投票にブロックチェーンを活用
米大統領選挙の本選挙で初めて、ブロックチェーンを活用した投票が行われた。大手メディア「Fox News」が報じた。投票にブロックチェーンを利用したのは、アメリカ西部に位置するユタ州で、スマートフォンのアプリを介して投票を実施した。
新型コロナウイルスの影響で、郵送による投票が増えることが予想され、集計の遅れや投票の信憑性が懸念される中、改ざん耐性の高いブロックチェーンを活用し、選挙の完全性を目指す取り組みを目指す。投票率の向上も期待される。
今回ユタ州で利用されているのは投票アプリ「Voatz」だ。顔写真等の情報を登録し、自身をカメラで撮影することによって本人確認を行う仕組みだ。今までも米国の他の選挙で利用された実績がある。
過去に5つの選挙でVoatzを利用してきたユタ州の担当者は「今回の本選挙は最もコストを削減できた選挙の1つだ」と成果をアピール。「技術革新において、ユタ州や米国を主導したことを誇りに思う」と述べた。
今年3月には、米ウエストバージニア州が、大統領選挙の予備選でのVoatz利用を断念したことが報じられた。関係者の知識や実績不足などから、セキュリティ上の懸念が完全に拭えなかったと説明している。
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ブロックチェーンを活用するメリット
ブロックチェーンを活用することによってセキュリティ等の懸念を払拭でき、スマートフォンでも投票が行えるようになれば大きなメリットがある。実現できれば、身体が不自由な有権者や海外に駐留する軍隊も気軽に投票を行うことが可能だ。
現在の選挙システムを問題視する声は多く、2016年の以降、米国の投票システムを改善しようと88の投資家によって、4.2億ドル(約443億円)超が選挙関係のスタートアップに投資されてきたという。投資先のスタートアップの数は少なくても27社に上る。
ブロックチェーンを活用した投票は、暗号資産(仮想通貨)イオスの開発企業Block.oneの共同設立者で、2020年米大統領選に立候補したBrock Pierce氏も推進している。
「インターネットでは音楽でも動画でも簡単にコピーが可能だが、ブロックチェーンは改ざん耐性が高く、それが唯一のデータであることを証明する。選挙には非常に適している技術だ」と説明した。
参考資料 : Fox News