
予算中立的な方法で取得
トランプ米政権の高官が今週、仮想通貨業界のリーダーたちを前に、米国政府が「可能な限り多くのビットコインを取得したい」と発言したことがDecryptなどによって報じられた。11日にビットコイン政策研究所が主催した非公開の円卓会議で、デジタル資産に関する大統領作業部会のエグゼクティブディレクターであるボー・ハインズ氏がこの発言を行ったと、複数の参加者が証言しているという。
会議の参加者によると、米国政府が最終的にどれだけのビットコインを取得する可能性があるかと質問されたハインズ氏は、「それは誰かにどれだけのドルが欲しいかと尋ねるようなものだ」と冗談めかして答えたという。ホワイトハウスの関係者はこの発言を認めたが、「納税者に一切の負担をかけない予算中立的な方法で取得する」と補足した。
この非公開円卓会議は「アメリカのためのビットコイン(Bitcoin for America)」政策サミットに続いて開催され、マイケル・セイラー氏、フレッド・ティール氏(Marathon Digital CEO)、ネイサン・マコーリー氏(Anchorage Digital CEO)、デビッド・ベイリー氏(Bitcoin Magazine CEO)など、ビットコイン業界の重鎮が参加した。また、シンシア・ルミス氏(共和党-ワイオミング州)、ビル・ハガティ氏(共和党-テネシー州)、バーニー・モレノ氏(共和党-オハイオ州)の3名の上院議員も出席した。
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会議中、ある参加者がハインズ氏に対し、ルミス上院議員が今週火曜日に再提出した「ビットコイン法案」をホワイトハウスが支持するかどうか質問した。この法案は、米国政府に対し最大100万BTCの購入を指示し、トランプ大統領の最近の大統領令で設立された「戦略的ビットコイン準備金」を法制化するものだ。出席者によると、ハインズ氏は戦略的ビットコイン準備金を法制化する法案を支持し、議会で確実に可決されるよう圧力をかける計画だと述べた。ただし、ホワイトハウスの関係者は、ハインズ氏がイベント中に特定の法案を支持することはなかったと強調した。
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現在、米国政府は民事・刑事没収を通じて取得した約20万BTCを保有していると推定されている。ホワイトハウスの高官は最近、政府による追加のビットコイン購入を支持する姿勢を示しているが、これらの取得は「予算中立的」であることが条件とされている。また、ベセント財務長官は7日、「米国が仮想通貨分野で世界的なリーダーシップを取ることを強く支持している」と発言し、「今後、準備金のためのビットコイン追加取得の道筋を検討していく」と発言した。
トランプ大統領は先週「戦略的ビットコイン準備金」および「米国デジタル資産備蓄」を設立する大統領令に署名しており、これにより政府は押収したデジタル資産の売却を停止し、それらを準備金として保持することになる。また、連邦政府の仮想通貨保有量の完全な会計調査も指示されている。「政府は没収手続きを通じて得られた資産以外に、追加で仮想通貨を備蓄のために取得することはなく、この備蓄の目的は、財務省の下で政府が保有する仮想通貨の責任ある管理を行うことにある」と政府関係者は説明した。
野党反対も
一方、民主党からは懸念の声も上がっている。下院監視委員会のジェラルド・コノリー議員(民主党)は13日、納税者に影響を与える利益相反を理由に、トランプのビットコイン準備金計画の停止を財務省に求めた。コノリー議員は「トランプの無謀な仮想通貨準備金計画の即時停止を要求する書簡を財務省に送った。この計画は利益相反の臭いがし、納税者のお金を危険にさらす」と述べている。
コノリー議員はスコット・ベセント財務長官宛ての書簡の中で、さらに厳しい批判を展開。「このような準備金は、アメリカ国民に明らかな利益をもたらさず、むしろ大統領とその支援者たちを大幅に豊かにするだけだ。また、ソーシャルメディアを通じて通貨の勝者を選び、納税者のドルを無駄にすることで、不健全な財政政策を構成することになる」と指摘。この書簡では、トランプ大統領および仮想通貨に多額の投資をしている他の政権高官の利益相反に対処するため、トランプ政権が行った取り組みに関する情報の開示を求めている。
ビットコイン準備金の計画は、市場の混乱や規制上の懸念により、ビットコイン価格のボラティリティ増加を引き起こしうる側面があるとされる。政府の計画がどのように進展するかは、今後の政策と統治の枠組みに重要な影響を与える可能性がある。
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