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仮想通貨に理解を示すラガルド氏が次期ECB総裁に指名|仮想通貨普及への影響は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨に理解を示すラガルド氏が次期ECB総裁に指名
欧州連合は欧州中央銀行の次期総裁に、国際通貨基金のラガルド専務理事を指名した。仮想通貨業界では、ドラギECB総裁とは対照的にデジタル資産への理解を示すラガルド氏に期待の声が高まっている。

仮想通貨に理解を示すラガルド氏が次期ECB総裁に指名

7月2日、欧州連合(EU)は欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事を指名した。

10月末で任期を終えるドラギECB総裁とは対照的に、8年間のIMF在職中に仮想通貨やブロックチェーンに対する数々の肯定的な発言を繰り返し行ってきた経緯から、仮想通貨業界ではラガルド氏に期待する声が高まっているようだ。ラガルド氏の仮想通貨に対する主な発言には次のようなものがある。

2017年:金融テクノロジーによる大きな破壊が起こりつつある。各国政府は仮想通貨を無視するべきではない。

2018年:ドットコム時代から生まれた技術が私たちの生活を変えたように、生き残った仮装資産は私たちの貯蓄や投資、支払い手段にに大きな影響を与える可能性がある。世界のキャッシュレス化に向けた流れが加速化していく中で、仮想通貨は少なくとも検討に値する。

2019年:分散台帳技術を駆使した仮想通貨やデジタルアセットは銀行などの既存の金融システムを揺るがす「破壊的改革者」だ。規制当局や中央銀行総裁から「商業銀行のビジネスモデルを変えていくことはいいことだ」との声が聞かれることは、大変興味深い。

このように、折々で仮想通貨への支持を表明してきているラガルド氏だが、その一方で国際金融並びに為替の安定化を目的とするIMFのトップとして、バランスのとれた規制整備の重要性については、一歩も譲らない姿勢を明らかにしている。

「破壊的改革者」であるブロックチェーン技術や仮想通貨の利点を認めながらも、「必要な安定性を失うほどシステムを大きく揺さぶるような技術革新は望まない」と述べている。

また、今年6月に福岡で行われたG20財務相会議では、ラガルド氏は 「フィンテックの危険と将来性の両方が顕在化」していると述べ、「暗号資産、ノンバンクのフィンテック仲介機関、データ・ガバナンスの面で、国ごとに異なるアプローチを調和させることが非常に重要」だと強調した。

さらに、「石橋は叩いて渡れ」と日本のことわざを引用し、「一緒に橋を渡っていくが、安全を確信」できる方法を確立していく国際的な協力を要請している。

世界的潮流に変化の兆し

昨年11月、ECB幹部の一人Benoit Coeure氏は、「ビットコインは金融危機から生まれた悪のようなものだ」と述べている。

しかし、ラガルド氏が政治家出身であり、中央銀行での金融政策の実務経験が無いことへの不安も指摘される中、Coeure氏は「クリスティーヌ・ラガルド氏は、ユーロ圏の内外に課題があるこの時期にECBをリードするためには、比類なく適任であると言える。」と、今回のラガルド氏指名を擁護する立場をとっている。

また、直近では、国際決済銀行(BIS)のAgustín Carstens氏が、中央銀行独自の電子通貨発行に賛成の意を示していたことが、金融メディア「The Financial Times」により報道された。Carstens氏は、ビットコインをはじめとする仮想通貨を「バブルであり詐欺であり、かつ環境の大惨事の組み合わせだ」と痛烈な批判を行ったことで知られている。

まさに、手のひらを返すように一転した状況になったわけだが、その裏には規制当局が懸念しているFacebookの仮想通貨「リブラ」の存在があると考えられている。

BISが中央銀行による電子通貨発行を支援しなくてはならないほど、民間主導で現在の金融システムが大きな変遷点を迎えようとしているわけだ。

また、IMFと世界銀行が共同で、独自の仮想通貨「Learning Coin(ラーニングコイン)」を発行しブロックチェーン技術の実験を行なっていたことも明らかになっている。

スマートコントラクト、透明性向上、マネーロンダリングの追跡方法などの実験を通して偏見の無い状態で、仮想通貨の良い点や悪い点を調べていく方針だという。 この実験が今後、仮想通貨の規制整備に生かされていくことが期待される。

仮想通貨肯定派のラガルド氏の次期ECB総裁指名と時期を同じくして、同氏が指摘してきたように、ブロックチェーン技術や仮想通貨が、もはや金融の主流機関も無視できない存在になってきているようだ。

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