ビットコイン戦略には慎重姿勢を示す
米暗号資産(仮想通貨)・株式投資プラットフォーム「ロビンフッド」のウラジミール・テネフCEOは24日に放映されたYouTube番組で、ロビンフッドがビットコイン(BTC)を財務資産として持つ可能性についてコメントした。
テネフ氏は、時折、ビットコインをバランスシートに保有することについての議論が社内で浮上することはあると認めている。しかし、ある資産を運用してそれで利益を得ることは本業からの乖離になるとして、慎重な姿勢を示した。
また、仮想通貨取引サービスも提供していることから、すでにロビンフッドの株式は仮想通貨と相関があるとみられているとも話す。
ビットコイン関連のビジネスを行うのであれば筋が通るが、財務資産として購入すると、ビットコイン支持という立場を示すことにもつながるなど、投資家を混乱させる可能性もあると述べた。
ビットコインの将来性への信念の下、戦略的にビットコインを購入して株価を上げてきた米マイクロストラテジー社などとは異なる姿勢を示した形だ。
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仮想通貨事業を拡大中
ロビンフッドは、財務資産としてビットコインを保有することには慎重姿勢だが、事業では仮想通貨分野を積極的に広げている。
10月には、大手仮想通貨取引所Bitstampを2025年前半までに2億ドル(約314億円)で買収する見込みだと発表した。Bitstampは85以上の銘柄や、ステーキングとレンディングの商品も提供していることから、ロビンフッドのサービスを強化する狙いがある。
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また、10月には新サービスで、S&P500指数、原油などと共にビットコインの先物取引や指数オプションの取引を提供するとも発表した。
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新政権が追い風になる可能性も
米投資企業Bernsteinは11月、ドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利したことを受けて、ロビンフッドは2025年にも優れた業績を上げ続けると予想。2025年度の年間収益予測を38億5,000万ドルから41億9,000万ドル(約6,580億円)に引き上げた。
Bernsteinのアナリストは、ロビンフッドはこれまで、規制に制約された運営を行っており、競合取引所に比べると上場しているトークン数が少なく、ステーキング、レンディング、ステーブルコインなどから収益を得ていないと指摘。
その上で、新政権では証券取引委員会(SEC)が仮想通貨に好意的な姿勢に転換する可能性があり、その恩恵を受けてこの状況が変わる可能性があると意見した。
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