はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

きたる米大統領選「トランプ氏勝利なら仮想通貨市場に追い風」=グレースケール・レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米国選挙結果が仮想通貨市場に及ぼす影響

米資産運用会社グレースケールは、世論調査データと予測市場で示された確率に基づき、来月の米国選挙結果が暗号資産(仮想通貨)市場にどのような影響を与えるかについて考察したレポートを発表した。

次期大統領および米国議会が、仮想通貨に特化した法案を採択し、金融市場全般に影響を与える税制や支出政策等を変更することも考えられるため、同社は今回の選挙結果が仮想通貨業界へ与える影響は重大なものになると見ている。

また、グレースケールが市場調査・分析会社The Harris Pollに依頼し、米国選挙の有権者を対象に実施した世論調査では、有権者の約半数が、仮想通貨についての知識や情報を得ることに関心のある候補者に投票する可能性が高いことが明らかになった。

そのため、2024年の米国選挙(米時間11月5日)では、仮想通貨に対する姿勢も政党や候補者選びの指針の一つとなっている。

大統領選の予測と影響

分散型予測市場ポリマーケットの大統領選の勝者予測は、執筆時現在、トランプ氏勝利が57.6%で、42.1%のハリス氏をリードしている。

関連米大統領選でトランプ氏勝利の可能性、ポリマーケットでハリス氏を上回る

グレースケールは15日の予測(トランプ 57%/ハリス 43%)に基づき、トランプ氏が勝利すれば、規制当局からの支援が見込まれ、財政赤字拡大の可能性もあるため、これらの要因が「ビットコイン(BTC)と仮想通貨に追い風となる可能性がある」と主張した。

トランプ政権は、仮想通貨業界のイノベーションを支援することに関心のある規制当局を指名する可能性が高い。

トランプ氏は、「米国を仮想通貨とビットコインの世界の首都にしたい」と発言した経緯があり、個人の仮想通貨管理権に対する保証や、ビットコインマイニングを含む仮想通貨業界への支持を明確に打ち出している。また、米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長を解任すると述べ、業界から喝采を受けた。

また、前大統領は3人の息子とともに、金融包摂を目指すDeFi(分散型金融)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」をローンチ。来週からトークンの初期販売を開始する計画だ。

関連:トランプ氏の仮想通貨プロジェクト「WLF」、2200億円の評価額で445億円調達へ

対するハリス陣営は、最近になって「仮想通貨投資家を保護し、仮想通貨やデジタル資産のためのルールの策定に取り組む計画」を発表する予定だと報道された。

しかし、その具体的な内容は明らかにされておらず、バイデン/ハリス政権下では、仮想通貨企業に対するさまざまな訴訟や、銀行サービスへのアクセス制限、超党派の法案拒否など、業界に対して敵対的なアプローチをとってきたとグレースケールは指摘した。

関連:米大統領候補ハリス氏が暗号資産規制に言及 枠組みの支持と投資家保護を明言

ビットコインへの影響

グレースケールは、ビットコインの今後の見通しについて、次期政権のマクロ政策に影響される可能性が高いと指摘した。

ペンシルバニア大学ウォートン校の予算モデル(PWBM)に基づいて、いずれの政権の財政政策でも、10年間の平均的財政赤字はGDPの6.5%から7.8%増加すると予測している。そして、「他の条件が同等であれば、巨額の財政赤字は米ドルにとってはマイナスだが、ビットコインにはプラスとみなすべきだ」との考えを示した。

しかし、同社は実際の市場への影響は不透明であると述べた。

その理由として、財政政策の実現には議会の支持が必要であること、トランプ氏が関税の大幅引き上げの意向を示していることを挙げた。

関税の引き上げはドルの価値を高める傾向があるため、リスク資産の重荷になる可能性があると指摘。ビットコインに直接影響は及ぼさずとも、仮想通貨の評価に影響し、価格の下落リスクをもたらす可能性があると付け加えた。

上院の支配権

ポリマーケットの最新データでは、共和党が米連邦議会の上院を制する可能性を79%、民主党支配の可能性を21%と予測している。

グレースケールは、上院がSEC委員長やCFTC(商品先物取引委員会)委員長など、大統領が任命する主要な規制当局トップに対する承認を行う役割を担っていることから、上院の支配権の変更が、仮想通貨にとって特に重要であるとの考えを示した。

現在、民主党が上院で多数派を占めているが、共和党の上院議員は一貫して仮想通貨業界を支持し、仮想通貨の革新にも積極的な姿勢を見せている。また、仮想通貨法案に対する投票パターンを見ても、共和党からの支持の方がより強い。

そのため、グレースケールは上院の支配権が交代すれば、仮想通貨市場にとってプラスの結果になる可能性があると結論づけた。

最善の長期的解決策

一方、下院の支配権に関するポリマーケットの予測では、現在民主党が55%でリードしている。

また、上下両院で共和党が圧勝する可能性が40%、民主党の圧勝が16%との予測も出ており、総合的に見ると、政権との統一政府になるか、分裂した政府になるかの見通しは流動的だと見られている。

しかし有権者レベルで見ると、仮想通貨は超党派の関心事であり、グレースケールは、仮想通貨業界の健全な発展にとって最良の結果は、包括的な法律制定に向けた超党派の取り組みが継続することだとまとめた。

関連仮想通貨相場上昇につながるか 中国政府、3年間で約125兆円を追加調達の可能性=報道

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当のビットコイン送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧