米議会図書館が資料集を提供
アメリカ議会図書館の法律部門が、暗号資産(仮想通貨)を巡る規制や法に関する情報へのアクセスガイドを発表、こうした事項への検索数増加に対応するものとしている。
法律部門司書のLouis Myers氏によると、最近の経済的・地政学的な出来事により、 仮想通貨の規制や法律に関する情報の検索数や請求件数が増加しているという。
これに答えて、主に米国での仮想通貨の法律面を調査するにあたって、参照できる主な参考文献リストを提供した格好だ。
紹介されている資料は、関連する政府機関のガイダンス、州レベルの立法に関する資料、議会調査局のレポートから、その他出版物まで様々である。この記事では、資料集の中からオンラインで確認できるものを幾つか紹介する。
政府機関の発行するガイダンス
まず、全米レベルで規制活動を行う、内国歳入庁(IRS)、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)が発行する資料として次のものを紹介。
「税務上の仮想通貨分類に関するガイダンス」は、IRSが提供。
「資金調達のイニシャルコインオファリング(ICO)に関するガイダンス」と「トークン発行者向けのガイダンス」は、SECが発行。
「デジタル資産を含む取引に関するガイダンス」は最近CFTCにより更新された。
また、仮想通貨の規制に関与、あるいは将来関与する可能性のある政府機関としては、連邦取引委員会(FTC)、金融犯罪捜査網(FinCEN)、通貨監督庁(OCC)の名前が挙がっている。
州レベルの立法資料
2014年から2018年までの州レベルの仮想通貨関連法に関する資料と、2015年から2019年までのブロックチェーン法に関する同様の資料を全米州議会議員連盟(NCSL)がまとめている。
また個別の州ごとに、州議会のウェブサイトで関連法を調査することも可能だという。
議会調査局のレポート
議会調査局も、仮想通貨やブロックチェーン規制についてのレポートを発行している。
その中には、ブロックチェーンと、その規制や法についての懸念事項をまとめた「ブロックチェーン:その背景と政策」という報告書や、ICO(イニシャルコインオファリング)と証券規制の枠組みについて分析した「証券規制とイニシャルコインオファリング」がある。
この他にも、様々なリソースが、図書館のホームページで確認可能だ。仮想通貨が普及するにつれ、行政機関などでも関連資料が蓄積されていることが分かる。
投資面でも、去年より大幅に関心高まる
仮想通貨への関心は、法律・規制面だけではなく投資面でも高まっている。
米大手仮想通貨ファンドのグレースケールが今年の6月から7月にかけて米国の投資家1000人を対象として行った意識調査では、回答者の半数以上がビットコイン投資に興味を示していた。昨年の36%から55%へと、大幅に増加した格好だ。
この数字をアメリカの全世帯数に反映させると、約3200万世帯がビットコイン投資に興味を持っていることになるという。
また過去4ヶ月以内にビットコインに投資をした人々の3分の2が、新型コロナの感染拡大が、デジタル通貨へ投資する決断に影響を与えたと報告していた。