ブロックチェーンがドローン業界を革新
米国運輸省が、ブロックチェーン技術は無人航空機システム(UAS)業界に大躍進をもたらす可能性があるという報告書を発表。ドローン・ビジネスは、ブロックチェーンがもたらす質の高いオペレーションと信頼性から大きな利益を得られるという。
報告書は「無人航空機システムのためのブロックチェーン」というタイトルで、UAS業界の課題と、ブロックチェーンがそれらをどのように解決できるかを解説している。
無人航空機(ドローン)は、自律飛行型または遠隔操作されるものであるため、特に信頼性が大切だ。
ブロックチェーンを使用して信頼性を高める手段の一つとしては、フライトレコーダーへの採用が挙げられる。従来のレコーダーは事後にデータを調査することに使われていたが、ブロックチェーンベースのフライトレコードは、リアルタイムで検証することが可能である。
ドローンを使った商品などの配達中に、分散型台帳(DLT)は、時間、場所、配達日などの関連情報を記録できる。そして、認証されたユーザーや関係者がリアルタイムでこのデータにアクセス可能だ。
IBMやウォルマートも特許申請
すでに、UAS業界ではブロックチェーンの採用事例や特許申請例がある。
スタートアップ企業Red Catは昨年、ブロックチェーンベースのフライトレコーダーをベータ版でリリース。同社によると、このレコーダーにより様々な関連団体が恩恵を受ける。
規制当局はドローンの飛行データを追跡検証可能、保険会社はドローンに保険をかけるための信頼できるデータを入手可能、ドローンのパイロットもすべての規制に準拠することが出来るようになるという。
また、米国の小売大手ウォルマートは、自律型ドローンを認証し、相互に通信できるようにする仕組みについて、一連の特許を申請している。
ハイテク大手IBMも、ビジネスや娯楽にドローンを使用する場面で、プライバシーやセキュリティの問題に対処することを目的とした特許を申請した。
米国運輸省の航空安全管理システム部門の責任者、Regina Houston氏は次のように話す。
ブロックチェーンは、ドローンに関する信頼できるデータを収集して共有するソリューションの一つである。
ブロックチェーンによる各種データ(UAS業界への登録、説明責任に関する情報、フライト追跡など)を機械学習と組み合わせることで、ドローンの安全性分析や、関連する意思決定、さらには規制の方法などに役立てることができる。