はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米証券取引委員会クリプトママ「大統領選の影響と仮想通貨規制の在り方」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「イノベーション対応の遅さには正負両面」

仮想通貨業界への理解を示し、「クリプト・ママ」の通称を持つ米国証券取引委員会(SEC)のHester Peirce委員が、CoinDeskのイベントに登壇。米国の規制や、大統領選の結果を踏まえた仮想通貨規制の未来について、見解を述べた。

同氏は、民間部門よりも、政府はイノベーション対応の側面がスローペースである傾向があり、このことには正・負両面があると示している。

まず良い面としては、規制当局がルールを変更しようとしている時に、その動きに人々が気づき、意見を上げることが可能になる。さらに、まだ革新技術への対応が未定のうちは、明確な規制によってテクノロジーが制限されることもないため、イノベーターは様々なツールやプラットフォームを構築できる点を挙げた。

一方SECは、1930~40年代に構築された古い規制枠組みの土台の上に新規事項を建て増しているような現状があり、対応を急がなければいけない分野もあるという。仮想通貨分野で起きていることにも、素早く調整対応するべき領域があるとPeirce委員は語った。

規制猶予期間「セーフハーバー」の提案

Peirce委員は「セーフハーバー」制度の構築も提唱している。

この提案では、規制猶予の条件として、プロジェクトの詳細やコードのオープンソース化、開発計画などの情報を開示することが求められる。不正防止を行いつつ、イノベーションを促進するために企業がプラットフォームを開発し改良するための期間を与える制度が必要と訴えている格好だ。

10月のインタビューでPeirce委員は、他のSEC委員を説得できるよう、この提案のバージョン2.0を作成中だと明かしている。

関連:米SEC委員が語る「米規制と仮想通貨業界」=Unchained

人気メッセージアプリを提供するテレグラム社が、2018年に行ったICO(イニシャルコインオファリング)についてSECに未登録の「有価証券」であるとして起訴され、最終的に計11.9億ドルを返金した件についても、Peirce委員は異議を唱えている。

7月に開催されたシンガポール・ブロックチェーンウィークで、Peirce氏は「SECが違法な証券提供の証拠だと捉えたものは、実際はブロックチェーンネットワークを成功させるための必要な前提条件だったと思う」と述べ、イノベーターが米国で事業を行うことを避けてしまうのではないかと危機感を表明した。

バイデン政権と仮想通貨の行方

民主党候補のジョー・バイデンが米国次期大統領に当選確実となった現況から予測する、SECの将来の方向性についてPeirce委員は「仮想通貨への支持は超党派」であると指摘。米国の二大政党である共和党と民主党どちらの側にも仮想通貨を支援する議員がいると語った。

また、大統領が要職を指名する点で、選挙結果と仮想通貨の状況は結び付くが、例えばトップが、イノベーションへの対応不足を認識した場合は、新たにイノベーション担当の部署を立ち上げるようなこともあり得るとした。

バイデン政権が仮想通貨にどのような政策を取っていくのかは現時点で不明確だが、WSJの報道によると、CFTC(商品先物取引委員会)の元会長Gary Gensler氏をウォール街の監視役として起用する予定だという。

Gensler氏は2009年〜2014年の間CFTCの会長を務め、仮想通貨やブロックチェーン技術の講義を著名大学でも行なっていた人物の一人である。

また、バイデン氏陣営は仮想通貨デリバティブ取引所FTXのCEO、Sam Bankman-Fried氏から520万ドル(約5.3億円)の寄付金を受け取っていた。

関連:米報道:米大統領選「バイデン氏が勝利確実」──ビットコインへの影響は?

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/29 土曜日
07:20
スイス、仮想通貨税務情報交換を2027年に延期 OECD基準の実施を先送り
スイス連邦参事会が26日、仮想通貨税務情報の国際自動交換開始を2027年に延期すると発表した。法的枠組みは2026年1月に施行されるが、パートナー国との調整が完了していないため実施は見送られる。
06:35
仮想通貨関連株が急伸、ビットコイン・イーサリアム価格回復を受け
ビットコインとイーサリアムの価格回復に伴い、仮想通貨関連株が28日に急伸した。ビットマインは5日間で27%上昇し、クリーンスパークは55%の上昇を記録している。
05:55
アップビットの48億円ハッキング、当局が北朝鮮ラザルス集団の関与を本格調査
韓国当局が27日に発生したアップビットからの約48億円相当の仮想通貨流出について、北朝鮮のハッキンググループ「ラザルス」の関与を疑っていることが明らかになった。
05:45
米CME、11時間超の取引停止から復旧 データセンター冷却障害で株式・ビットコイン含む商品先物が一時中断
世界最大の先物取引所運営会社CMEグループが28日、データセンターの冷却システム障害により11時間以上にわたり先物取引を停止した。株式、債券、商品、通貨の先物取引が中断され、トレーダーからは批判の声が上がっている。
11/28 金曜日
19:05
Secured Finance(セキュアード・ファイナンス)とは?JPYCの運用方法を徹底解説
Secured FinanceでJPYCを使った固定金利運用が可能に。満期と金利が事前確定する仕組み、メタマスクの準備から貸し出し・借り入れの手順、リスクまで初心者向けに詳しく解説。
18:47
ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出
シノケングループ、ゆうちょ銀行、ディーカレットDCPの3社がトークン化預金の活用に向けた基本合意書を締結。賃貸管理における月次賃料の支払いをユースケースに、決済の自動化・効率化を検証する。2025年12月末に実証実験を完了し、2026年以降の本格導入を目指す。
18:01
価格急騰で注目を集めた仮想通貨ジーキャッシュとは
価格急騰で注目を集めたプライバシー銘柄の仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)の将来性を徹底解説。買い方や技術、注目点、リスクまでわかりやすく説明します。
17:29
英国、DeFi預け入れ時の課税を繰り延べへ 売却時まで納税義務を先送り
英国歳入関税庁が11月27日、DeFi預け入れ時の課税を実質売却時まで繰り延べる税制改革案を発表。アーベやバイナンスなど業界大手32団体が支持。利用者の税務負担軽減へ。
17:13
bitFlyer、法人向け「アセットロックサービス」提供開始 期末時価評価課税の適用除外に対応
bitFlyerが法人向け「アセットロックサービス」を開始。暗号資産を1年以上ロックすることで期末時価評価課税の適用除外要件を満たし、含み益への課税を回避できる。対象はBTC・ETH・XRPの3銘柄。
15:38
Soneium基盤のファンダムアプリ「IRC APP」公開 SNS応援をオンチェーン管理
IRC 2026公式アプリ「IRC APP」がSoneium基盤で公開。SNS応援活動をAIがスコア化し、チケット先行購入や優先入場などイベント当日の特典に変換。6万人が参加したベータ版実績を持つファン参加型プラットフォーム。
14:30
ブータン政府が320ETHをステーキング、BTC保有と併せ仮想通貨準備金戦略を拡大
ブータン政府はFigmentを通じて320ETH(約1.5億円)をステーキングした。世界初となる国民デジタルIDのイーサリアム統合、6,154BTC(876億円相当)の保有、観光業へのバイナンスペイ導入など、小国ながら先進的なブロックチェーン戦略を展開している。
13:30
トム・リー率いるビットマイン、押し目買いで70億円相当のイーサリアムを追加購入
ビットマイン・イマージョンが27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入した。これは同社の毎週の購入パターンと一致。先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達。
13:10
途上国インフレが仮想通貨の促進要因に 今年のチェイナリシス「グローバル仮想通貨採用指標」
チェイナリシスの2025年仮想通貨採用指標でインドが首位に。各国でインフレがステーブルコインなど仮想通貨の需要を喚起している。日本はAPAC地域で最高成長率を記録した。
12:46
トム・リー氏、ビットコイン年末25万ドル予想を軟化 史上最高値更新は「可能性ある」
ビットマインのトム·リー会長が年末25万ドルという強気予想を初めて軟化。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正したが、楽観的な見方は維持している。
11:35
欧州最大級の資産運用会社アムンディ、イーサリアム上で初のトークン化ファンドを運用開始
欧州最大級の資産運用会社アムンディが、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始した。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧