10/5(土)〜10/11(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、10/5(土)〜10/11(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は940万円周辺から上値の重い展開となり、11日正午時点で、900万円周辺で取引されている。
BTC円は週明け、940万円台からジリ安に推移し、海外時間には930万円近辺まで水準を下げた。
米国時間には、予測市場のポリマーケットで、米大統領選でトランプ氏の勝率が上昇したのを眺め、一時は950万円にタッチするも、イスラエルによる対イラン報復が近いとの報道や、FRBによる大幅利下げ観測が後退する中、上げ幅を縮小した。
8日朝方には、FTXの再生計画を米裁判所が承認したことを受け、相場は920万円周辺まで一段安を演じるも、その後は同水準をサポートに週央にかけて方向感に欠ける展開が続いた。
一方、9日未明に公表された9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、利下げ幅に関して一部(some)参加者が25bpを支持したことが明らかになると、BTCは920万円を下抜け、900万円周辺まで水準を下げた。
翌10日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は、前月の+2.5%から+2.4%に低下するも、市場予想比で上振れた他、米失業保険申請件数がおよそ3年ぶり水準まで急増したことが嫌気され、BTCは弱含みに推移すると、米アトランタ連銀ボスティック総裁が利下げを見送る可能性について言及したことで、相場は880万円周辺までさらに下落した。
しかし、この日の米国時間終盤からのBTC円は材料消化で下げ幅を縮小。11日未明の米30年債入札が好調となったことも支援となり、900万円周辺まで回復している。
BTCは再び6万ドルを試す展開となっている。4日発表の米雇用統計が大幅に上振れたことで景気に対する懸念は幾分後退したものの、インフレ鈍化の進捗には陰りが見え始めており、9月に始まったFRBの利下げサイクルの持続性に一石を投じた。
ただ、米CPIの結果は差し迫ってインフレ再燃が危惧されるほどの内容と言え、BTCは下げ幅を縮小。今後は引き続き11日発表の卸売物価指数(PPI)や25日発表の個人消費支出(PCE)といったインフレ指標で今後の金利の道筋を見極める形となる。
足元、BTCドルは6万ドルを維持しているが、米PPIが上振れサプライズとなれば、同水準の下抜けも視野に入る。
仮にPPIが弱めに出れば、相場は200日線や下降チャネル上限を再び試すとみているが、明確なブレイクアウトには利下げ継続に向けたより多くの情報が必要とみている。
先月まで市場の関心は雇用統計にあったが、労働市場の底堅さが示され、利下げの継続が疑問視され始めた現状では、再び関心がインフレに向いていると言えよう。
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