを分析している。
08:55
JPモルガンがストラテジーのビットコイン売却回避能力を評価、「マイナーの動きより重要」
JPモルガンのアナリストが、ストラテジーのビットコイン売却回避能力がBTC価格の短期見通しにおいてマイナー活動より重要だと分析した。
08:20
21シェアーズ、米国初のスイ(SUI)連動2倍レバレッジETFを上場
21シェアーズが米国証券取引委員会の承認を得て、スイ(SUI)の価格に連動する初のレバレッジETFをナスダックに上場した。日次リターンの2倍を提供する商品で、スイエコシステムに関連する初のETFとなる。
08:10
「政府系ファンドは相場下落時にBTCを買い増し」ブラックロックのCEO
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、複数の政府系ファンドが仮想通貨ビットコインを購入していると明かした。相場下落時に買い増ししている様子も伝えている。
07:25
ソラナとベース間ブリッジが稼働開始、チェーンリンクとコインベースが安全性確保
レイヤー2ベースチェーンがソラナとのブリッジをメインネットで正式稼働。チェーンリンクCCIPを採用し、両チェーン間でのトークン移動と取引が可能になった。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧