CoinPostで今最も読まれています

ロシア中銀がCBDCレポート「デジタル・ルーブルの可能性」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ロシア中銀がCBDCについての協議書を公開

ロシアの中央銀行が、中銀発行デジタル通貨(CBDC)である、デジタル・ルーブルについての協議書を公開したことが判明した。年末までフィードバックを受け付けている。

ロシア中銀は、市民や企業の変化するニーズに応えて、デジタル・ルーブルを発行する可能性を検討しており、これについての幅広い議論を目的として協議書を発行したという。

その後、限られたユーザー内でデジタル・ルーブルを試験運用する可能性もある。

デジタル・ルーブルの概要

ロシア中銀によると、デジタル・ルーブルは、市民、企業、金融市場の参加者、州など、すべての経済主体が利用できるようになるもので、支払い手段、価値の物差し、価値の保存という、通貨の機能3つをすべて備えるものである。

デジタルルーブルの取引は、電子ウォレット、電子決済、またはモバイルアプリの使用に似たものとなり、オンラインとオフラインの両方で実行される見込み。

オフライン取引の場合、電子ウォレットに一定量のデジタルルーブルを預けておくことで通信ネットワークにアクセスできない場所でも決済が可能になるという。

銀行口座やカードからの資金、現金を使用して、デジタルルーブルの形式でお金をチャージすることができる。

また、デジタル・ルーブルが現金などに代わることはなく、現在流通している様々な形式のお金に追加されることになり、用途としては、商品やサービスの支払い、組織や州への支払い、送金、金融商品やデジタル金融資産との取引の支払いに使用可能だ。

分散型台帳、中央集権型システム、その混合型のどれを使用するかは決まっていないが、イーサリアムブロックチェーンを用いたスマートコントラクトについても言及された。

プライバシーの問題

CBDCでよく懸念事項として指摘されるプライバシーの問題についても、協議書は言及。

現金や分散型の暗号資産(仮想通貨)とは異なり、デジタル・ルーブルを匿名で使用することはできないものの、中央銀行は取引に参加した者が誰かという情報は分かるが、取引の目的にはアクセスできないという。

ユーザーは、ロシア中銀のプラットフォームでKYC(顧客身元確認)手順を実行する。

デジタル・ルーブルが社会にもたらす利点

ロシア中銀は、デジタル・ルーブルのもたらす恩恵として次のような項目を挙げた。

  • ある金融仲介業者から別の仲介者への資金移動を迅速にすることで、イノベーションと競争を促進。
  • 政府資金が割り当てられたプロジェクトが汚職などにより不正利用されることを防止。
  • 金融インフラへのアクセスが制限されている人口過疎地や遠隔地などで、新しい便利な決済手段になる可能性がある。
  • 国内資金が外国のデジタル通貨として流出するリスクを制限し、マクロ経済と金融の安定に貢献する。

仮想通貨規制方針については秋の国会で審議

ロシアはCBDCの検討を一歩進めた形だが、一般的に流通する仮想通貨については保守的な姿勢を保っている。

ロシアで2021年1月1日より施行予定の「デジタル金融資産関連法(On Digital Financial Assets:DFA)」によると、仮想通貨の売買は合法だが、サービスや商品の支払いに使用することは禁止されることになる。

ロシアの経済開発省が過度な規制はロシア経済にとって損失になると主張する一方で、ロシア中銀は過去、仮想通貨に批判的な発言を繰り返しており、政府内でも意見は分かれている。

いずれにしてもロシアにおける仮想通貨規制の詳細は12月下旬に終了する秋の国会で審議される「デジタル通貨関連法(DA)」に掲載される予定で、この内容が注目される。

関連:仮想通貨の納税申告違反に刑事罰を検討──ロシア財務省
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
18:00
2024年注目の仮想通貨10選 セクター別の主要銘柄
暗号資産(仮想通貨)市場を代表する、注目銘柄10選。ビットコイン現物ETFが承認され半減期を迎える2024年。RWAやAI銘柄などセクター毎に投資活動が活発化。年初来の騰落率を含む各種データを網羅。ソラナのミームコインやエアドロップの効果は業界全体に影響している。
13:53
Yuga Labs、NFTゲームの知的財産権をゲームスタジオ「Faraway」に売却
著名NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club」で知られるYuga Labsは、同社が開発するNFTゲーム「HV-MTL」と「Legends of the Mara」の知的財産権を、ゲームスタジオ「Faraway」に売却したと発表した。
11:54
中東情勢緊迫化で株やビットコインなど急落、リスク回避の動き強まる
中東情勢を巡りイスラエルのイランへの報復攻撃が伝わり、日経平均株価や仮想通貨ビットコインなどリスク性資産が暴落した。先行き懸念からリスク回避の動きが強まっている。
11:30
Ondo Finance、米国債建てトークンUSDYをコスモスで展開へ
資産トークン化企業Ondo Financeは、Noble Chainと提携して米国債建てトークンUSDYなどの資産をコスモス上で展開すると発表した。
11:00
テザー社、USDT超えて最先端技術提供へ 4つの新部門立ち上げ
USDTを発行するテザー社は事業部門を4つに再編する計画を発表した。ステーブルコインを超えた、より包括的なソリューションを提供していく計画だ。
10:10
「BTC半減期後の相場はマクロ経済が主導」10x Research分析
仮想通貨ビットコインの半減期後の相場を主導するのはマクロ経済であると10x ResearchのCEOが指摘。現状ではビットコインの今後価格が5万ドルまで下がる可能性もあると述べている。
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧