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大幅下落のビットコイン、FOMC控え復調シナリオはお預けか 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(11/27〜12/3)の仮想通貨相場

今週のビットコインは弱気相場となり、42,000ドル台にまで下落。ビットコイン含め仮想通貨相場は全面安となっている。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

3日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

週間騰落率

月初来騰落率

月間騰落率

年初来騰落率

年間騰落率

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

11/27〜12/3のBTCチャート

Tradingview

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

11/27〜12/3レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けに610万円周辺から一段高となって以来、1時間足の200本移動平均線を挟み込み方向感に欠ける展開を繰り広げている。3日正午時点では、640万円周辺での推移となっている。

CMEのBTC先物取引開始のタイミングに合わせ、50万円ほど上値を伸ばし、一時は670万円に肉薄した週明けのBTC相場だったが、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に関するヘッドライに振り回される格好で、上値が重くも底堅い推移に転じた。

そんなオミクロン変異株に関する言及も注目されるなか開かれた30日のパウエルFRB議長の議会証言では、従来のペースより早いテーパリングを行う可能性が示唆され、相場は急反落するも、来年も高インフレが持続する懸念があるとの発言もあり、週前半のBTC相場は650万円周辺で揉み合いに終始した。

12月に入ると、ADP雇用統計の月間雇用者変化数とISM製造業景況指数が市場予想を上回ったことでリスクオンとなるも、米国で初のオミクロン変異株感染事例が報告されると、株価の下落に連れ安となり、5.6万ドル水準まで売り込まれた。

一方、足元では、米労働省発表の雇用統計を控え、概ね5.6万ドルから5.7万ドルの狭いレンジで推移しており、様子見ムードが広がっている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

オミクロン変異株は、南ア医療協会や欧州疾病予防管理センター曰く重症下するリスクは低いようだが、詳しい重症下率、ワクチンの有効性、デルタ変異株に対する優位性といった情報が判明するまで数週間かかる見通しとなっており、依然、胸を撫でおろすには時期尚早だろう。

加えて、高インフレに痺れを切らしたパウエル議長から米金融政策正常化前倒しの可能性も示唆されており、先行き不透明感から米国債のイールドカーブは急速にフラット下が進んでおり、リスク資産にとっては芳しくない状況か。

FedWatchによれば、市場の大多数は来年5月まで現行の政策金利維持を予想しており、市場は政策正常化前倒しを織り込みきってないと指摘され、これまでインフレ指標や期待インフレの上昇で相場が支えられる場面もあったBTCだが、「インフレが加速すれば政策正常化も早くなる」という厄介な状況になっている。

もちろん、米国の米労働力率や離職率、求人件数などは、依然としてコロナ前の水準からかけ離れており、労働市場の需給のバランスが直ちに改善されるとはとても考え難い。サプライチェーンの逼迫という外部要因もあり、インフレはそう簡単に落ち着かないだろう。

今月は今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合を13日〜14日に控えており、市場にはそれまで早期政策正常化を織り込む猶予がある。オミクロン変異株がこれ以上のリスクにならないと判明すれば、市場のリスク選好度も回復するだろうが、FOMCでこの先の政策方向性が明示されるまで、BTCの復調シナリオはお預けか。

今週の5.6万ドル〜5.9万ドルレンジのブレイクまで、様子見が無難だろう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:週明けから二段安を演じたビットコイン相場、下値目途を探る

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