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米CFTC元会長、仮想通貨の「原則的な規制枠組み」呼びかけ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

元CFTC会長、仮想通貨の規制枠組みの必要性を強調
米公共政策団体「The Brookings Institution」は18日、元CFTCでビットコインをコモディティ認定時に会長を務めていたTimothy Massad氏による、仮想通貨の規制強化を呼びかけるレポートを発表した。Massad氏は「具体的な規制ではなく、原則的な枠組み」の必要性を強調した。

元CFTC会長、仮想通貨規制の必要性を呼びかけ

米国の公共政策団体「The Brookings Institution」は米時間18日、仮想通貨の規制強化を呼びかけるレポートを発表した。

特筆すべきは、レポートの著者が、オバマ政権の下で米国CFTCの会長を歴任したTimothy Massad氏である点だ。同氏は、仮想通貨の規制は「具体的な細かい規制を増やすのではなく、基盤となる原則を策定していくべき」だと述べている。

Massad氏は米国オバマ政権の下、2014年6月から2017年1月まで米国CFTC(商品先物取引委員会)の会長として2014年に同機関で初めてビットコインについて言及した。

また在任中の2015年、CFTCはビットコインをコモディティと位置づけしており、仮想通貨市場の急上昇する以前から仮想通貨に着目している。

そんなMassad氏は、ハーバード大の教員として今回のレポート公表に至った。

レポートはビットコインの歴史から、相次いだハッキングなどの過去、州ごとの規制の違いや、規制の在り方、米政府への推奨など60ページに渡り様々な内容について言及している。

様々な題目に触れながらも、Massad氏はビットコインの人気や評判に関わらず、仮想通貨の規制及び取り締まりは必要であると述べた。

仮想通貨規制を全く行わないわけにも行かないが、過度に規制し、税金をかけて業界を潰すのも避けるべきだ。

米国の原則的な市場監視アプローチは規範的判断を避け、市場に透明性を提供することで、投資家自身が正しい判断できる規制環境を作ることだった。この手法に従っていきたい。

…仮想通貨が次世代を大きく変える技術だろうが、現代版のチューリップ・バブルであろうが、政府の規制方針を変えるべきではない。

また、仮想通貨市場の下落も規制の必要性を変えない。デジタルトークンは暗号通貨の将来的な存続に関わらず、合理的な規制の枠組みは今築くべきだ。

また、ビットコインや仮想通貨は本来トラスト・レスな新たな金融システムを構築するはずだったが、実際には規制や監視、管轄の行き届かない新たな金融機関を築いたとMassad氏は述べた。

この(仮想通貨)技術は、結果として他の資産クラスで義務付けられている投資家保護などの原則的な基準に満たない、新たな金融プレイヤー(取引プラットフォームやそのほかの仲介機関など)を生んでしまった。

この実態が主な規制のギャップである。

仮想通貨取引所など、既存の規制に当てはまらない事業が出てきたことが、ハッキングや破産を通して顧客資産の喪失につながっていることを問題視した。この問題はコインチェックやマウントゴックスなどの事例でも見られている。

ほかにも、Massad氏は市場操作や利害の衝突が起きやすいとも指摘した。

このように述べた上で、Massad氏は具体的な規制ではなく基盤となる原則が必要であるとして以下の項目が含まれる包括的なガイドライン(”core principles”)の策定を呼びかけた。

  • 投資家の資産保護
  • ガバナンスの基準策定
  • 利害の対立が起こる状況の発生を避ける仕組み
  • 記録保存と定期的な報告
  • オープン取引の処理と決済
  • 取引前後の透明性基準
  • 詐欺・市場操作などの不正行為防止
  • 手数料や注文の種類や取引に関する規約、責務など投資家への情報開示
  • リスクマネジメント
  • 事業の持続性、サイバーセキュリティや緊急時対応の徹底

米政府は、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の両方もしくはいずれかの機関にさらなる権限と追加の予算を加えるべきだとも述べた。

以前CFTCの会長を務めた経験上、双方の規制機関は先物市場や証券市場など、それぞれの管轄下にある市場の監視で人員が回らない状況が頻繁に起きると語っており、仮想通貨市場を正しく規制するためには、いずれにせよさらなる人的・財的補填の必要性を挙げている。

また現在米国の各州では徐々に仮想通貨に関する条例・法案が可決されているが、Massad氏は最終的には「州ごとで変わる送金法ではない、包括的なフレームワークが必要」だと言及した。

そしてレポートの最後に、以下の7つの推奨項目を提示している。

  1. 連邦議会は仮想通貨の提供、取引を行う取引所、カストディアン、ブローカーやアドバイザーの規制においてさらなる権限をSEC又はCFTCに与える法案を可決すべき
  2. 議会はSECとCFTCの暗号資産規制を向上するために予算を増やすべき
  3. 法案は具体的な規制ではなく基盤となるコアな原則を築くべき(上記参照)
  4. 連邦議会は海外プラットフォームが米国市民に投資勧誘した際、取り締まりの必要があるか判断する権限を該当する規制当局に付与するべき
  5. 連邦議会は非中央集権、又は中央集権的な団体に対して規制のアプローチを変えるべきか該当する団体を牽引すべき。
  6. 金融安定監督評議会、または米財務省が仮想通貨法案策定の第一ステップとして連邦議会に仮想通貨業界における規制を呼びかけるレポートを発表すべき
  7. 仮想通貨業界は引き続き自主規制の基準を定めていくべき

米国における、仮想通貨規制の明確化は大きな課題として依然として残る。

しかし先週、米下院の共和党院内総務Kevin McCarthy氏もブロックチェーン技術に関して「国会の日常業務をより効率化且つ透明化してくれるだろう」と発言していた。

世界の主要国家である米政府の仮想通貨規制に対する姿勢は、米国内のみならず、世界各国の仮想通貨規制に少なからず影響を及ぼす可能性があるため、今後も米政府の動きは見逃したくないところだ。

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