- 消費白書で仮想通貨の相談件数が2017年の1.7倍
- 消費者庁が発表した消費者白書で、仮想通貨に関する2018年の消費生活相談件数が、2017年の1.7倍の3657件に達していた。仮想通貨と関連付けた利殖商法や投資詐欺等の悪質商法に関するトラブルで注意喚起している。
消費白書で仮想通貨の相談件数が2017年の1.7倍
日本政府が発表した消費者白書で、仮想通貨(暗号資産)に関する2018年の消費生活相談件数が、2017年の1.7倍となる3657件に達していたことが分かった。 内、65歳以上の高齢者の相談件数は888件に上る。
暗号資産(仮想通貨)に関する主な相談内容としては、暗号資産交換業者の信用性やトラブルの有無に関するもの、解約・返金に関するもの、システムやセキュリティに関するもの、ログインできない、入金が反映されない、業者から返答がないなど、事業者の対応に関するもの等があるという。
また、「暗号資産(仮想通貨)と関連付けた利殖商法や投資詐欺等の悪質商法に関するトラブルや、解約・返金等に関するトラブルがみられることから、投資に対する正しいリスク認識や知識を持つための金融教育、不適切な勧誘を行う悪質な事業者への対応も求められている」と言及した。消費者庁は、近年、支払・資金決済ツールや投資対象として利用される機会が増えてきているに関しても、ビットコイン(BTC)価格が急上昇した2017年以降に相談件数が急増していると指摘。 「新技術を活用した新たなビジネスモデル」への対応が必要だとした。
国民の生活習慣の変化に関しては、「これまでの実店舗での購入に代わって、消費者取引の電子化、モバイル化が一層進展しているほか、電子マネー、スマートフォン決済、暗号資産(仮想通貨)、FinTech等の普及により、決済のキャッシュレス化や貯蓄・資産運用手段の高度化が進展している」と指摘。決済手段の変遷に伴う、新たな問題にも注視している。
暗号資産をめぐる問題への対応
消費者庁は、暗号資産をめぐる問題への対応について、相談窓口を設置した上、以下のようにまとめた。
金融庁・消費者庁・警察庁で情報交換の会議を開催しているほか、金融庁と調整を行いながら、消費生活相談員向けの情報提供を随時実施。
また、国民生活センターにおいて研修を実施。
なお、公式サイトでは、「仮想通貨は、日本円やドルなどのように、国が価値を保証する法定通貨ではなく、インターネット上でやりとりされる電子データ。」 と説明。取引内容やリスク(価格変動リスク、サイバーセキュリティリスク等)について、利用しようとする事業者から説明を受け、十分に理解するように促している。