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VanEck分析:「戦略的ビットコイン準備金構想」で米国債務の18%相殺は可能か 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン・国債計算機

資産運用大手VanEckは、米国債務問題に対する革新的なアプローチとして「戦略的ビットコイン準備金」の可能性を示す研究結果を発表した。同社の予測によれば、米政府が2029年までに100万BTC(ビットコイン)を蓄積した場合、2049年までに国債の約18%(21兆ドル相当)を相殺できる可能性があるという。

この分析の背景には現在議会で審議中の「BITCOIN法案」がある。同法案は、米国財務省が5年間で最大100万ビットコインを取得し、国家バランスシート強化のため少なくとも20年間保有することを提案している。VanEckはこの構想に基づき、予測モデルと計算ツールを公開した。

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VanEckの予測モデルは、2025年の時点で米国債務が36兆ドル、平均ビットコイン取得価格が10万ドルという前提から始まる。そして米国債務が年率5%で増加し2049年に約116兆ドルに達する一方、ビットコインは年率25%で成長し1BTCあたり約2100万ドルになると想定している。

出典:VanEck

同社デジタル資産研究部門責任者のマシュー・シーゲル氏はこの研究結果をソーシャルメディアで共有し、「米国戦略的ビットコイン準備金は国債の相殺に貢献できる」と述べた。また同社ウェブサイトでは、独自の前提条件を入力できる計算ツールも公開している。

出典:VanEck

BITCOIN法案は、急増する米国債務への対策として注目を集めている。2024年初めに米国債務総額が34兆ドルを超え、国際通貨基金(IMF)や主要格付け機関から長期的な財政リスクへの懸念が示されるなか、代替的アプローチへの関心が高まっている。

一方で批判的見解も散見されている。伝統的経済学者からは、ビットコインのボラティリティと規制上の不確実性が国家準備資産としての適性に疑問を投げかける声があり、議会内でも意見が分かれている。

しかし、法定通貨システムが直面する課題とデジタル資産の長期的可能性を考慮すると、このような革新的アプローチが政策立案者の検討対象になることは必然と言えるだろう。VanEckの分析は、従来の財政管理の枠を超えた新たな可能性を提示している。

▼ 国家債務(用語解説)

国家債務とは、中央政府が発行した債券や借入金などの総額を指す。米国の場合、財務省証券(Treasury securities)として国内外の投資家に販売される国債が主な形態となる。国家債務は政府の収入と支出のバランスが崩れた際に増加し、GDP比率で測られることが多い。過剰な債務は将来世代への負担増加、金利支払いの膨張、通貨価値の低下、国際的信用の毀損などのリスクをもたらす可能性がある。一方で、適切に管理された債務は、インフラ投資や景気刺激策など生産的な目的に活用できるため、債務そのものより管理方法と持続可能性が重視される。

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