ビットコインの購入を継続
エルサルバドルは29日、政府として保有するビットコイン(BTC)準備金が6,000 BTCに達したと報告した。記事執筆時の時価で885億円に相当する。
🇸🇻El Salvador has just stacked its 6,000th bitcoin! pic.twitter.com/uS7Gqi5bUq
— The Bitcoin Office (@bitcoinofficesv) December 28, 2024
エルサルバドルで暗号資産(仮想通貨)ビットコインを法定通貨とする法案の成立を主導したブケレ大統領は、2022年11月に毎日政府が1BTCを購入すると宣言。同国のビットコインオフィスによると、その通りビットコインを蓄積し続けてきた。
最近では12月20日と22日に11BTCといつもより多く買い増している。
18日には国際通貨基金(IMF)との融資協議で合意。40カ月間の融資を行うための条件として、IMFはエルサルバドル公的部門のビットコイン購入を制限することなどを挙げていた。
制限の具体的方法などはこれまでのところ公表されていないが、ブケレ大統領下の組織「ビットコインオフィス」のディレクターは、エルサルバドルが戦略準備金としてビットコインの購入を続けると改めて明言している。
一方、エルサルバドルの公式ビットコインウォレット「Chivo」は、IMFの要請を背景にして売却または段階的に廃止され、民間部門のウォレットがその穴を埋めると伝えられるところだ。IMFとの14億ドル(約2,200億円)の融資取引は、現在IMF上層部の承認待ちである。
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米国の状況
エルサルバドルの他、米国や中国などの政府もビットコインを保有しているが、これは犯罪取り締まりなどによって押収した分で、準備金ではない。米国のドナルド・トランプ次期大統領は7月、米司法省が押収した約21万BTCを備蓄として活用することを提案していた。
米国ではシンシア・ルミス議員が政府にビットコイン準備金を義務付ける法案も提出している。
ギャラクシーデジタルはこれに関して、2025年中に米国がビットコインを購入することはないと予測。しかし、すでに保有している分を備蓄に回したり、ビットコイン準備金政策を検討する動きがあるだろうと意見している。
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米国では州単位でもビットコイン準備金を構築する法案が提出されているところだ。最近ではオハイオ州のデレク・メリン議員が、州の財務部門がビットコインに投資することを認可する法案を提出した。
🚨Today, I filed HB 703 to create the Ohio Bitcoin Reserve within the state treasury!
— Derek Merrin (@DerekMerrin) December 17, 2024
Provides state treasurer authority & flexibility to invest in #Bitcoin
This legislation creates the framework for Ohio’s state government to harness the power of Bitcoin to strengthen our… pic.twitter.com/hSWas2qeQd
州の財務部門内にビットコイン基金を設立し、州財務長官に、その裁量でビットコイン投資に資金を割り当てる権限を与えることを目指している。なお、購入を義務付けるものではない。
メリン氏は、「米ドルは急速に価値が下がっており、ビットコインは州のポートフォリオを補って公共の資金を価値下落から保護する」と述べている。インフレヘッジとして採用することを提案する形だ。
この他、ペンシルベニア州やテキサス州でも、ビットコインを準備資産の一部として持つ法案が提出されている。
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