はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインのハッシュレート、史上最高記録を更新

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ハッシュレートが過去最高に

暗号資産(仮想通貨)ビットコインネットワークのハッシュレートは3日、746EH/s( エクサハッシュ/秒)となり史上最高値を記録した。

ハッシュレートとは、仮想通貨をマイニングする際の採掘速度を指し、マイニング機器が1秒間に行う演算回数を「hash/s」(ハッシュ/秒)という単位で表している。エクサ(E)は、K(キロ)、M(メガ)、G (ギガ)、T(テラ)、P(ペタ)と続く単位の1つ上の単位で、1EH/sは1秒間に100京回のハッシュ計算を行える能力を表す。

ハッシュレートはビットコイン価格に直接影響するものではないが、ネットワークの健全性とセキュリティの重要な指標となっている。

高いハッシュレートは、より多くのマイナーがネットワークに参加し、競い合ってブロック生成を行なっていることを意味している。51%攻撃などのネットワークに対する攻撃コストが膨大なものとなるため、攻撃の意欲を削ぎ、未然に防ぐことが可能になる。

51%攻撃

51%攻撃とは、悪意のある個人もしくは集団が、過半数に相当するマイニング能力を掌握してしまうこと。正当な取引を拒否し、不当な取引を行ったり、マイニングを独占したりする攻撃を指す。攻撃対象となるのはビットコインなど、「Proof of Work(PoW)」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用する仮想通貨。

▶️仮想通貨用語集

このように不正なブロック生成が排除されるため、ネットワークの安全性が確保され、ユーザーのネットワークへの信頼も高まる。

また、ハッシュレートが上昇するとマイナーは競争力を維持するために、より効率の良いマイニング機器を装備し、運営の合理化を図る必要がある。高いハッシュレートは、マイニング企業が、ネットワークの将来性を信頼し、投資している証左だと見る意見もある。

マイニングコストの上昇

一方、高いハッシュレートは、マイナーの収益性に大きく影響する要因となっており、ハッシュレートの上昇と、それに伴う採掘難易度の高さによって、マイニング企業の収益は打撃を受けているようだ。

仮想通貨メディア「コインテレグラフ」などの報道によると、8月のビットコインマイナーの収益は8億2,756万ドル(1,203億円)で、7月の9億2,735万ドル(1,349億円)から10.5%以上減少した。これは2023年9月以来、最低の収益となった。

米金融大手JPモルガンは先月のレポートで、仮想通貨マイニング企業株式の目標価格を引き下げた。ビットコインの価格下落と、平均的なネットワーク・ハッシュレートの上昇により、マイニング企業の目標粗利益の予測が減じたことが背景にある。

関連:JPモルガン、ビットコインマイニング企業株価の目標価格引き下げ

仮想通貨投資企業CoinSharesは、1BTCの採掘にかかる加重平均原価を、53,000ドル(約770万円)と予測。経済データサイトMacroMicroによると、9月4日の平均採掘コストは56,581.46ドル(823万円)となっている。

執筆時現在のビットコイン価格は56,755ドルで、かろうじて平均採掘コストをわずかながら上回っている状況だ。

マイニング企業の選択肢

ハッシュレートの上昇によって生じたコスト上昇と収益低下により、マイニング企業は収益改善のために、いくつかの方策を講じている。

負債対資本の比率を改善するため、社債の発行から投資家への株式提供へ転換するマイニング企業も多い。また、減少したマイニング報酬を補うために、高性能コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)アプリケーション向けの処理など、マイニング以外の分野への進出で経営の多様化を図ろうとする企業もある。

また、ライバル企業の買収によって、電力の入手方法改善やエネルギー効率の向上を図ることで、より力強い経営を目指すマイニング企業もある。

関連:マイニング企業 Bitfarms、競合のStronghold Digitalを買収

個人マイナーの快挙

ハッシュレートが史上最高値を更新する中、8月29日に個人でビットコインのブロック生成に成功したマイナーが現れた。

SoloCKプールに参加していた個人マイナーが、ブロック858,978の生成に成功。3.27BTC(約2,697万円)の報酬を手にした。

BlockONOMIの報道によると、このマイナーの計算能力は456PH/s(ペタハッシュ/秒)で、ビットコインネットワークの平均ハッシュレート(665EH/s)のわずか0.012%だという。

SoloCKプールは過去1年間、安定したパフォーマンスを示し、14ブロックの採掘に成功し、合計59.3BTCを獲得した。

関連:個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功、報酬3500万円相当を獲得

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/20 木曜日
20:00
Aptosのエコシステム責任者が語るエコシステム戦略|独占インタビュー
Aptosのグローバルリーダーが語る、エコシステムの成長戦略と日本市場への本格参入。DeFi、AI、クリエイターエコノミーなど注目分野や、10億ユーザー規模を見据えた技術開発について聞いた。
16:51
NVIDIA決算好調、米株上昇と仮想通貨相場回復の連鎖起点に
11月19日NVIDIA決算発表後、Nasdaq総合指数0.6%高。マイニング企業株(IREN10%高など)がAIシフト恩恵で買われ、BTCは89,000ドル安値から91,000ドル回復。専門家は電力供給の重要性を指摘、関連投資機会を分析した。
16:44
米民主党議員がトランプ一族関与のワールドリバティに調査要請 国家安全保障への懸念示す
エリザベス・ウォーレン上院議員らが、トランプ大統領一族が関与するDeFiプロジェクト「ワールドリバティ・フィナンシャル」に対する調査を要請した。北朝鮮・ロシア関連団体へのガバナンストークン販売が国家安全保障リスクになると指摘し、利益相反の懸念も表明した。
16:00
米大手取引所クラーケン、SECにIPO申請を提出 評価額3.1兆円
米仮想通貨取引所クラーケンが米SECにIPO申請を提出。評価額は200億ドル(約3.1兆円)で、2026年第1四半期の上場を目指す。トランプ政権の友好姿勢を背景に、仮想通貨企業の上場ラッシュが続く。
14:09
ビットワイズのXRP ETFが米国で上場へ カナリーに次ぐ2つ目の現物型商品
ビットワイズのXRP現物ETFがNYSEに上場へ。欧州GXRPに続く2本目のXRP商品で、米国では初提供。XRPCの初日取引高90億円超など、アルトETF市場が急拡大している。
12:35
ビットコイン9万ドル回復、エヌビディア好決算で投資家心理改善 マイナー売り圧に変化の兆しも
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+3.4%の1BTC=92,331ドルに。 20日にかけて、88,000ドル付近から92,000ドル超…
11:59
ブロック社が強気の財務見通し、3年で粗利益2.5兆円目指す  自社株買いも発表
ジャック・ドーシー率いるブロック社が今後3年の財務見通しを発表。粗利益の年間15億ドル増加を予想し、株価が7.6%上昇した。AI・仮想通貨事業も強化している。
10:36
米大手仮想通貨取引所コインベース、予測市場・株式取引機能を導入か
米コインベースが12月17日に「新時代」を発表予定。リーク情報から予測市場・株式取引機能の実装が示唆され、カルシとの提携深化やブロックチェーン株式取引の展開が期待される。
10:14
仮想通貨XRP、ステーキングを導入する案が浮上
RippleXのエンジニアリング部門のトップは、仮想通貨XRPへのステーキング機能導入を考察していると説明。ステーキングは報酬が発生する仕組みであり、投資家からも注目を集めている。
09:41
「銀行の仮想通貨保有について、基準見直す必要性がある」バーゼル委員会議長
バーゼル委員会議長がステーブルコインの台頭を背景に、銀行の仮想通貨保有規制の見直しが必要だと発言した。現行の厳格な資本要件の緩和が焦点となっている。
06:48
「ビットコインとはサービスである」Bitwiseが価値の本質を指摘
仮想通貨運用企業Bitwiseの最高投資責任者は、ビットコインはサービスであるとの見方を示した。マイクロソフトと比較しながら、価値の本質を説明している。
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧