ビットコイン分析
まずは、ビットコイン(BTC)市況分析から。
テクニカル分析
10月26日の10500ドルへの暴騰後、じわじわと下落を続けて8350ドルまで下落。10月に長期間滞在した8000~8500ドル付近の価格帯に逆戻りしたBTC市場。出来高は減少傾向であり、短期的には方向感のない値動きが続いている。
日足チャートで見ると、指数平滑移動平均線(EMA)は25日、100日、200日ともに8600~9200ドル付近に集中しており、ビットコインの動きが長期に渡って停滞かつ方向感を失っていることを示している。移動平均線の向きも上でもなく下でもなく横を向いており、方向感のなさを如実に表わしている。
日足の一目均衡表も雲の中におり、一目均衡表でも方向感のない動きであることを示唆。一方、12月上旬以降は一目均衡表の雲も薄い状況に移行するため、上下への抵抗力弱まることが予想されるため、12月以降は新たな方向性が生まれるタイミングと考えることもできる。
ケース別で見た場合、下落が続くケースでは、10月に揉んだ価格帯である8000ドル付近と、6月安値を7500ドルが意識される価格帯だ。一方、上昇したケースでは、下抜けた9000ドルライン、先日の暴騰時の高値である10500ドル付近が意識されるだろう。
指数平滑移動平均線
移動平均線の一種。単純な平均で移動平均線を求めるのではなく、直近の値動きを重視して移動平均線を求める指標。
短期的な値動きをみるため、4時間足チャートを参照すると、RSI(相対力指数)に関する動きで、黄色い矢印で記した通り、価格とRSIの動きが逆転するダイバージェンスが発生しており、下方向への勢いに衰えていることを示唆。現在、続落する市場から弱気ムード一色な市況感ではあるが、下にも意識される価格帯は多く、テクニカル分析上では、底値探しの兆候もある。突然の反転にも警戒したい。
RSI(相対力指数)
一定期間の値動きに対して上昇分の値動きが占める割合を算出し、価格の上昇の強さを数値化した指標。値動きとRSIが逆行することをダイバージェンスといい、トレンドの反転が起きやすいと言われる。
ファンダメンタルズ分析
11月15日付近は、ヘッジファンドの45日ルールで解約通知する日時にあることが予想され、ビットコインのケースでも過去2年連続でこの期間は下落している。ファンドの解約によってビットコイン現物の処分売りが強まることがその理由にあるが、この期間を過ぎることで需給環境が好転する可能性もある。アノマリー的な分析になるが、例年の傾向からすれば見逃せない。
BitMEX等のデリバティブ価格と現物市場価格の乖離からも現物市場の弱含みが見える。一般的にデリバティブ価格は投機的であり、直近の価格の期待値を乖離という形で織り込む傾向にあるが、直近は価格下落局面でもデリバティブの価格のほうが高い推移になっている。今後乖離の傾向が変わり、需給面が変化していくかも注目したい指標だ。
一方でハッシュレートは高水準をキープしている。市場に意識される採算分岐ラインは現在、7500ドル付近と予想される。次回11月21日ごろに予定する難易度調整が+約3%程度で推移しているなど、ハッシュレート値は再び好調さを取り戻しており(11月17日時点)、この流れを継続した場合、採算分岐ラインは7800ドル~7900ドル付近に押し上げられる可能性もある。採算分岐点を下回れば現物売りの圧力は弱くなるため、下落した場合でも7500~8000ドル付近は一旦は落ち着く可能性は予想される。
イーサリアム分析
イーサリアムは170~200ドル手前付近で、もみ合う流れが続いており、こちらも冴えない動きだ。指数平滑移動平均線(EMA)の下に価格があり、ビットコインに比べると幾分か弱気傾向に見える。
12月4日大型アップグレード「イスタンブール」のメインネット実装、その後にはセレニティとイベント続きであり、無事乗り越えられるかが一つのポイントになる。
200ドルの突破が当面の目標となり、150ドルが大きなサポートとなるだろう。イーサリアムはイベントの動向がどう価格に影響を与えるかがポイントになる。