
12億円を自社株買い資金へ充当
ETHZilla(イーサジラ)は8日、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の保有量が102,246ETH(時価約650億円)に達したと発表した。また、カンバーランドと資金調達契約を締結している。
イーサジラは財務戦略としてイーサリアムを蓄積する企業だ。現在のところ、平均取得価格は3,949ドルである。
また約2億1,300万ドル(約310億円)の現金同等物を保有している。この資産は、2025年後半にイーサリアム蓄積を加速させるためにも使われる見込みだ。
イーサジラは8月、発行済み普通株式を最大2億5,000万ドル(約370億円)買い戻すプログラムを発表している。
今回、暗号資産流動性プロバイダーのカンバーランドと、保有イーサリアムの一部を担保として最大8,000万ドル(約120億円)の店頭取引による資金調達契約を締結した。この資金を自社株買いの資金に充当するとしている。
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イーサジラはすでに、平均価格2.5ドルで約220万株の自社株買いを実施。発行済み株式数を1.3%減少させている。
また、8月24日の週と8月31日の週に、ATM(アット・ザ・マーケット)株式発行を通じてそれぞれ2,090万ドル(約30億円)と730万ドル(約10億円)を調達した。
イーサジラのマクアンドリュー・ルディシル会長兼CEOは、次のように説明した。
現在、当社株式は純資産価値(NAV)を大幅に下回る水準で取引されているため、自社株買いは好機を捉えた資本の有効活用になると考えている。
当社は、この市場価格差を活用して、より広範な戦略目標を追求するための柔軟性を維持していく。
リステーキングで利回り向上へ
イーサジラは2日、保有イーサリアムをステーキングすることで利回り向上を目指すとも発表している。
ステーキングとは
特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。
リキッドリステーキングプロトコル「EtherFi」に約1億ドル相当のイーサリアムを投入する計画だ。
イーサジラは「EtherFi」を選んだ理由については、リステーキングを通じて標準的なステーキングを超える利回りを得られることや、同プロトコルのイーサリアムのセキュリティ強化を可能にする能力を評価したと述べている。
リステーキング(Re-Staking)とは一度ステーキングされたPoS(プルーフオブステーク)ブロックチェーンのデリバティブ(派生的な金融商品)を再度ステーキングする仕組みだ。
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