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「仮想通貨リブラはMMFに似ている」規制当局の関与が避けられない理由を指摘=WSJ

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リブラ、「規制の目はかわせない」 
フェイスブックが準備を進める仮想通貨・リブラについて、仮想通貨よりむしろMMFに似ているとし、その観点から規制当局の動きに言及するコラムニストの見解をウォール・ストリート・ジャーナルが紹介した。

MMFへの規制と関連づけて

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の有力コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」に掲載したもので、リブラは仮想通貨より、むしろ2008年の金融危機に至る過程で運用困難に直面したマネー・マーケット・ファンド(MMF)(*1)に似ているとし、規制当局が関与をすることは避けられないと指摘した。

(*1)MMFとは

マネー・マネージメント・ファンド(Money Management Fund)の略称。

主要な投資対象は格付の高い国債など国内外の公社債や譲渡性預金(CD)、コマーシャル・ペーパーなどの短期金融資産とするオープン型の公社債投資信託。元本は保証されないが、かつては、元本割れの事例はなく、ローリスク・ローリターンの金融商品と位置付けられていた。

米国のエネルギー商社エンロンが2001年11月に破綻した際に、一部の運用会社がその影響を受けて、はじめてMMFが元本割れし、各国では規制の強化が進み、08年の金融危機以降、規制当局から厳しく監視されている。

日本では2016年2月に日銀のマイナス金利政策導入により短期金融資産の利回りが低下し、運用難になったため、MMFの繰上げ償還が相次いだ。

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このコラムでは、一口当たりの基準価額を1ドルに固定して現金のように扱い、顧客の資金をごく短期の債券で運用し、リターンを提供するMMFとリブラの類似性を指摘している。

MMFは08年の金融危機で結果的に、サブプライムローンの裏付けとなる証券を運用したことでシャドーバンキング(影の銀行)システムを支える不可欠な部分となり、顧客らの信頼を失い基準価額を維持できなくなった。

07年、BNPパリバがMMFの償還を凍結し、2008年には「リザーブ・プライマリー・ファンド」が個人投資家向けMMFで初めて元本割れを認めた。

そうした流れの中で、規制当局は監視を強めてきたのだ。

今回のコラムはリブラそのものへの疑念だけでなく、MMFとの比較から規制当局の姿勢に言及したものだが、金融危機以降、規制当局は巨額資金が動くケースでの監視を強めている。さらに金融だけでなく、データの寡占などにより巨大化するGAFAへの警戒が強まる中で、リブラに関しても、さまざまな意見が発信されている。

なお、リブラが収益部分にリザーブからの利息(全て運営組織に参画する企業に還元)をあげていたが、MMFのモデルで仮定すると、その仕組みに納得行く部分は大きい。

決済ネットワークにおける情報取得と併せて、今後規制当局の関与にどのような進展が見られるか。リブラの今後への影響が注目される。

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