WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

英領バミューダ、デジタル通貨決済の試験運用開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

バミューダがデジタル通貨決済をテスト

北大西洋に位置する英領バミューダ諸島政府は、ステーブルコイン決済プラットフォーム「Stablehouse」と提携し、食品をはじめとする日用必需品やサービスの決済にデジタルトークンを使用する試運転を開始している。デービッド・バート首相は、自ら参加した試験プログラムの模様をツイートした。

このトークンは「デジタル刺激トークン」(Digital Stimulus Token)と呼ばれ、「Blockstream」のLiquidブロックチェーンプロトコルをベースにしており、Stablehouseが提供するオープンソースの決済アプリを介して利用できる。現在、一部の小売業者と消費者を対象としたベータ版がテストされているが、将来的にはバミューダ経済開発公社(Bermuda Economic Development Corporation)が参加し、対象を拡大した、より大規模な試験運用も視野に入れているようだ。

バート首相は声明で次のように述べている。

バミューダは、革新的な民間デジタル資産ソリューションを支援するリーダーとしての地位を確立すること、また当地でライセンスを取得した企業との協力を通して、デジタル資産の採用を促進することに対し強い意気込みを持って取り組む考えだ。

そのためには、規制の枠組みを作るにとどまらず、バミューダを本拠地として選んだ企業と連携し、その製品を利用することが大変重要な要素となる。

理想的な実験場としてのバミューダ

歴代最年少の38歳で首相に就任したデービッド・バート氏は、米ジョージ・ワシントン大学で情報システム開発の修士号を取得、テクノロジーとビジネスに精通した起業家や経営者としての顔を持つ。ブロックチェーンや仮想通貨、フィンテックに関する造詣も深い。バート首相は、バミューダは「世界向けの製品やサービスをテストするラボを作るには理想的な場所」だと主張している。

人口7万人余りで53平方キロという小さな島国は、英国領であること、また米国から飛行機で2時間というその立地から、英米両政府が軍事基地として利用するため、空港や病院、電力など島の主要インフラを整備した歴史を持ち、金融サービス、医療、輸送、海港、輸入などのシステムが完備されている。

観光立国であったが、現在は保険業が大きな産業となっている。バミューダの強みは、規制当局、政府、産業界が連携して、製品を迅速に市場に投入できることだという。このような連携とスピードがバミューダの保険業界の確立を促し、現在フィンテック業界でも同じことが起きているという。

テクノロジーの普及率が高く、2019年の統計では総人口の87%がモバイルインターネットを利用しているとのことだ。そのため、銀行口座を持たない一部の市民のためにも、スマートフォンを利用した金融サービスの提供を模索している。

バート首相の首席フィンテック顧問であるDenis Pitcherは、政府がデジタル通貨を受け入れることで、民間事業者が実際にデジタル通貨を消費できる場を提供し、従来の金融システムに頼らなくても良い環境を作り出すことができると考えている。バミューダは市場としては小さすぎて、PayPalなど多くの世界的な金融サービスは見向きもしないとPitcherは語った。

しかし、バミューダ社会におけるデジタル通貨の普及が世界経済との架け橋になり、グローバルな金融エコシステムに、バミューダ市民がアクセスできるようになることを同氏は期待しているという。

進展する包括的なエコシステム構築

デジタル刺激トークンはステーブルコインだが、バミューダ政府は昨年10月からすでに、税金や政府が提供するサービス等の支払いに、米ドル建てのステーブルコイン「USDC」を受け入れ始めていた。USDCの受け入れが大きく混乱しなかったのは、バミューダが英国領ではあるものの、米国との結びつきが強く、地域通貨バミューダ・ドルと米ドルの為替レートが一対一であったことも大きいだろう。

一方で、バミューダ政府は、中央銀行発行のデジタル通貨(CBDC)の開発には特に関心がないと明言している。Pitcherは、デジタル通貨の発行には民間セクターが最も適していると述べている。また、バート首相も為替レートやセキュリティのリスクを考慮すると、市場規模の小さいバミューダの政府よりも、営利的に事業を行っている民間企業の方が優位にあると考えているようだ。

 

USDCの受け入れと時期を同じくして、政府はブロックチェーンベースのデジタルIDプラットフォームの開発に着手したことも発表している。分散型信用検証プロトコルの「Shyft Network」が金融活動作業部会(FAFT)など規制へのコンプライアンスに対応し、デジタルIDソリューション「Perseid」がID管理インフラを構築する体制で、世界でも例の少ない市民IDシステムを開発すると言う。

バート首相は、テクノロジーこそが未来であると信じているという。若い市民に希望を持たせるためにも、国家戦略としてフィンテックによる金融サービス革新を進め、世界のデジタル経済のリーダーとしての地位確立を目指すと語った。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10:20
東証上場イオレ、保有151.21ビットコインを全量売却へ AIデータセンター投資に充当
東証上場のイオレは30日、ビットコイン151.21BTCの全量売却を決議した。売却見込額は18億3,100万円、売却損は約2億5,400万円の見込みで、代金はAIデータセンター事業関連投資に先行して充てる。
09:20
バイナンス不正流出の大半が約20分で実行、秘密鍵に頼らず署名悪用
バイナンスで1兆円相当の資産が流出し、大半が約20分に集中したことが判明。分析会社は秘密鍵の盗難・漏洩ではなく署名の仕組みへの侵害と指摘し、EIP-7702が悪用された手口を踏まえ、承認ルールの独立判定などの対策を挙げた。
07:32
米CFTC委員長、バイナンス被害めぐり仮想通貨取引所が選べる伝統金融並みの保護を提案
米商品先物取引委員会(CFTC)のセリグ委員長は30日、バイナンスで29日に起きたハッキングを受け、仮想通貨取引所が任意で連邦登録できる選択肢を設ける考えを示した。米国のデリバティブ市場と同じサイバー対策などが適用される。
07:05
米仮想通貨関連株が全面安、1兆円規模のハッキングも市場全体への脅威は限定的とアナリストが見解
30日の米国株式市場ではバイナンスの1兆円不正流出事件を受けて、コインベースが10.62%、サークルが9.3%下落した。ウォール街の3社は市場全体の脅威になる根拠は乏しいとみている。
06:20
トランプ大統領、仮想通貨取引所バイナンスのハッキングめぐり北朝鮮の関与を調査と発言
トランプ大統領は30日、仮想通貨取引所バイナンスのハッキングに北朝鮮のハッカー集団が関与したか調べていると話した。チェイナリシスは1兆円近くのハッキングは北朝鮮によるものだと強く確信している。
06:05
バイナンス、ハッキング被害の補償に約1兆円を確保
バイナンスは31日、ハッキング被害の補償に自社資金63億4000万ドル超を確保したと明らかにした。被害額の約80%分は流出と同じトークンで保有しており、残りも買い付けを進めている。
10/30 金曜日
21:25
SBI VCトレードとビットバンク、バイナンスの暗号資産流出で顧客資産に影響なし
SBIホールディングスが30日、バイナンスの暗号資産不正流出事案について、子会社各社のバイナンスに対するエクスポージャーは現時点で限定的で、連結業績への影響はないと発表した。SBI VCトレードとビットバンクの顧客資産への影響もない。
19:10
バイナンス、ハッキング調査で複数の侵入箇所が判明
バイナンスは30日夕方、仮想通貨の流出事件で他の侵害箇所が見つかったと公表した。出金サービスは45時間後の再開に向けて予定通りに進んでいるという。
17:29
レジャーに続きトレザーでも不正部品の報告 東南アジア販売店経由
ハードウェアウォレット大手トレザーは30日、東南アジアの販売店クリプトビリスが売ったSafe 5に不正部品が組み込まれていたとの報告を公表。同店で3月以降に購入した利用者に新しいリカバリーフレーズでの資金移動を求めた。レジャーの改ざん事件に続く報告。
16:45
フランス上院、仮想通貨の税務報告枠組み「CARF」合意の法案可決
フランス上院は、仮想通貨の税務情報を各国当局と交換する枠組み「CARF」を承認する法案を可決した。次は国民議会で審議され、成立すれば2027年に交換が始まる見込みだ。
16:44
金融庁、海外8地域の金融制度調査を公表 ステーブルコイン規制も整理
金融庁は30日、米欧中など8カ国・地域の金融制度に関する委託調査を公表した。暗号資産交換業者を扱う節では、米ジーニアス法やMiCA規則、中国が2月に出したRWA禁止の新通知まで、各地の暗号資産・ステーブルコイン規制を整理している。
16:00
ビットコインが冷却局面に、10月(アップトーバー)は4.2%安=クリプトクアント
クリプトクアントが仮想通貨市場の週間レポートを発表。ビットコインの需要縮小と米国勢の買い控えを指摘し短期的な基本シナリオを示した。
15:29
メタプラネットCEO、バイナンス流出受け声明 保有ビットコインは全量コールド保管
仮想通貨取引所バイナンスが影響額約63億ドルのセキュリティ事案を公表したことを受け、メタプラネットのサイモン・ゲロヴィッチCEOがが30日にXで声明を出した。保有ビットコインは全量を規制下のカストディアンでコールドストレージ管理していると説明した。
14:10
約1兆円の不正流出を受けたバイナンス、TRMが北朝鮮の犯行と分析
TRM Labsは、バイナンスから約63.6億ドル相当の仮想通貨が流出した事件を北朝鮮のハッキング部隊TraderTraitorの犯行と分析した。署名基盤侵害の可能性と、凍結を逃れた約24億ドルの現状を整理する。
13:40
バイナンスジャパンが暗号資産入出金を一時停止、ビットフライヤーはバイナンス送金を制限
暗号資産取引所バイナンスジャパンが30日、本家バイナンスで確認された1兆円規模のハッキング事件による顧客資産への影響は現時点で確認されていないと発表した。取引は継続できるが、暗号資産の入出庫は一時停止。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧