SEC会計公報などをめぐり発令か
米国のドナルド・トランプ次期大統領は、就任初日に暗号資産(仮想通貨)関連の大統領令を発令する予定だと伝えられる。ワシントンポスト紙が13日に報じた。
具体的には、米証券取引委員会(SEC)の会計公報SAB121および、業界の銀行サービスへのアクセスに関するものになる見込みとされている。
「SAB121」は、SECが発行した仮想通貨の保管に関するガイドラインだ。顧客の仮想通貨を保管する企業に対し、それらの資産を貸借対照表に「負債」として計上するよう義務付けるものである。
これは企業がカストディ(資産保管)事業を行う上でのハードルになると懸念されている。米国の上院下院は、これを非承認と決議したが、バイデン大統領が拒否権を発動していた経緯があった。
トランプ次期大統領が、大統領令によってこのガイダンスを廃止することに期待が高まっている。
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また、仮想通貨業界は、米政府が業界の銀行サービスを制限しようとしていることを以前より指摘してきた。
新政権で政府効率化局を率いることも決まっているイーロン・マスク氏がX(Twitter)上で実態を問いかけたところ、カストディアバンクやクラーケン、ジェミナイなどの幹部が、実際に銀行サービスを剥奪された経験があると答えている。
下院金融サービス委員会も、この問題を調査する計画だ。トランプ氏はこうした制限を終わらせると約束しており、その動きが注目されている。
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a16zのアンドリーセン氏も人選に関与か
トランプ新政権では、米VC大手a16zの創設者であるマーク・アンドリーセン氏も、シリコンバレーで培った知見を活かして重要な役職の候補者の検討に参加しているとされる。
アンドリーセン氏は、昨年夏にトランプ氏と会談した後から、こうした影響力を持つようになった模様だ。テクノロジー競争で中国に勝つというトランプ氏の考えに賛同しているとみられる。
米リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOも先日、トランプ氏と会談を行っており、規制緩和への期待が高まっているところだ。
リップル社は、過去4年間は米国における規制の不透明さなどから、海外中心の人材雇用を行っていたが、トランプ氏勝利を受けて、現在は募集職種の75%を米国拠点としている。
トランプ政権では、スコット・ベッセント次期財務長官やデイビッド・サックス次期AI・仮想通貨責任者、ポール・アトキンス次期SEC委員長らなど仮想通貨に前向きな人物が要職に付く。