- 地域限定の「デジタルマネー」が普及し始める
- 木更津市・飛騨市で地域通貨「アクアコイン」が重宝されている。BTCのような価格変動はなく、1アクアコイン1円の価値で利用できるステーブルコインとなる。
地域限定の「デジタルマネー」が普及し始める
日本政府が推進する「キャッシュレス政策」を背景に、みずほ銀行の「Jコイン」やSBIホールディングスの「Sコイン」など、さまざまな電子通貨が発表されているが、昨今では、消費活性化狙う地域限定の電子通貨が広がりつつある。
電子地域通貨は、仮想通貨の技術「ブロックチェーン」やスマートフォンの専用アプリを活用する形で、徐々に広がりをみせている。クレジットカード決済などに比べ、専用機器の設置などに掛かる初期費用や決済手数料を大幅に抑えられるためだ。
地域振興のための施策
日本経済新聞の報道によれば、木更津市・飛騨市で、地域通貨「アクアコイン」が登場した。ビットコインのような急激な価格変動はなく、1アクアコインは1円の価値で利用できるステーブルコインで、日本円にペッグされている。
取扱店の店頭に置いてある「QRコード」を読み込むことで、スマートフォン内のコインから決済され買い物が可能。店側は、随時コインを換金できる仕組みだという。2018年3月〜6月までの3ヶ月間の実証実験では、4000万円以上の利用があった。
昨年10月の本格導入後には、飲食店やホテル、病院など加盟する416店舗で使用可能となり、ダウンロードしたスマホアプリにチャージ(入金)された現金総額は、約4ヶ月で7000万円に上るという。
買い物客は、加盟店の内、21店舗に設置された自動チャージ機で、最大10万円までチャージ。対応店舗の「QRコード」を読み取ることで、迅速な決済を行うことができる。
木更津市・産業振興課の担当者は、以下のように述べた。
電子通貨の使用は県外からの観光客も利用でき、2月1日から3月31日までキャンペーンで、購入額の5%のアクアポイントが還元される。キャッシュレスが進んだ地域として経済の活性化を目指している。
同様の仕組みは他の地域にもあり、岐阜県飛騨市は、飛騨信用組合と協力し2017年12月から金融機関初の電子地域通貨「さるぼぼコイン」を導入している。現在、加盟店は900店舗、利用者は6500人で、チャージ金額は5.9億円に達し、うち5.4億円が決済利用されている。
SuicaなどJRや地下鉄で使用できる「交通系のプリペイド決済」などは、コンビニアンドでも利用できることで普及率を高めてきた。
地域経済活性化のために、まずは利用できる店舗を増やして利用者に認知してもらうことが先決で、加盟店の拡大と利便性 の向上が求められる。
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