英高等法院がBTCの凍結を要請
イングランド・ウェールズの高等法院(商事裁判所)は先日、仮想通貨取引所Bitfinexに対し、サイバー攻撃によって支払われた86万5000ドル相当の身代金のビットコインを凍結するように命じている。
公表された内容によれば、ハッカーは2019年10月、ある企業のコンピューターにサイバー攻撃をしかけ、その問題解決と引き換えに120万ドル(1億3100万円)相当のBTCを要求。被害者は保険会社を介して、109.25BTCを支払ったという。
その後保険会社は、ブロックチェーン分析企業Chainalysisに依頼し、支払ったBTCを追跡。Chainalysisは、法定通貨に替えられた分を除96BTCがBitfinexのアドレスに送金されていることを突き止めた。
Chainalysisの責任者はThe Blockに対し、「保険会社が当社のソフトを使い、今回のBTCを調査し、支払いをしたところから取引所に送金されるまでの動きを追跡して、96BTCがBitfinexのユーザーに送られたと突き止めた。保険会社の弁護士は裁判所に、BTCを凍結するように要請している」と説明している。
その後裁判所はBitfinexに対し、BTCの凍結を命じ、対象のアドレスを所有する顧客の個人情報を提出するように声明した。
Bitfinexの法律顧問Stuart Hoegner氏はコメントを求められ、「Bitfinexには、今回のようなケースに対し、法執行機関や訴訟関係者をサポートできるシステムが構築されている」と声明を出した。
またHoegner氏はTheBlockに対し、「原告(保険会社のDarragh Connell弁護士)が盗まれたBTCを追跡できるように協力している。また原告が重視しているのが、もうBitfinexのプラットフォームではないと認識している。Bitfinexは今回の犯罪に対しては完全に潔白だ」と語った。
一方Connell弁護士は「本件はまだ継続中で、仮差し止め命令の聴聞会が今後開かれる予定だ」と説明している。
本件は、英国の高等法院がビットコインを財産として扱った初めての訴訟と報じられている。
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