はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

世界経済フォーラムとChainlinkが共同論文「分散型オラクルはブロックチェーンと既存システムの橋渡しに」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンと従来システムの相互運用性を強化

世界経済フォーラム(WEF)と暗号資産(仮想通貨)Chainlink(LINK)が共同で論文を執筆。ブロックチェーンと従来システムを橋渡しするソリューションについて議論し、その中で分散型オラクルシステムの重要性を指摘した。

従来型データソースをブロックチェーン上で稼働する「スマートコントラクト」に接続し、相互運用性を強化するための技術として、オープンソースの分散型オラクルが提案されている。

オラクルとは、スマートコントラクトに外部情報を提供するためのサードパーティ製サービスのこと。ブロックチェーン外のオフチェーンとオンチェーン間のデータの橋渡し役を担う。Chainlinkは最大の分散型オラクルネットワークであり、Chainlink自体もソリューションとして推薦される形となった。

DeFiのセキュリティを向上

一連の分散型ノードによって実行される分散型オラクルは、スマートコントラクトが外部ソースから取り入れるデータの信憑性を検証するために役立つ。

論文は、企業が相互運用フレームワークを構築するオープンソースコミュニティに参加し、すべてのブロックチェーンで機能する分散型オラクルネットワークを採用することを提唱。オラクルが十分な品質である場合、ブロックチェーンアプリケーションやプロトコルは、オラクルを介して供給されるデータを信頼することができるとした。

この提案は、DeFiプロトコルのセキュリティを確保するためにも有用と考えられる。

過去数ヶ月で、Harvest FinanceやPickle Finance、Value DeFiなど、中央集権型の価格オラクルに依存していたDeFiプロトコルは、高度な価格操作により不正流出被害を被ってきた。実際に、600万ドル(約6億円)を失ったValueDeFiはプライベートオラクルを放棄してChainlinkのオラクルを導入している。

関連: DeFiプロジェクトPickle Finance、20億円相当の仮想通貨DAIが不正流出

保険などのプロジェクトにも適用可能

論文は、オラクルを活用する具体例としてインドの作物保険システムの改善を挙げた。

作物保険プログラムの運用に使用されているインド政府の従来型システム「全国作物保険ポータル(NCIP)」に分散型オラクルを適用することで、保険の評価や支払いに関するプロセスを安全に自動化することができるという。

保険会社の支払いは、一般的に複数の現場機関が実施する作物の収量評価に本質的に依存しているため、分散型オラクルでこのデータを検証することで、農家への保険支払いが正しいことが保証される。

またNCIPは、既存のシステムと簡単に統合できるAPIなどを使用して、インド気象局などが提供する衛星からの地理空間データや、様々な州政府の記録をポータルに安全に送り込むことができるという。

また重要性の高い気象データを、複数のデータソースを使用して検証し、その正確さや完全性に基づいて適切なインセンティブやペナルティを与えることも可能になるとした。

論文は、その他にも分散型オラクルがソリューションとなる事例として、車両の登録や監視、通関手続き、原産国詐欺の検証などを挙げている。

結論部分では、ブロックチェーンや分散型台帳技術(DLT)は、データの不変性、耐障害性、検閲耐性、分散化などにより商取引のやり方を大きく変える可能性のあるイノベーションだとしている。しかし一方で、企業や政府が現在使用している、データ収集、通信、計算などのためのレガシーシステムは、まだ当分、支配的なツールであり続けるだろうと指摘。

まずは、DLTとレガシーシステムの相互運用性を可能にすることで、ユースケースを実現し、DLTやスマートコントラクトの可能性を高めることに繋がるとした。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/28 火曜日
18:26
EVM・非EVMアドレス統合で一層便利に、メタマスクがマルチチェーン本格対応へ 
仮想通貨ウォレット大手メタマスクが10月28日、マルチチェーンアカウント機能を発表。1つのアカウントでイーサリアム、ソラナ、ビットコイン(近日)を管理可能に。独自トークン発行への期待も高まる。
15:40
東証上場TIS、アバランチ活用のトークン発行支援始動 ステーブルコイン・セキュリティトークンに対応
TISとAva Labsが28日、AvaCloudベースのトークン発行プラットフォームを提供開始。前日にJPYCが正式発行され関連銘柄が急騰。金融機関や企業のアセットトークン化を支援。
14:19
メタプラネット、自社株買いへ ビットコイン担保で最大5億ドル調達
メタプラネットが自己株買い枠(上限750億円)を新設し、BTCを担保に最大5億ドルの資金枠を確保。 株価がmNAVを下回る局面で資本効率の改善と株主還元を狙う。
14:10
コインべースが伝統金融大手2社と提携、決済・融資分野でステーブルコイン活用拡大
米取引所最大手のコインベースが、大手銀行Citiと資産運用会社Apolloとの戦略的提携を発表した。Citiとは24時間365日対応の仮想通貨決済機能を、Apolloとはステーブルコイン活用の信用投資戦略を共同開発する。
13:55
ソラナ共同創設者、レイヤー2安全性を疑問視 ヴィタリックらの議論を受け
ソラナ共同創業者のヤコヴェンコ氏が、イーサリアムL2のセキュリティ継承に疑問を呈し、ブテリン氏らと公開論争に発展。マルチシグによる中央集権的リスクを指摘し、478億ドルのTVLを抱えるL2の安全性が焦点に。
13:35
カナダ、ステーブルコインの枠組み構築を加速 米国政策に足並み
カナダ政府が11月4日の連邦予算でステーブルコイン規制導入を急ぐ背景を解説。米国のジーニアス法成立を受け、金融主権の維持と資本流出阻止のため、規制の空白を埋める必要性に迫られている。
13:10
ベセント米財務長官選出、次期FRB議長候補に仮想通貨支持派も
ベセント米財務長官は次期FRB議長候補を5人に絞り込んだ。仮想通貨に前向きなバウマン理事やウォーラー理事が含まれており、今秋後半にトランプ大統領に推薦を提出する予定だ。
11:20
「ステーブルコインは世界の金融安定性に対する脅威」中国人民銀行総裁が表明
中国人民銀行の潘功勝総裁がステーブルコインを世界的な金融安定への脅威と表明した。米ドル建てステーブルコインの台頭と人民元国際化の競争が背景にあるとみられる。
11:00
ブロックチェーン「MegaETH」、数分で約76億円を調達
ブロックチェーンMegaETHは、独自トークンMEGAのパブリックセールを開始。開始から数分で上限額に到達しており、投資家の関心の高さを示していて、仮想通貨領域で注目を集めている。
10:10
アマゾン提携でNFTキャラクター販売、ユガラボの「アザーサイド」11月に正式リリース 
ユガ・ラボはメタバース「アザーサイド」を11月12日に正式リリースすると発表した。アマゾン・ゲーミングと提携し共同ブランドのキャラクター「ボクシマス」を10月30日から販売予定。
09:30
米民主党ウォーレン議員ら、トランプ大統領のCZ氏恩赦を非難する決議案提出へ
米民主党のウォーレン議員らがトランプ大統領によるバイナンス前CEO・CZ氏への恩赦を非難する決議案を起草した。トランプ一族企業との癒着も疑っている。背景と論点を解説する。
09:20
アメリカン・ビットコイン、1414BTC追加取得 TRUMPミームコインも連れ高に
トランプ一族が共同創設したアメリカン・ビットコインが1414ビットコインを取得し、総保有量は3865BTCに拡大した。株価とTRUMPミームコインも上昇した。
08:55
ビットコイン復調の兆し、ゴールドと逆相関、FOMC緩和期待が追い風|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは10月半ばに急落したものの、日経平均株価が史上初の5万円を突破し、米国株式指数も3日連続で最高値を更新するなど、リスク資産への資金流入が強まる中で復調の兆しを見せている。
08:15
IBM、企業向け仮想通貨管理プラットフォームを発表
IBMが機関投資家向けに仮想通貨管理プラットフォーム「Digital Asset Haven」を発表した。マルチチェーン対応のウォレット管理、柔軟な鍵管理モデル、機密コンピューティングによる高度なセキュリティを提供。
07:40
仮想通貨投資商品、先週は約1400億円の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産投資商品全体への先週の資金フローは約1,400億円の純流入だったと報告。ビットコインの投資商品は資金フローがプラスに転じた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧