- 大手仮想通貨ウォレット企業、カストディ事業を開始
- 大手仮想通貨ウォレット企業Ledgerとシンガポールの信託企業が提携して機関投資家向けのカストディサービスを提供していく方針が判明した。特筆すべきは対象通貨にビットコインなど主要5通貨のほかにERC-20トークンが含まれている点だ。
仮想通貨ウォレット企業、ビットコインやERC-20トークンのカストディ提供へ
大手仮想通貨ウォレット企業Ledgerは米時間28日、シンガポールの信託企業Legacy Trustと提携して機関投資家を対象にしたカストディサービスを提供していく方針を明らかにした。
25年以上の歴史を持つLegacy Trust社は人気商品「Ledger Nano S」などで有名なLedger社が提供するマルチ認証の仮想通貨ウォレット管理システムLedger Vaultを活用して顧客の暗号資産を「安全で効率的に」管理することが可能となる。
現段階でカストディ対象となることが公表されている主要通貨は以下の通りだ。
- ビットコイン
- イーサリアム
- ライトコイン
- ビットコインキャッシュ
- ジーキャッシュ
またこれらのほかにもERC-20規格のトークンを含む12通貨も対象となる<予定である。
今回の提携に関してLedger Vaultのグローバル責任者Demetrios Skalkotos氏はこのように言及していた。
この提携は投資家の完全なコントロールと安心を提供しながら、使いやすさも担保している。
さらにシンガポールの信託企業Legacy TrustグループのCEOであるVincent Chok氏は海外仮想通貨メディアCoinDeskに対してカストディサービスに対する「需要は高い」と述べている。
2019年に入ってから、1週間平均で5件以上もERC20トークンのカストディ提供を要望する意見が来ていた。
ERC20トークンのカストディサービスに対する大きな関心はこれからさらに大きくなるだろう。
STOを検討している企業は全てERC-20トークンのカストディが必要となると思う。
今週BCCC(一般社団法人ブロックチェーン推進協会)が開催した第19回金融部会において、専門家の森和孝弁護士が東南アジア諸国におけるSTOやICOなどを含めた仮想通貨規制の最新状況を説明した際、シンガポールは仮想通貨交換業への規制を行なっている国に含まれていた。
同国では今度内に仮想通貨関連の新たな法が施行される方針で、カストディ事業を提供することで信頼度が懸念される仮想通貨業界の信用を高めることが期待される。
しかし全面的に仮想通貨を禁止している中国とは対象的に仮想通貨事業に対して厳しい姿勢を見せていないシンガポールでは仮想通貨事業も多く展開しているため、カストディサービスが東南アジアでも提供されていく動きは前向きな動きだ。
またカストディサービスは最近では米国や欧米など、西洋諸国においての展開が多いように見受けられる。
米金融大手フィデリティは既に仮想通貨投資ファンドを対象にビットコインのカストディ事業を開始しているほか、3月上旬にはスイスの大手上場企業が「軍事レベル」のセキュリティを誇るカストディサービス提供を発表していた。
さらにカストディ以外にもスイスの隣国、リヒテンシュタインの銀行Bank Frickが機関投資家向けの取引プラットフォームを発足しており、各国において機関投資家に向けた仮想通貨サービスの整備が進んでいる模様だ。
いずれにせよイーサリアム上で開発されたERC-20トークンのカストディサービスが発展すれば仮想通貨業界の発展だけではなく、ブロックチェーン上で開発される様々なdAppsにも恩恵が届くことが期待される。
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