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ビットコインハードフォークの危険性 分裂後のそれぞれの通貨の行方とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコインコミュニティは分裂する方向へ向かいつつある
大多数のマイナーたちが容量の拡張を求めるのに対し、ビットコインコア開発チームを始めとする少数派は拡張を否定しています。この状況が続くと11月に行われる予定のハードフォークでチェーン・スプリットが起こるでしょう
ハードフォークが起こり状況次第ではビットコインのコミュニティがお互いに潰し合う可能性がある
大多数のマイナーが支持するチェーンが生き残り、もう一つのチェーンは攻撃され消えていく

CoinPost注釈:

この記事内での見解は、数ある中の一つに過ぎず、必ずしもCointelegraphの見解と一致するものではありません。

ビットコインのこれからの将来を大きく左右するであろうフォークが差し迫ってきています。先日、Cointelegraphが投稿した記事で、”ビットコイン・キャッシュ”及び、”ビットコイン・ゴールド”のフォークはビットコインネットワークに微塵も影響を及ぼすことはないと言及していました。

フォークが起ころうと、真のビットコインは一つである
ビットコインから分岐した、ビットコインキャッシュやビットコインゴールドもビットコインコードを使用し派生した通貨であり、他のアルトコインと変わりません。

これはあくまでもビットコインから派生するアルトコインの誕生は、メインブロックチェーンであるビットコインブロックチェーンには干渉しないことから、不具合がでたりコミュニティの分裂が起きてビットコインの価値が分散してしまうことがないということでした。 よっていかにビットコイン派生のアルトコインが生まれたとしても本来のメインチェーンであるビットコインチェーンに影響はないという紹介記事となります。

しかし、将来起こるであろう”既存のシステム vs SegWit2x” に関しては全く異なるものなのです。これはビットコインのブロックチェーンやBTCがどうなるかという話で、同じハードフォークという名前でも内容は大きく異なります。

背景

ビットコインのスケーラビリティに関する議論は4年以上も続いており、ある人はコミュニティは内戦状態だと主張するほど悪化し、もはや無視できないレベルに到達しています。これは、ビットコイン・コミュニティ内で多くの人が、ビットコインネットワークの需要の増加に伴って、取引の蓄積を防ぐために、各ブロックの容量も増加させるべきだと気づいたことから始まりました。

多くの人は、長期的な解決策が見出されるまで、一時的にでも容量を倍にすればいいのではないかと主張しました。しかし、これに対し、ビットコインのコア開発チームは、より長期的な技術的解決策を見出すべきだと、容量の増加に反対しました。

コア開発チームは、ブロック内により多くの取引を格納し、マウントゴックスでも問題となった取引脆弱性問題をも解決することのできるSegregated Witness(以下、SegWit)を提案しました。この問題を解決することで、ビットコインのネットワークを劇的に拡張することができるライトニングネットワークの導入が可能になりました。

2016年の2月に、ビットコインコア開発メンバーの代表者たちは、香港にて行われたマイナーの組合と話し合いの末、SegWitの導入に加え、ブロックサイズを2メガバイトに拡張することに合意しました。調印者には、Blockstreamの社長であり、コア開発チームに多額の支援を行なっているAdam Back氏(以下、Back氏)も含まれていました。

コア開発チームの一員でありBack氏の部下でもある、Gregory Maxwell氏は香港組合に対し反論しました。

「これでは、数人の心良き者がビットコインの様々な問題について学び教えるために中国に渡航したはずが、SegWit導入後のハードフォークに合意するまで、朝の3-4時まで部屋に監禁されてしまいただの愚者に成り果ててしまったようなものです。

SegWitのコードが公開されると、40%ほどのマイナーがそのシステムを支持し、その他の40%ほどがブロックサイズの拡張に対して支持しました。双方の間には大きな溝が存在し、それは約1年ほど続きました。

2017年の5月に、デジタル通貨グループのBarry Silbert氏(以下、Silbert氏)は多数のマイナーやビットコイン・ビジネスの代表者と会議を開き、ニューヨーク合意が締結されました。調印者は、SegWitは、2017年の9月以前に適用され、2メガバイトへのブロックサイズ拡張は同年11月のハードフォークにて執り行われることに対して合意しました。

ここでの調印者は、ビットコインエコシステムの中の主要企業ばかりでした。

5月25日に調印したグループ詳細
  • 世界22ヶ国から集まった58社
  • 全マイニングパワーの内の83.28%
  • 月間換算で51億ドルものチェーン上での取引量
  • 2050万ものビットコイン・ウォレット

この”SegWit2x”とも呼ばれるニューヨーク合意へは、ビットコインマイナーの95%ほどが支持していました。しかし、数日前までは(現在2017年10月15日)SegWit2xへの支持が95%を維持していたのに対し、Bitwalaを始めとするビットコイン・ビジネスを手がける数社及び、主要ビットコインマイナーであるF2PoolがSegWit2xへの支持を取りやめたことにより、10月15日時点で85%にまで低下しています。

もともとSegWitの導入だけを支持していたマイナーたちは、F2Poolがしたように、ブロックサイズの拡張も行うSegWit2xへの支持を取りやめる可能性があるとしています。これは、高い可能性を秘めており、それは、建物に亀裂が入るように瞬く間に起こると言います。結果は、時間が教えてくれるでしょう。

さしあたり、コア開発メンバーは断固としてハードフォークに反対しており、まだブロック拡張をしないチェーンを支持しています。これは、全員がソフトウェアを新しいブロック拡張されたコードに更新しないことを示しており、チェーン・スプリットが起こる可能性を示唆しています。

もしこのまま続行されたらどうなるのでしょう?

マイナーたちが引き続きハードフォークを支持していくのかどうかは定かではありません。次の数週間の間にはどんなことでも起こり得ますが、ハードフォークが迫ってきていることを考慮し、論理的に考えると、フォークに対して肯定的でない人は既にそのフォークへの支持を取りやめているはずなのですが、人々はまだこの支持を取りやめていないのです。

もしSegWit2xがこの2017年11月に実行され、85%のマイナーたちが新しいコードに適応し、コア開発メンバー及び、彼らの支持者が新しいコードを適用しなかった場合、チェーン・スプリットが起きてしまいます。

このチェーン・スプリットは、ブロックサイズ拡張のコード上にリプレイ・プロテクション(不正な送金をされてしまうことを防ぐ)を含まないために非常に複雑になってしまうのです。なぜなら、このリプレイ・プロテクションがないと一つのチェーン上で送金されたものが、同時にもう一つのチェーン上でも送金されてしまうのです。これは、大惨事とも言えるでしょう。

SegWit2xのコードを維持しているJeff Garzik氏によると、リプレイ・プロテクションは意図的に織り込まれていませんと語りました。彼は、SegWit2xは絶大なマイナーサポートを要し、これが本当の”ビットコイン”であり、このコードはただ単に必要不可欠な(そして、既に承認された)アップグレードですと言及しています。一方で、コア開発メンバーも、マイニングサポート不足にも関わらず、彼ら自身のバージョンのビットコインが本当の”ビットコイン”だと考えているため、リプレイ・プロテクションを意図してコードに書き入れていません。

予想される結果

もしこのままこの状況が続くのであれば、11月にチェーン・スプリットは起きてしまうでしょう。既存のチェーンは存続されますが、マイニングは15%のビットコイン・マイナーたちにのみサポートされます。そして、アップグレードされたチェーンは85%のビットコイン・マイナーによって支持し、コア開発チーム及び、多くのビットコインユーザーは既存のチェーンを支持するのです。

ビットコイン取引所は、今後両方のチェーンを取引所で扱うのか、そしてどちらを”ビットコイン”として表記するのかを判断する難しい立ち位置にあります。米ドルでの取引量が最も多いBitfinexでは、既存のチェーンを相場表示でビットコインとしつつ、新しいチェーンの取引の追加も決めました。

もし、コア開発チームによって支持されるビットコインとマイナーによって支持されるビットコインで2つに別れてしまったら、大衆の混乱を招き、投資家にとって、どちらのビットコインが本当の”ビットコイン”であるのか判別できなくなってしまう可能性があります。この壊滅的な問題を解決するために、どちらが真のビットコインなのかと多数派のチェーンが少数派のチェーンを壊すために攻撃を仕掛ける可能性があります。

攻撃方法とは?

この少数派のチェーンを壊滅させるのはいたってシンプルです。SegWit2xの支持マイナーたちが85%いるので、まずその中から、少数のマイナーたちに既存のチェーンのマイニングをさせます。そして、あるポイントで、既存のチェーンに対して、二重支払いを引き起こし、ブロックチェーンの再構築を可能にする51%攻撃を仕掛け、徐々に既存のネットワークを使用できないようにしていくのです。

コア開発チームは、51%攻撃の際には、既存ネットワーク上のマイニングアルゴリズムを変更すると語りました。つまり、彼らは51%攻撃が行われた場合、”本物でオリジナルなビットコイン”を提唱し、本質的な機能を変更し、彼ら自身でハードフォークを引き起こそうとしているのです。

よって、もし85%のマイナーがSegWit2xを支持し、ビットコインコア開発チームが既存のチェーンを継続して使用しようと考えている状態でチェーン・スプリットが起きた場合、後者のチェーンはほぼ確実に壊滅させられると考えて良いでしょう。

しかし、取引所によって左右されるのではないかと考える人も多いかと思います。確かに、もし取引所が新しいバージョンであるSegWit2xを拒否した場合、そのチェーンはなくなるでしょう。ビットコインコア開発チームの既存のチェーンを支持するというだけで、SegWit2xのマイナーたちは、マイニングされたコインから収益を得られなくなり、既存のチェーンに戻ってくるでしょう。

しかし、問題なのが、取引所はその決断に至ることは考えられないという事です。正常な取引所であれば、たかが15%のマイナーにしかマイニングされない通貨を独占的に扱うことはあり得ません。ブロックチェーンが安全ではないからです。最初にビットコイン・キャッシュが発行された時も、マイナーが少ないとネットワークが攻撃された際に大きな被害を被るため、取引所は完全にその通貨を支持するまでに何日間も要しました。

ブロックチェーンの再構成とはなんなのか?

ブロックチェーンの再構成は、51%攻撃の際に起こり得る、最も危険な結果です。攻撃者が正規ネットワーク上の2倍のマイニングパワーを持っていると仮定します。正規マイナーたちがブロックを承認し公開していく中、攻撃者は自分のブロックを密かにマイニングし、公開をしません。そして、正規マイナーたちが10ブロック作成したのに対し、急に攻撃者のブロックが15ブロック作成されるのです。

いかなる時も、一番長いチェーンが正規であると認識されるため、攻撃者の15ブロックが正規マイナーの10ブロックを差し置いて正規ブロックに成り上がり、ネットワークに承認されます。

この時に、もし取引所が1000ビットコインの入金を受け付けていたらどうなるでしょう。入金をした投資家は、ビットコインを誰かに売り、そこで得たお金を引き出します。そして、仮にブロックチェーンの再構成が行われ、その入金が行われたブロックを孤立したブロックにしたとします。すると、その投資家は、1000ビットコインを持ち合わせたまま、そのビットコイン分を売り、得た金額のドルも持ち合わせているのです。そして、取引所には、ドルもビットコインも残りません、なぜなら、ネットワーク自体が、そもそも1000ビットコインの入金などなかったことにしているからです。このようなことが起これば、ビットコインの信頼は失われてしまい、価値が下がることに繋がります。

一旦、ほとぼりが冷めるまで待ちましょう

まだ焦る必要はありません。現在SegWit2xを支持しているマイナーたちがその支持を取りやめて、フォーク自体が起きない可能性も充分にあり得ます。同様に、ビットコインコア開発チームが、ギリギリになってチェーン・スプリットを避けるためにSegWit2xへのアップグレードを容認するかもしれません。もしこのどちらもが起きないにしても、SegWit2xのチェーンがフォークが起きて数日以内に、既存のチェーンを機能させなくすることもあり得るのです。

一般ユーザーの方々は、ほとぼりが冷めるまでビットコインをオフライン・ストレージに保管しておくことが賢明かと思われます。少し時間はかかるかもしれませんが、どこかで、必ずどちらかのチェーンが淘汰され、もう一方が生き残るでしょう。それまでは、ぜひお気をつけて、細心の注意を払ってください。

If Hard Fork Happens, Chain Backed By Majority of Miners Will Likely Win

Oct 14, 2017 by David Dinkins

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

SegWit2xの支持率が90%以上となっており、この先物がBitfinexで取引されていますが、この2xの開発者は一人だと言われています。

開発を一人だけに任せられていることが不安視されています。また、F2Poolなど複数の支持していたマイナーが離脱することを表明していますので、SegWit2xの支持率に変化が起きていることもあり、たとえフォークをしたとしても継続して支持を得ない可能性が高いです。SegWit2xにはリプレイプロテクションが実装されていないため、リスクがあります。

今回の記事でも2xには合理性がないように思われますが、11月にフォークが行われる可能性は依然変わらずあるので、これからの動向には注目です。

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