
S1書類で進展
世界最大級の資産運用会社フランクリン・テンプレトンは21日、米証券取引委員会(SEC)にソラナ(SOL)現物ETFに関するS-1登録届出書を提出した。注目すべき特徴として、同ETFはソラナのステーキングによる報酬を組み込む計画を示している。
登録届出書によると、同ファンドはステーキング活動への対価としてソラナトークンの報酬を受け取る可能性があり、これがファンドの収益として扱われる見通しだ。また、取引所はCboe BZXを予定し、資産の保管はコインベース・カストディ・トラスト・カンパニーが担当することも明らかになった。
この動きに先立ち、SECは12日に21シェアーズ、ビットワイズ、キャナリー・キャピタル、バンエックの4社が申請したソラナETFの審査手続きを開始している。各社は取引所Cboe BZXを通じて上場規則変更を申請しており、ビットコインやイーサリアムETFの承認プロセスと同様の道筋を辿ることが予想される。
また、グレースケールが運用するソラナ・トラストのETF転換に関するパブリックコメントの募集も開始された。グレースケールによるビットコインとイーサリアムETFの承認獲得を受け、SECの新たなリーダーシップ下でソラナを含むアルトコインETFへの期待が高まっている。
市場関係者からは、前SEC委員長ゲーリー・ゲンスラー氏の時代と比べ、現在の規制当局は仮想通貨に対してより友好的なアプローチを取っているとの見方が出ている。特にグレースケールによるビットコインETF訴訟の勝訴以降、SECが段階的にアルトコインETFの承認を進める可能性が指摘されている。
▼ S-1登録届出書(用語解説)
米証券取引委員会(SEC)に提出する証券登録届出書の一種。新規株式公開(IPO)や新商品の上場時に必要となる基本的な登録書類で、投資商品の詳細な情報、リスク要因、財務データなどを含む。ETFの場合、ファンドの運用方針、手数料構造、基準価額の算出方法などの重要情報を記載する必要がある。S-1書類の提出は、ETF申請プロセスにおける重要なマイルストーンとされている。
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