- マイニングのエネルギー消費量が課題
- ビットコインマイニングにおけるエネルギー消費量は、過熱するマイニング競争の激化に伴い増加の一途を辿っており、一部の専門家は「マイニングの年間消費量は、世界159ヶ国の消費電力を上回る」と指摘しています。
- プールマイニングのメリット
- 環境の変化で採算が合わなくなってきたことで、プールマイニングという手段が注目されています。複数のマイナーを集団に引き入れることでリソースを集約、協力してマイニングを行うことで、貢献度に応じて”着実に利益を積み重ねる”ことができるというメリットがあります。
仮想通貨のマイニング事情と課題点
昨今では、仮想通貨に関する詐欺が蔓延しており、主要メディアも無視できなくなってきています。
世界中にあるさまざまな企業が「ICO(Initial Coin Offering)」という新しい方法で資金調達を行い、自身のプラットフォームに顧客を引き込むケースが日に日に増えてきており、急速に広まりつつある「ICOキャンペーン」が頻繁にニュースになっています。
その他の話題としては、中国による規制問題、JPモルガンCEOによる不名誉な批判、もちろんビットコインの価格なども挙げられます。
このような金融業界からの歓迎を受けながらも、ビットコインは紆余曲折を経て「$5,000(約50万円)」を突破、その後「$10,000(約105万円)」 の節目も超え、昨年末のピーク時(下落前)には「$20,000(約210万円)」目前の「$19,783.06(約207万円)」を記録しました。
消費電力の問題
しかし、その一方で一部の専門家によれば、ビットコインマイニングは「世界159ヶ国以上の電力を消費している」との指摘を受けており、エネルギー問題も取り沙汰されています。
具体的な数字を羅列すると、そのハードウェアは年間約31テラワット(TWh)もの消費エネルギーに達しており、アイルランドの年間23TWhやイギリス全土の年間309TWhと比較しても、非常に多いことが分かります。
さらに、分析企業の「Digiconomist」は、ビットコインの各取引では、アメリカの9つの家庭が1日に使用するエネルギーに匹敵するエネルギーを消費していると見積もっています。
1BTCをマイニングするための費用対効果に関して疑問に感じる方もいるかもしれませんが、マイニングの難易度が高まってきていることも関係して、ピーク時ほどの利益を生み出せなくなってきているのが現状です。
ビットコインのマイニング費用が40番目に低いとされるアメリカを例に出すと、1BTCをマイニングするのに「平均して$4,758(約50万円)」ほどの費用がかかってしまいます。
このような観点から、経済学者たちはビットコインマイニングに以前ほどの魅力はないとしており、「プールマイニング」の方が仮想通貨投資家にとって適していると考えているようです。
プールマイニングとは
プールマイニング(複数採掘)とは、「複数のマイナーを集団に引き入れ、リソースを集約し、協力してマイニングを行う方法」です。
競争の激化に伴いビットコインのdifficulty(採掘難易度)は跳ね上がっており、ソロマイニングの初期投資額が高騰しているという背景があります。
さらに、最新機器のセッティングやメンテナンスの知識、新開発された機器のアップデートなどのリスクも伴うため、よほどノウハウがない限り個人で対抗するのは現実的ではありません。
そこで有力になってくるのが「プールマイニング」という選択肢です。
集団で組織的な採掘を行うことによって、マイニングの成功率を高めつつ、安定した採掘環境を整えることができるようになるのです。
この仕組みのことを「マイニングプール」と呼びます。
報酬は各ユーザーの貢献度に応じて支払われるため、個人のマイニングよりも報酬は少ないものの、参入障壁が低いというのは見逃せないポイントです。
メリットとデメリット
ソロマイニング | プールマイニング | |
---|---|---|
メリット |
・マイニングのノウハウを蓄積できる ・マイニング成功時に報酬を総取りできる |
・知識が乏しくても参加しやすい ・集団でシェアするため、採掘の成功率が高い ・要求スペックが相対的に低いため、初期投資が少なくて済む |
デメリット |
・知識やノウハウが必要でハードルが高い ・個人規模の採掘の成功率が低く、安定性に欠ける ・設備や電気代、定期メンテナンスが必要でコストが掛かる |
・詐欺や経営破綻などのリスクを伴う ・ハッシュレートに応じて分配されるため、成功報酬が下がる |
日本のクラウドマイニング
マイニングプールの中には、マイナーとしての参加ではなく、出資することで配当金を得ることができる仕組みもあり、「クラウドマイニング」と呼ばれています。
日本企業では、仮想通貨事業に参入したDMM.comが、2017年9月8日にマイニング事業「DMM POOL」の運営を開始することを発表しました。
金沢にある約500平米の敷地に1000台規模で運用することで、2018年度中に世界トップ10に入る規模になるとしています。
また、ユーザーの出資額に応じてマイニングセンターで採掘された仮想通貨の収益配分を受け取ることが可能な「クラウドマイニング」サービスを提供する予定とのことです。
同じく、取引所の開設など仮想通貨事業に参入した日本の大企業である「GMOインターネット」では、2017年12月20日に欧州でのマイニングファームを設置。
提携企業との最先端技術を活用したマイニングチップの研究・開発を行っており、次世代マイニングボードによるマイニングの稼働を2018年上半期に開始する予定です。
GMO | DMM | |
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Feb 18, 2018 by Tom Clancy
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