ビットコインネットワーク SegWit利用率が66%を達成
ビットコインネットワークでSegWit対応のトランザクションの割合が遂に66%に達した。
昨年後半に急激に増加したSegWitの利用は、9月から10月の1ヶ月間で40%からは60%近くに迫っていたが、1月4日時点で66%という数字を記録している。(SegWit.Spaceのデータ)
ただし、この統計には多少ばらつきがあり、Woobullでは約57%(1月3日時点)、またtransactionfee.infoでは、約59%(1月4日時点)となっている。
しかし、数字の差を考慮してもSegWitの採用が拡大ことは明白であり、ビットコインネットワークの効率化は確実に進んでいると言えるだろう。
大手取引所によるSegWit導入
このように大きな伸びを見せたSegWit利用率に寄与した大きな要因として、仮想通貨デリバティブ取引所大手のBitMEXが先月、ビットコインの出金でネイティブSegWitアドレスに対応したことが、まず挙げられるだろう。 また、それに先立つ10月には香港に本拠をおく大手取引所Bitfinexが、ビットコインの出金に同じくネイティブSegWitアドレスの対応を発表していた。
なお両取引所とも、ネイティブSegWitのサポートはビットコインの引き出し時のみの対応で入金時には対応していない。 この方法は、bitFlyerを含む多くの取引所が採用しており、ユーザーの送付ミスによる顧客資産の保護や利便性を考慮した上での対応だという。
ネイティブSegWit形式=Bech32形式は、SegWitがもたらすスケーラビリティに対する利点を最大限に生かし、より高い効率化をもたらすため、取引手数料の更なる減少につながる。 BitMEXは、従来のトランザクションと比較すると約37%、また非ネイティブSegWitトランザクションと比較して17%の手数料が節約できると説明している。
SegWitとは
2017年8月、ビットコインにSegWitが実装されたことにより、スケーラビリティ問題とトランザクション展性防止という、当時ビットコインが直面していた重大な課題の改善に繋がったと言われている。
SegWit(Segregated Witness =分離された署名領域)は、取引データを構成する要素の一部である署名をトランザクションから分離させることで、1ブロックに含められるトランザクションの量を増やすことができる。 そのため、データ処理の速度が上がり、取引承認の遅延解消にもつながる。つまり、スケーラビリティ問題への有力な解決策となる。
また、取引データの改ざんにより不正取引を可能にする脆弱性であるトランザクション展性に関しても、改ざんが可能な署名部分をトランザクションデータから独立させて管理するため、そのリスクを回避することができるようになる。
さらに、スケーラビリティ問題を大幅に解決することが期待されているライトニングネットワークの導入にも欠かせない技術であるため、SegWitの普及はビットコインネットワークの今後の発展の鍵を握っているとも言えるだろう。
バイナンスのSegWit導入はいつ?
その点でも、仮想通貨取引所世界最大手のバイナンスがSegWitを実装する意味は大きい。バイナンスSegWit実装は未だ実現していない。 業を煮やした著名ビットコイン開発者のUdi Wertheimer氏は、昨年10月、CZ氏にその実装を促すツィートを発した。CZ氏は、その答えとして、2020年の第一四半期を提案している。
また、仮想通貨ウォレット大手のBlockchain.comにおいてもSegWitは未だ実装されていないため、機能追加を望む多くの声が仮想通貨業界から上がっている。