中国の国内情勢は
直近の急落で、冷や水を浴びせられたDeFi(分散型金融)市場だが、中国国内では、依然として資金流入が続いているとの見方がある。
中国の仮想通貨レポーター Colin Wuは、多くのローカル取引所でDeFiに資金移動するための顧客資産が引き出され、流動性に関する問題が立ち上がっていると懸念を示した。
取引所でコインの引き出しが滞っていることを受け、仮想通貨を全て引き出しアカウント(口座)を削除する「コイン引き出しキャンペーン」をコミュニティが呼び掛けているという。
中国の大手SNS、WeChatでは、9月2日にはキーワード「DeFi」の検索数が一時90万近くにまで達したことをツイッターユーザーが報告している。
また、グーグルでの検索動向が分かるグーグルトレンドでも、「DeFi」の検索キーワードは、8/30〜9/05の間の人気度が過去最高を記録している。
中央集権型取引所の手立ては
ユーザーの資産流出は流動性の低下につながり、取引所の死活問題にもなりかねない。
こういった事態に対し、中央集権型の取引所も手をこまねいて見ているわけではない。Wuは、中央集権型の取引所が「クレイジーなコインの上場」によって、ユーザーを引き留めようと画策していると指摘する。
世界最大手取引所のバイナンスは6日、ファーミングプラットフォームのサービスを発表した。
これはDeFiセクターに資金が流れ込む原因となったイールドファーミングとよばれる手法を、バイナンスという中央集権型のプラットフォームで行えるようにしたものだ。
バイナンスCEOのCZ氏は以下のようにコメントしている。
CeFi(集権型金融)でのイールドファーミングの利益がDeFi(分散型金融)より高くならないと思っているなら、もう一度よく考えてみてほしい
一旦落ち着きを見せているDeFi市場であるが、バイナンスをはじめとする主要取引所でもDeFi関連サービスが台頭しており、引き続き高い関心を集めることになりそうだ。