米大手ベンチャーキャピタルa16z出身投資家、仮想通貨基盤の所有型経済ファンド立ち上げ

クリプト基盤の所有型経済ファンド

米著名ベンチャーキャピタルAndreessen Horowitz(a16z)出身の投資家Jesse Waldenが、新たに仮想通貨基盤の「所有型経済ファンド」を立ち上げたことを発表した。

ファンドの名前はVariant。主に「所有型経済」のエコシステム構築を専門とする仮想通貨基盤のネットワークやプラットフォームに投資するという。

Waldenが提唱する「所有型経済」とは、近年注目される共有型経済(シェアリング・エコノミー)とは異なる概念で、主に仮想通貨関連サービスやプロトコルにおける所有権を指す。

仮想通貨セクターにおいて、ユーザーベースで所有され、運営されるネットワークとしてビットコイン(BTC)が元祖の「所有型経済モデル」を代表する、とWaldenは指摘した。

直近の事例としてあげられたのが、分散型金融プラットフォームCompoundにおけるガバナンストークンCOMPや、人気掲示板サイトRedditが発行する投稿インセンティブにあたる独自の仮想通貨トークンの類だ。

クリプト(仮想通貨・ブロックチェーン)はユーザーが様々な手段でプロトコルに貢献できる「所有権」となるツールを付与している。

これからは「所有権」の参加と普及を推進するため、よりアクセスのできるプロダクトやプロトコルを作っていくことに投資機会が見出せると考えている。

所有型経済の具体例

WaldenはVariantが目指す投資先に関する現存の仮想通貨セクターを、伝統セクターとの比較で例示。既存経済モデルが所有型経済に変化すると、このように変わるとの図解を示した。

  • 価値の保存:連邦準備制度⇨ビットコイン
  • インフラ:AWS(アマゾンウェブサービス)⇨イーサリアム
  • 決済:Western Union⇨Celo
  • 金融:JPモルガンチェース⇨Uniswap、Compound
  • リスト
  • マーケットプレイス:airbnb、Uber⇨Foundation、FORTE
  • ソーシャル:フェイスブック⇨Reddit
  • 消費者:Sephora(大手コスメ専門店)⇨arfa

出典:Variant

AWSやフェイスブックなどの企業所有型運営からビットコイン、Uniswapなどのユーザー主導の形に遷移すると予想。中間に位置するデベロッパー主導のプロダクトにあたる取引所バイナンスや、ステーブルコインUSDCも取り上げている。

Variantが見据える将来性のあるプロトコルやプロダクトは、これらのようなデベロッパー主導およびユーザー主導のものに該当するという。

Variantへの出資

Variantを立ち上げたJesse Waldenは、以前オンライン所有権や知的財産を追跡するブロックチェーン企業「Mediachain」を創設し、a16zから出資を受けていた。Mediachainが2017年に大手音楽ストリーミングサービスSpotifyに買収され、Waldenは成功を納めた。

今回新たに立ち上げたVariantもa16zによって出資される。そのほか、Compoundの創設者からも投資されているという。すでにいくつかのプロジェクトに出資を行なっているが、詳細は明かしていない。

最近関心度の高まるDeFiセクターやユーザーベースのインセンティブ設計モデルなどの新種経済モデルは、新たなVC資金によって今後より規模を拡大していくとみられる。


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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します