CoinPostで今最も読まれています

証券など資産のトークン化に本腰 露中銀、ブロックチェーンの試験運用に成功

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシア中銀のトークン化プラットフォーム試験運用が成功

ロシア連邦中央銀行(CBR)は、2月17日、「デジタル化された権利」の発行と流通のためのブロックチェーンプラットフォームの試験運用が成功裡のうちに終了したと発表した。

このプロジェクトは昨年末から、CBRが規制「サンドボックス」の枠内で行って来たもので、商品やサービス、証券をはじめとする資産のトークン化を可能にする。

このプラットフォームを利用することで、あらゆる企業や組織がデジタルトークンを発行することが可能になり、発行者にとっては資金調達のための機会創出の可能性、投資家にとっては便利な投資オプションとして機能すると考えられるという。

新しいビジネスモデルと市場ニーズの詳細な調査を基に、様々な資産を担保としたハイブリッドトークンを使用することで、「ビジネスやユーザーのニーズに迅速に適応し、投資を誘致するための柔軟なソリューションを提供」することが可能になったと、CBRのフィンテック部門責任者、Ivan Zimin氏は主張した。

このトークン化プラットフォームは、工業用にも使われる貴金属パラジウムをトークン化するプラットフォーム開発の経験を持つ、大手マイニング企業Nornickelが開発。同氏によると、CBRサンドボックスが支援する最大のプロジェクトの一つだという。

仮想通貨規制法案の改正を提案

パイロットプログラムの成功を受け、CBRは、デジタル資産市場において、このようなソリューションを開発し統合するために必要な規定を、連邦法案「デジタル金融資産について」に含めるよう、提案したという。

CBRによると、この法案が可決され発効すると同時に、このプラットフォームを利用し、トークン化したデジタル資産の発行が可能になるとのことだ。つまり、セキュリティトークンの発行(STO)による資金調達も可能になる訳で、ブロックチェーンや仮想通貨のさらなる普及にとっての重要な一歩となることは間違いないだろう。

錯綜するロシアの仮想通貨規制

しかし、その可能性に興奮するのはまだ早い。 ロシア政府の仮想通貨に対する姿勢は一貫しておらず、仮想通貨関連法も成立が期待されながらも、法案は審議されるものの、採択の延期が繰り返され、いまだに明確な規制は確立していない。

マネーロンダリング対策の国際基準を提言する政府間機関、FATF(金融活動作業部会)からも、昨年、仮想通貨に対する規制法案を採択するよう勧告を受けたとのことだが、今年2月時点でも、仮想通貨が合法と見なされるのかどうかについての政府の最終的な判断は下されていない。

CBRは、昨年11月末には「プライベートな仮想通貨は、既存の法定通貨と同一視することはできず、法定通貨と同様にして扱うことはできない」という意見を表明、仮想通貨を利用した決済が違法となる可能性もあることを示唆した。

その一方で、12月末には、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の開発と実証実験に着手するなど、仮想通貨の持つ可能性には大きな関心を寄せているようだ。CBRのナビウリナ総裁は、あくまでも「ステーブルコインの機能について規制当局として確認しておくため」との弁明を行っている。

今年1月に就任したミハイル・ミシュスチン首相は、経済のデジタル化を推進する意向を示しており、政府としてデジタル経済を後押しする姿勢は見えるものの、仮想通貨に対するスタンスは不明瞭なままだ。

一方で、市民レベルの仮想通貨取引は盛んなようで、仮想通貨取引所最大手のバイナンスも昨年10月末からロシアルーブルでの取引をサポート、12月には板取引の提供も開始している。そして今月からは、Visa対応の銀行カードと連携し、仮想通貨をルーブルで即時購入できるサービスも開始した。

昨年秋にロシアを初めて訪問したバイナンスCEOのCZ氏も、ロシアは「世界で最も活発な仮想通貨市場の一つ」だとの認識を示している。しかし、同時に、仮想通貨に最も大きな影響力を持つ人物について尋ねられると、プーチン大統領の名を挙げ、規制当局の対応が遅れているロシアの現状を揶揄するとともに、今後の法整備への希望を表現したようだ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア