はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

世界の仮想通貨マイニング事情と日本のクラウドマイニング

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイニングのエネルギー消費量が課題
ビットコインマイニングにおけるエネルギー消費量は、過熱するマイニング競争の激化に伴い増加の一途を辿っており、一部の専門家は「マイニングの年間消費量は、世界159ヶ国の消費電力を上回る」と指摘しています。
プールマイニングのメリット
環境の変化で採算が合わなくなってきたことで、プールマイニングという手段が注目されています。複数のマイナーを集団に引き入れることでリソースを集約、協力してマイニングを行うことで、貢献度に応じて”着実に利益を積み重ねる”ことができるというメリットがあります。

仮想通貨のマイニング事情と課題点

昨今では、仮想通貨に関する詐欺が蔓延しており、主要メディアも無視できなくなってきています。

世界中にあるさまざまな企業が「ICO(Initial Coin Offering)」という新しい方法で資金調達を行い、自身のプラットフォームに顧客を引き込むケースが日に日に増えてきており、急速に広まりつつある「ICOキャンペーン」が頻繁にニュースになっています。

その他の話題としては、中国による規制問題、JPモルガンCEOによる不名誉な批判、もちろんビットコインの価格なども挙げられます。

このような金融業界からの歓迎を受けながらも、ビットコインは紆余曲折を経て「$5,000(約50万円)」を突破、その後「$10,000(約105万円)」 の節目も超え、昨年末のピーク時(下落前)には「$20,000(約210万円)」目前の「$19,783.06(約207万円)」を記録しました。

消費電力の問題

しかし、その一方で一部の専門家によれば、ビットコインマイニングは「世界159ヶ国以上の電力を消費している」との指摘を受けており、エネルギー問題も取り沙汰されています。

具体的な数字を羅列すると、そのハードウェアは年間約31テラワット(TWh)もの消費エネルギーに達しており、アイルランドの年間23TWhやイギリス全土の年間309TWhと比較しても、非常に多いことが分かります。

さらに、分析企業の「Digiconomist」は、ビットコインの各取引では、アメリカの9つの家庭が1日に使用するエネルギーに匹敵するエネルギーを消費していると見積もっています。

1BTCをマイニングするための費用対効果に関して疑問に感じる方もいるかもしれませんが、マイニングの難易度が高まってきていることも関係して、ピーク時ほどの利益を生み出せなくなってきているのが現状です。

ビットコインのマイニング費用が40番目に低いとされるアメリカを例に出すと、1BTCをマイニングするのに「平均して$4,758(約50万円)」ほどの費用がかかってしまいます。

このような観点から、経済学者たちはビットコインマイニングに以前ほどの魅力はないとしており、「プールマイニング」の方が仮想通貨投資家にとって適していると考えているようです。

プールマイニングとは

プールマイニング(複数採掘)とは、「複数のマイナーを集団に引き入れ、リソースを集約し、協力してマイニングを行う方法」です。

競争の激化に伴いビットコインのdifficulty(採掘難易度)は跳ね上がっており、ソロマイニングの初期投資額が高騰しているという背景があります。

さらに、最新機器のセッティングやメンテナンスの知識、新開発された機器のアップデートなどのリスクも伴うため、よほどノウハウがない限り個人で対抗するのは現実的ではありません。

そこで有力になってくるのが「プールマイニング」という選択肢です。

集団で組織的な採掘を行うことによって、マイニングの成功率を高めつつ、安定した採掘環境を整えることができるようになるのです。

この仕組みのことを「マイニングプール」と呼びます。

報酬は各ユーザーの貢献度に応じて支払われるため、個人のマイニングよりも報酬は少ないものの、参入障壁が低いというのは見逃せないポイントです。

メリットとデメリット

ソロマイニング プールマイニング
メリット

・マイニングのノウハウを蓄積できる

・マイニング成功時に報酬を総取りできる

・知識が乏しくても参加しやすい

・集団でシェアするため、採掘の成功率が高い

・要求スペックが相対的に低いため、初期投資が少なくて済む

デメリット

・知識やノウハウが必要でハードルが高い

・個人規模の採掘の成功率が低く、安定性に欠ける

・設備や電気代、定期メンテナンスが必要でコストが掛かる

・詐欺や経営破綻などのリスクを伴う

・ハッシュレートに応じて分配されるため、成功報酬が下がる

日本のクラウドマイニング

マイニングプールの中には、マイナーとしての参加ではなく、出資することで配当金を得ることができる仕組みもあり、「クラウドマイニング」と呼ばれています。

日本企業では、仮想通貨事業に参入したDMM.comが、2017年9月8日にマイニング事業「DMM POOL」の運営を開始することを発表しました。

金沢にある約500平米の敷地に1000台規模で運用することで、2018年度中に世界トップ10に入る規模になるとしています。

また、ユーザーの出資額に応じてマイニングセンターで採掘された仮想通貨の収益配分を受け取ることが可能な「クラウドマイニング」サービスを提供する予定とのことです。

同じく、取引所の開設など仮想通貨事業に参入した日本の大企業である「GMOインターネット」では、2017年12月20日に欧州でのマイニングファームを設置。

提携企業との最先端技術を活用したマイニングチップの研究・開発を行っており、次世代マイニングボードによるマイニングの稼働を2018年上半期に開始する予定です。

GMO DMM
クラウドマイニング
Z.com Cloud Mining
DMMマイニングファーム
場所
北米
石川県金沢市
対応通貨
BTC,BCH
BTC,ETH,LTC
契約内容
1契約あたり約5.5億円(2年間)
関連記事:

コインポストの関連記事はこちら。参考にどうぞ。

GMOがビットコイン等仮想通貨のマイニング事業を開始
2017年12月20日、GMOインターネット株式会社は欧州法人を通じて仮想通貨のマイニング事業を開始したことを発表しました。また、次世代マイニングボードの販売、クラウドマイニング、ICOといった事業が現在検討されています。
マイニングとは?~仕組みや方法について解説~
仮想通貨のブロックチェーンの整合性を保つためのシステム。 仮想通貨の取引台帳データの整合性と追記を行うことで通貨の信頼...

Keeping up with the World of Crypto Mining

Feb 18, 2018 by Tom Clancy

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧