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ステーキングETFの進展
米国証券取引委員会(SEC)が、イーサリアム(ETH)の上場投資信託(ETF)でステーキングを認めるルール変更提案(19b-4申請)を受理した。これにより、ETH ETFが新たな収益源を確保する道が開かれる可能性が出てきた。
この動きの背景には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の一部門が2週間前に提出した、グレースケールのETH現物ETFでのステーキングを許可する申請がある。NYSE Arcaは、他の取引所と同様に既存のETH ETFにステーキング機能を導入する承認を求めている。例えば、Cboe BZX取引所は先週19日、21Shares Core Ethereum ETFのETHをステーキングする許可をSECに申請した。
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承認されれば、これらのETFは大量に保有するETHをステーキングすることで追加の収益を生み出し、その一部を投資家に還元できる。NYSEの申請書によると、「トラスト」はステーキング報酬の一部を受け取る。Grayscale Ethereum Mini Trust ETFは約12億ドル相当の資産を管理し、Coinbaseが保管する47万7,428 ETHを保有している。
イーサリアム現物ETFは2024年夏に米国で初めて取引が承認されたが、当時のSEC委員長ゲイリー・ゲンスラー時代には、連邦証券法違反の可能性を理由にETHベースのETFによるステーキングが禁止されていた。対してNYSE Arcaは、専用カストディアンを介したステーキングが、「委任ステーキング」や「ステーキングサービス」とは異なり、証券提供には該当しないと主張している。
申請では、「ポイントアンドクリック」などのステーキング手法により、リスクを増やさずに報酬を得られると強調。ETFが保有するETHから追加のETHを獲得することで、イーサリアム保有のリターンをより忠実に反映できるとしている。
▼ 19b-4申請(用語解説)
19b-4申請は審査の「第2段階」。すでにETF本体の登録に向けた書類(第1段階)が提出されており、取引所がそれを上場するために必要なルール変更をSECに申請する段階を指す。