低迷する仮想通貨市場
米暗号資産(仮想通貨)マイニング企業Core Scientificは、財務状況が悪化していることがわかった。
コストを削減したり、支払いを遅らせたりして積極的に対策を講じてきたが、今月の終わりか11月の初めには設備などの支払いができなくなると取締役会が判断。米証券取引委員会(SEC)に提出した26日付の書類(FORM 8-K)によると、財務が悪化した原因は以下の通りである。
- 長期に渡るビットコイン(BTC)の価格低迷
- 電気代の高騰
- ハッシュレートの上昇
- セルシウスネットワークの破産
同社は現在、資本の見直しやアドバイザーの雇用、資金調達などを含めて多くの対策を検討中。一方で書類では、支払義務を遂行できずに訴訟に発展したり、債務不履行に陥ったり、破産申請を行ったりする可能性もあると報告した。今回の報告を受け、同社の株価は78%超下落している。
海外メディアによれば、投資企業「Compass Point Research & Trading」のアナリストは以下のように分析しているという。
特にビットコインの価格が今の水準より下落するようなことになれば、破産申請が行われる可能性も真剣に考慮しなくてはならない。
Core Scientificは26日時点で24BTC(7,000万円相当)と現金を約39億円(2,660万ドル)保有。9月末時点では、1,051BTC(31億円相当)と現金を約43億円(2,950万ドル)保有していた。
関連:採掘大手Core Scientific、9月度は43億円相当のビットコイン売却
マイニング企業の破産事例
マイニング企業では米国のCompute Northが、9月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請。債権者はおよそ200社で、負債総額は当時のレートで約700億円(5億ドル)に上る。
チャプターイレブンとは
日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。
▶️仮想通貨用語集
破産申請した主な理由は、仮想通貨市場の低迷、電気コストの上昇、融資契約を結んでいたビジネスパートナーGenerate Capitalとの関係悪化と説明した。
関連:負債総額700億円 仮想通貨マイニングのCompute North社、米破産法の適用申請
関連:初心者でもわかる、ビットコインのマイニング(採掘)とは 3種類の方法を解説