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仮想通貨による投資移民を認定か
香港当局は、投資移民申請の有効な資産証明として暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を認めた。現地メディアが報じた。
香港の会計士によると、2月7日に顧客が3,000万香港ドル(約5.8億円)相当のイーサリアムを資産証明として使い、香港投資促進局に投資移民を申請。これが承認された格好だ。
この会計士は、昨年10月にはビットコインを資産証明として利用した顧客も承認された例があると話した。このケースは、香港で仮想通貨を資産証明とする投資移民が承認された初の事例でもあった。
当局は、この初めての事例の際には、1か月間の内部協議を経てから承認を決定したという。また、上記2人に加えて、同様に資産証明として仮想通貨を使用して移民申請中の顧客が現在2人存在する。仮想通貨は、コールドウォレットや、バイナンスなど大手の取引所に保管しておく必要がある模様だ。
香港の投資移民制度では、まず3,000万香港ドル相当の資産を保有していることを証明し、その後6か月以内に株式や債券など適格な現地資産に3,000万香港ドルを投資しなければならない。
なお、これらの顧客は中国本土から香港への移民である。中国では政府が2021年より仮想通貨取引やマイニングを全面的に禁止しているが、一部市民はVPN(仮想プライベートネットワーク)や個人間でのP2P(相対)取引などで、規制をかいくぐっているとされるところだ。
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仮想通貨に対して中国本土と異なる路線
香港は、中国本土とは異なり仮想通貨に積極的な姿勢を示している。2023年6月より個人投資家にも仮想通貨取引を認めた。また、仮想通貨サービスプロバイダーに対するライセンス制度を導入し、投資家保護の取り組みも行っている。
2024年には米国に続き、ビットコインとイーサリアムの現物ETFも上場承認した。
一方で、慎重な点としては、厳格な審査基準により、これまで合計7件の仮想通貨企業にしかライセンスを発行していない。また、合法的に取引できる仮想通貨は、現在のところビットコイン、イーサリアム、アバランチ(AVAX)、チェーンリンク(LINK)の4つに絞られている。
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香港では、ビットコイン準備金を検討する案も浮上している。香港立法委員のWu Jiexhuang氏は昨年12月、地元メディアのインタビューで金融の安全を強化するため、国家準備金にビットコインを追加することを提案していた。
米国のドナルド・トランプ氏による政府のビットコイン備蓄構想や、ビットコインを準備金に組み入れているエルサルバドルなどの動きを挙げ、ビットコインが世界的に受け入れられつつあることを強調した格好だ。
Jiexhuang氏は、香港当局が、まずは現物ではなくビットコインETFを準備資産に含めることを検討するよう促している。こうすることで後にビットコイン保有量を増やせる可能性もあると意見した。
ETFとは
上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
▶️仮想通貨用語集
また、他の国がビットコインの保有を始める可能性に触れて、次のようにコメントしている。
主要経済大国がビットコインを戦略的準備金に含めれば、その価格は安定し、他の国々もそれに続くようになるだろう。これにより、各国で従来型資産の保有量が減少し、それらの資産で構成される準備金にも影響を及ぼす可能性がある。
米国では、トランプ政権の大統領令により、ビットコイン備蓄の創設可能性について今後検討が行われる見込みだ。
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