CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨による資金調達法「ICO」|ビットコイン急落と共に変化するICOに求められる条件

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICO現在の需要とは
2018年に仮想通貨バブルが崩壊して以来、ICOの需要も急激に急落した。それから一年以上たった今、ICOによる資金調達に需要は存在しているのか。現在のICOの実情に迫った。

2019年、ICOの実態とは

2018年始めの仮想通貨バブル崩壊が原因の一つとなり、ICOの人気も急落した。

仮想通貨情報サイトCoinScheduleのデータによれば、今年1月のICOによる全体の資金調達額は約2億9200万ドル(約324億円)で、去年の同時期に比べ、その額は10分の1程度の規模へと縮小している。

またトークンセールのアドバイザー企業Statis Groupによると、ICOは詐欺などの違法行為も多くみられ、2017年に行われたICOの約80%が詐欺だったというデータも存在している。

そのような点からも、ICOの存在価値そのものに陰りが見えているといった意見も散見される。だが、その実情はどうなのだろうか。

米国においては、ICOは法律面で様々な障壁が存在し、ICOに投資を行う米投資家は極めて少なくなっている。

実際、CoinScheduleがブルームバーグに提供したデータによると、2018年最初の3ヶ月では世界中で113行われたトークンセールのうち、約20%に当たる22が米国で行われていた。

しかし2018年10月から12月においては全トークンセールの約10%に相当する12のトークンセールしか行われなかった。米国内でのICOの減少の背景には、米SEC(証券取引委員会)からICOに対する厳格な取締体制が大きな影を落としている。

特徴的だったのは昨年11月に、SECが分散型取引所の創設者を未登録証券の疑いで起訴した件で、DEXでも米国内で取引をしていれば取締対象となるメッセージが強く届ける事例となった。

しかし対象的に、スイスやリヒテンシュタインなど、欧州では比較的、仮想通貨やICO全般に対して前向きな姿勢をとっている。

実際にスイスの金融規制機関、FINMA(金融市場監査局)はトークンセールの前にプロジェクトを審査している。

そのほかにも東ヨーロッパやアジアに位置する地域では、スタートアップ企業が資金調達を行う方法が限られており、投資家側も、投資対象の種類が限定的であるといった背景が存在するため、現在もICOに対する需要は一定数あると言える。

また現在のICOプロジェクトは、実際にプロダクトを開発し、なおかつ、数百万人のユーザーを抱えているといったような健全なプロジェクトが、以前に比べ数多くみられる。

先月、大手取引所バイナンスが運営するICOプラットフォーム「バイナンス・ローンチパッド」を通じ、BitTorrent社がICOセールを行い、15分でトークンセールが完売した。

BTTトークンの発行元企業のCEOであるJustin Sun氏は以下のように言及している。

ICOに投資を行う際、最近は、プロジェクトのビジョンと実行力の両方を見ている投資家が多い。

また、現在のICOのマーケティング手法も変化しており、ICOではなくクラウドファンディングと呼び、ICOを行っているケースもみられる。

Web3財団のJack Platts氏も「ICOのようなモデルが無くなることはない。世界中の匿名の投資家から、資金を調達する手段(ICO)というのは、多くのプロジェクトにとって大変魅力的だ。」と話している。

以上のように、ICOは多くの課題を抱えているが、それでも、その需要は依然として存在している様子だ。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

ICOプロジェクトによるイーサリアム売却、仮想通貨が大暴落した昨年11月から今年2月にかけて「計75万ETH」に到達か|Trustnode分析データ
海外仮想通貨メディアTrustnodeによれば、ICOプロジェクトによるイーサリアム売却量が、11月から2月にかけて75万ETHに膨らみ、2018年の累計売却量は260万ETHに達していたことが分かった。
イーサリアム共同設立者「信用ではなく真実が必要だ」|Web3.0、Polkadotの構想を語る
イーサリアム共同設立者ギャビン・ウッド氏へ取材を行い、現在同氏が取り組んでいるWeb3.0やPolkadotなどのプロジェクトに抱く想い、構想を伺った。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
03/29 金曜日
17:08
HSBC銀行がトークン化されたゴールド商品を香港で提供開始
HSBCは香港の個人投資家に向けて、オンラインバンキングとウェブサイトを通じたトークン化されたゴールド商品のアクセスを提供開始した。トークンはHSBC Orionプラットフォームで発行され、リテール向け、HSBCオンラインバンキングおよびHSBC香港モバイルアプリを通じて提供される。
15:30
Filecoinステーキング大手、Glifがポイントプログラム開始
暗号資産(仮想通貨)ファイルコイン(FIL)の、ステーキング・プロトコルGlifがポイントプログラムを開始した。FILトークン保有者は流動性プールにFILを預けることで、Glifのネイティブ・リキッド・リース・トークンである「iFIL」を受け取り、運用できる。
14:34
イーサリアム共同創設者ブテリン氏、Dencun後の改善点を語る
仮想通貨イーサリアムの共同創業者ヴィタリック・ブテリン氏は、Dencunが完了した今後の技術的な改善点を提案した。
14:11
CoinTradeがソラナ含む4銘柄の取扱い開始、ステーキングサービスにSOL追加
暗号資産(仮想通貨)販売所CoinTradeがソラナを含む4銘柄の取り扱いを開始。ステーキングサービスにSOLを追加した。条件をクリアすることでSOLをプレゼントするキャンペーンを開催中。ジパングコイン(ZPG)など三井物産デジタルコモディティーズも新規で取り扱う。
12:55
日本DAO協会4月1日に立ち上げ 府令改正も同日公布
日本DAO協会が4月1日に設立される。DAOの自主規制や健全なエコシステムづくりを推進していくもので、協会自体の運営もDAOで行う計画だ。
12:24
ビットコイン7万ドル台で高止まり、ブラックロックの新規ファンド好調でRWA関連銘柄買われる
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが7万ドル台新高値をうかがう展開。アルト相場ではブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」絶好調の影響で、ONDOなどのRWA関連銘柄が買われた。
11:30
Googleサーチ、ビットコインやArbitrumなどのアドレスで資産残高を確認可能に
全ての資産を表示するわけではなく、残高は各ネットワークのネイティブトークン(ETHやARB、OPなど)のみを表示。
10:50
5月のローンチ目指す、香港でビットコイン現物ETF申請のVSFG
仮に香港で承認された場合、アジア初の事例となり、今後日本でのビットコインETF上場や発行にも追い風になりうるとみられる。
10:00
FTXのサム前CEOに懲役25年の判決 カリフォルニアで服役へ
米国地方裁判所の判事は28日、破綻した仮想通貨取引所FTXのサム前CEOに対して懲役25年、および最大1.7兆円の資産没収という判決を言い渡した。
08:40
2.6兆円相当のBTC保有数到達、ブラックロックのビットコイン現物ETF
純流入再び加速 ブラックロックのIBIT・ビットコイン現物ETFの運用資産は初めて、250,000 BTC(2.6兆円)を超えた。1月11日の取引開始からわずか11週間で2兆円…
08:10
Wormholeの仮想通貨「W」、取得開始日明かす
Wormholeは、今月7日に、Wトークンのエアドロップアロケーションや適合対象アドレスを公開。ソラナ、EVM系、Sui、Aptos、Osmosis、Injectiveといったネットワークでのユーザーや、ソラナNo.1NFTコレクションである「Mad Lads」のホルダーを対象としている。
07:40
米投資会社、マイクロストラテジーの株はBTCより割高と指摘
マイクロストラテジーの株価から概算する仮想通貨ビットコインの価格は17万ドル超であると米ケリスデールが分析。同社の株は、ビットコインに対し正当ではないプレミアムがついて取引されているとの見方を示した。
07:20
アバランチ財団「Codebase」、最初の支援プロジェクト15社を選出
アバランチではすでに「Colony Lab」という分散型アクセラレーターが活動しているが、今回Codebaseと連携し支援対象への資金提供を拡大し、1プロジェクトにつき、100万ドルを超える金額を提供する可能性がある。
06:45
5月承認の可能性低いもBitwiseらがイーサリアム現物ETFの上場申請行う
イーサリアムETFが現在の多くの申請の最終期限となる5月に承認される見込みは、SECがイーサリアム財団を調査しているとの報道などを受け大幅に後退している。1月には70%あったが、現在は20%程度まで低下してきた模様だ。
05:50
Bybit、ソラナミームコイン「POPCAT」の永久先物提供
ソラナの仮想通貨ミームコインへの需要は未だ高い。代表的な犬系ミームコイン「WIF」は29日過去最高値を更新し、前日比で20%上昇している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/06 ~ 2024/04/09
香港 香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター3FG
2024/04/09 14:00 ~ 16:00
その他 オンライン
2024/04/13 ~ 2024/04/14
東京 東京都港区
2024/04/13 10:00 ~ 17:00
その他 オンライン
重要指標
一覧
新着指標
一覧