はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインがダウ連動で大幅上昇した背景、「クジラ指標」は2017年9月の仮想通貨バブル前水準に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

市況

15日に急落し、24,500ドルを割り込んでいたダウ先物は、日本時間未明にかけて盛り返し、東京株式市場の寄付きで26,000ドル近くまで急回復。 16日の東京株式市場も前日比670円高と、前日の急落分を帳消しにした。

nikkei225jp.com

大幅反発の背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)は、上場投資信託(ETF)に加え、「セカンダリーマーケット・コーポレートクレジットファシリティー(SMCCF)」を通じた社債購入で幅広い銘柄を対象としたことがある。

新型コロナ感染症の第二波懸念が台頭し、市場心理が急速に悪化するなか、中小・中堅企業向け融資も拡大し、大きく後退した経済を下支えする姿勢を改めて鮮明にした。国内でも日銀の金融緩和に支えられた「官製相場」との指摘は以前より根強く、大量の資本を使っての市場介入・為替介入行為は「日銀砲」などと揶揄される。

国内総生産(GDP)や失業率で、世界経済がリセッション入りして深刻な打撃を浮き彫りにする一方、欧米や中国を中心に国家間の経済・雇用回復競争、あるいは国家の威信をかけた治療薬・ワクチンの開発競争も激化しており、大規模金融緩和で市場に流通する資金は前例のない規模にまで膨れ上がるなど、結果的に過剰なまでの資金及び流動性供給につながっている。経済・雇用の回復速度次第では、今後数年〜十数年に渡り、国力や経済成長率で他国と大きな差を隔てることになりかねないからだ。

ましてや、大統領選挙を間近に控える米トランプ大統領は、就任以来の株価上昇を実績のひとつとして支持を得ており、市場への口先介入を強める傾向にある。今年3月に発生したコロナショック以来の市場心理や信用毀損率は大幅改善傾向にあり、世界中が”金余り相場”に向かうようであれば、法定通貨の価値低下に対するヘッジなどを兼ねたビットコイン市場にも一定の恩恵はあろう。

2008〜09年の金融危機を経て、中央集権のアンチ・テーゼとして誕生したビットコイン(BTC)。米資産運用会社VanEckは今年1月、The Investment Case for Bitcoinと題したレポート内で、「恒久性、希少性、匿名性」を有するビットコインはすでに貨幣的価値を持っており、デジタル・ゴールドとしてのポテンシャルを秘めていると指摘している。

ビットコイン市場

これを受け、全市場リスクオフの影響でダウ市場との相関を強めていたビットコイン価格も大幅反発。

8,900ドルから600ドル幅の上昇で一時9,500ドル(102万円)を回復、その後9,400ドル(101万円)付近を推移している。

11日に25MAを割り込んでから頭を押さえつけられており、この付近の上値抵抗線を超えることができれば一段高も見込めるか。中期、長期移動平均線が上向き始めた一方、6月1日に10,500ドルを付けて以降上値を切り下げており、再び8000ドル台まで下落するようなことがあれば、ベア相場が明確になる可能性もある。いずれにせよ、当面は相関性高まるダウ市場の値動きは注視したい。

需給の変化

仮想通貨投資ファンドBitazu CapitalのMohit Soroutは、昨日の急落局面でBitMEXtとBinanceのファンディングレート(資金調達率)がマイナスに転じたことを指摘した。

CoinPostに寄稿する中島氏の解説にもあるように、仮想通貨の先物価格は現物価格と相場の需給を表す「funding rate」の2点から成り立っている。

関連:プロが解説:ビットコイン現物と先物を利用して「安定して利回りを得る」運用手法

クジラの増加が示すもの

仮想通貨分析サイトGlassnodeのデータによれば、ビットコインの大口を示す”クジラ”の数は、右肩上がりに伸び続けている。

Glassnode

1000BTC(10億円)以上のアドレス保有者は「1882」に上り、現時点で2017年9月の水準を回復した。ビットコインは2017年12月に1BTC=20,000ドルに達し、「仮想通貨バブル」のピークを形成しているが、クジラの数は2016年夏前より減少傾向にあることがわかる。

生息するクジラの数が同水準に初めて達したのは2016年3月のことだ。2019年初頭以来のクジラの増え方は、ビットコインの市場規模拡大を見越し、中・長期保有を前提とした大口の多さを物語る。

2016年比較でビットコインの平均保有数こそ減少しているものの、当時のBTC価格は現在の1/20以下の420ドル(45,000円)に過ぎず、莫大な富を築いた大口の存在を示唆していると言えるだろう。

市場を俯瞰してドル・コスト平均法を

ヘッジファンドマネージャーでマイニング関連商社BlockwareのMatt D’Souza CEOが、BTC価格はいつ(大きく)上昇するのかという質問に対して見解を述べた。

D’Souzaは、「よくある質問だが、厳密な時期は誰にも分からないし、目先の価格にこだわるべきではない」と回答、半減期後のマイナーの売り圧力や採掘難易度の調整による短期的な影響よりも、現在の仮想通貨市場がどのようなフェーズにあるのかを理解する方が重要だと説明。「機関投資家やファンドは、ビットコインを買い集めている」と述べ、含みをもたせた。

また「18カ月〜36カ月の期間でビットコイン市場のサイクルをとらえれば、8500ドル(約91.2万円)で買うべきか、9300ドル(約99.8万円)まで待つべきかは、長期で俯瞰すれば大して重要ではない」ともツイート。その頃には2万ドル(約215万円)、あるいは10万ドル(約1070万円)以上になるかもしれないと述べ、目先の利益ばかりに目を奪われているようでは大きな波を逃すことになりかねないと注意を促している。

D’SouzaはBTC投資では、定期的に分割して同じ額で購入する「ドル・コスト平均法」を勧めている。一括購入する方法に比べ、買付単価を安定化できる手法だ。長期的に採掘し続けるマイナーが成功している手法を根拠に、2〜4年間「ドルコスト平均法」で機械的に買い増すことが最も効率的だと述べた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧