
Nova Labsに対する訴訟撤回に同意
ソラナ(SOL)基盤の分散型無線通信ネットワークHelium(ヘリウム)は11日、米証券取引委員会(SEC)が開発企業Nova Labsに対する訴訟を正式に取り下げることに同意したと発表した。これにより、同プロジェクトは今後の開発に注力できるとしている。
SECは1月、HNT、MOBILE、IoTの3トークンを未登録証券とみなし、Nova Labsを提訴していた。今回の取り下げは、これらトークンが証券と見なされないとの判断が下されたとHeliumは受け止めている。
この動きは、仮想通貨によるインセンティブを活用して現実世界のインフラを構築するDePINプロジェクト全体にとっても、法的不確実性を取り除く重要な前進とされる。
Helium創設者アミール・ハリーム氏は、今回の訴訟撤回が「確定的却下(dismissed with prejudice)」であるため、今後同様の訴訟が再び提起されることはないと説明した。
Heliumはまた、新たにSEC委員長となったポール・アトキンス氏ら新リーダーに謝意を示しており、新体制の下ではリップルやコインベースへの訴訟取り下げなど規制緩和の動きも広がっている。
関連:SECがオープンシー調査を終了、コインベース訴訟撤回に続く規制緩和の動き
Heliumは、世界77,000の都市で稼働する分散型LoRaWANネットワークを展開し、5G通信のグローバル展開を目指す。T-Mobileなど通信大手との提携も進めており、IoT向けのホットスポット運用を通じて、医療や物流など多様なユースケースで活用されている。
2月にはメキシコの大手通信企業モビスターと提携し、230万人のユーザーがHeliumネットワークを利用可能になった。同ネットワークは他MVNOへの再販も視野に入れている。
関連:ソラナで拡大する分散型インフラ「DePIN」、注目プロジェクトを深掘り