
市場上昇で仮想通貨を買い戻し
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は10日、先週売却した暗号資産(仮想通貨)を買い戻した。市場の短期的な下落予測が外れた格好だ。
Lookonchainによると、イーサリアム(ETH)529万ドル(約7.8億円)相当、リドダオ(LDO)55万6,600ドル(約8,200万円)相当、ETHFI 51万6,600ドル(約7,600万円)相当、PENDLE 50万7,000ドル(約7,500万円)相当を購入している。
ヘイズ氏は先週、832万ドル相当のイーサリアム、462万ドル相当のエテナ(ENA)、41万4,700ドル相当のペペ(PEPE)を売却していたところだ。
ヘイズ氏はXで「全部買い戻さなければならなかった」と告白し、「もう二度と利益確定はしない方がいいだろう」とジョークを述べている。ヘイズ氏は買い戻し資金を作るために、ステーブルコインUSDCを1,050万ドル相当動かした。
ヘイズ氏は先週、短期的な市場下落予想の理由として、トランプ関税や7月のNFP(非農業部門雇用者数)が予想を大きく下回ったことや、主要経済国が十分な速さで信用を拡大していないことなどを挙げていた。
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その他、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を据え置いたことや、ドナルド・トランプ大統領の外交政策に関連する地政学的緊張も、市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)を加速させる要因だと意見した。
こうした要因により、ビットコインは10万ドル、イーサリアムは3,000ドルまで下落する可能性があると指摘していた格好だ。
しかし、ヘイズ氏の予想に反して市場は上昇。イーサリアムは4日時点で約3,500ドルだったが、その後4,000ドルを突破。現在は4,200ドル付近で推移している。1週間で約20%も上昇した形だ。
ビットコイン(BTC)をはじめとする仮想通貨市場が上昇した背景としては、FRB人事のハト派傾斜による利下げ期待、401k退職金制度での仮想通貨投資を解禁する大統領令への署名などが指摘されているところだ。
また、XRPについては米証券取引委員会(SEC)とリップル社の裁判が終結したことも大きい。
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SECとは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
ETHトレジャリーが追い風に
イーサリアムに関しては、バランスシート上に財務資産としてETHを蓄積する戦略を採用する企業が増えていることも後押しになっているとみられる。
スタンダードチャータード銀行のデジタル資産リサーチ部門責任者ジェフリー・ケンドリック氏は7日、イーサリアム・トレジャリー(財務)企業が6月以降、流通ETHの1.6%を購入しており、同期間のイーサリアム現物ETF(上場投資信託)による購入ペースと同水準に達したと指摘している。
また、これらの企業の時価総額をイーサリアム保有価値で割った指標である「NAV倍率」も正常化しており、投資家にイーサリアムの価格上昇、ステーキング報酬、イーサリアム保有量増加による利益への間接的アクセスを提供すると述べた。
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