CoinPostで今最も読まれています

Slush Tokyo 2018 Day2 |ConsenSys社 John Lilic氏の発表内容レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ConsenSys社 John Lilic氏の発表
ConsenSys社は世界最大級のイーサリアムブロックチェーン研究のフィンテック企業です。Lilic氏のプレゼンテーションは、仮想通貨をより深く理解するという趣旨の内容でした。
トークンETFなどの仮想通貨投資家のための新サービスについて
多数のイノベーターが資産のトークン化に励んでいます。ETFに関して、ウィンクルボスが申請を拒否されましたが、申請をする前に公表するば誰でも拒否される、順番が間違っていた、とLilic氏は述べました。

今記事は3月28~29日の二日間にかけて開催されるSlush Tokyo 2018の2日目の内容をまとめた参加レポートです。

Slush Tokyo 2018は世界最大級のテクノロジー・国際起業家・スタートアップイベントです。

会場では様々な企業の出展ブースや著名人によるプレゼンテーションが行われます。

今年は仮想通貨やブロックチェーンに触れるプレゼンテーションが多く見られ、について発表され、多くの方がその知識を深めようと熱心に聞き入っていました。

1日目の内容レポートはこちら↓

Slush Tokyo 2018 Day1 登壇者プレゼンテーションレポート
Slush Tokyo 2018 1日目の登壇者プレゼンテーションレポートです。Ripple社 Stefan Thomas氏やイーサリアム財団Executive Director宮口礼子氏など、仮想通貨界隈の要人達のプレゼンテーション内容まとめ記事です。

二日目はピッチコンテストの決勝やFinTechに焦点を当てたプレゼンテーションが殆どでした。

そんな中、世界最大級のイーサリアムブロックチェーン関連企業であるConsenSys社 John Lilic氏のプレゼンテーションの内容をレポートしたいと思います。

ConsenSys社John Lilic氏のプレゼンテーション

John Lilic氏(以下、Lilic氏)はNYに本社を置くConsenSys社のDirector of Operationsを務めています。

Lilic氏のプレゼンテーションは、仮想通貨をより深く理解するという趣旨の内容でした。

世界の大手企業とビットコインの時価総額比較

現状で全仮想通貨資産の時価総額は約60兆円(内ビットコイン32兆円)になります。

そして、アップル時価総額は約77兆円で、Amazon社時価総額は約42兆円です。

比べると、仮想通貨市場がどれだけ大きいのかが分かるでしょうとLilic氏は述べました。

そして、この市場はこれからも発展し成長するといった旨のコメントを残しました。

トークンは3種類に分けられる

John Lilic氏曰く、トークンはプロトコル、ユーティリティ、セキュリティに分けられるそうです。

プロトコル
仮想通貨経済プロトコルの適切な機能に必要なトークン。プロトコルを機能させるための金銭的インセンティブを提供する。(例、ビットコイン、イーサリアム)
ユーティリティ
dappを活用するサービスにアクセスするためのトークン。取引所でアクセスのために販売されるデジタルサブスクリプション、またはメンバーシップ。(例、Gnosisトークン)
セキュリティ(この場合のセキュリティは担保の意味)
法定通貨や金など”従来の資産”の代わりとなるデジタル通貨。

仮想通貨やブロックチェーンの知名度の向上

業界が発展し、ICOや仮想通貨周りのサービスが生まれています。

またLilic氏は、多大な資産が仮想通貨やブロックチェーン技術に注ぎ込まれている、としました。

幅広い企業で仮想通貨が導入され、そのクライアントの需要に応えるために様々な金融機関もこの市場に参入しています。

仮想通貨業界で生まれたサービス

Lilic氏は、次に仮想通貨業界でどのようなサービスが誕生しているかについて触れました。

もしあなたに投資する資産があるとしましょう。

報酬のある投資は何でしょうか?例として不動産業が急成長しているフィリピンに投資をしたいとします。

しかし従来の金融商品を利用すると様々な摩擦が起こるためかなり困難です。

しかしトークン化が進み建物の所有権の役割を仮想通貨が果たすとします。

不動産会社がこの建物から売り上げを出し、その売り上げをイーサリアムに替え、そのイーサリアムがスマートコントラクトに保管されます。

その建物のトークンを所有していれば、その分の利益を仮想通貨で受け取ることができます。

これはただ仮想通貨を所有し価額予想するだけではなく、それ以上の投資機会です。

そしてLilic氏は、このような興味深いプロジェクトはたくさん生まれています、と述べ、分散型取引所や仮想通貨投資家のための新サービスについての解説に移りました。

分散型取引所について

分散型取引所とは

ブロックチェーン上に存在する、運営元が存在しない分散型の取引所のこと。

閉鎖やハッキングなどのリスクを防ぐことができる。

デメリットは手数料がかかることと、出来高が少なく板が薄いこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

Lilic氏はその一つとして、デリバティブ仮想通貨を取り扱う分散型取引所である「VariabL」を紹介しました。

さらに、以下のように続けました。

コインチェックのように中央集権型取引所がハックされる事件が起き、今後も分散化は進むでしょう。

コインチェックが被害者にNEMの返金をしたことは素晴らしいことだと思います。ビジネスとして彼らが成功していることを表します。

今後この市場が発展していく上で、投資家が各自の資産を管理する分散型取引所の存在はとても大切になります。

仮想通貨投資家のための新サービス

ICO主催及びトークン取引
セキュリティ及びユーティリティトークンを提供する場。
分散型証券保管振替機関
パブリックブロックチェーン及びトークンを利用し、取引を促進。
法定通貨サービス
取引所発行のトークンとの差を埋める。
トークンETF及びインデックスファンド
二つの金融商品を仮想通貨と組み合わせる方法を模索。

4つ目のETFに関して、ウィンクルボスが申請を拒否されましたが、申請をする前に公表するば誰でも拒否される、順番が間違っていた、とLilic氏は述べました。

トークン化はこれからも進み、多数のイノベーターが資産のトークン化に励んでいます。

お金、上場株、固定収入、デリバティブ、不動産、インフラなどもトークン化しています。

そして最後に、Lilic氏は以下のように述べました。

仮想通貨に関わる一人として、仮想通貨やブロックチェーンの発展共に今後はさらに生活に溶け込んでいくでしょう。

これからもたくさんの投資家を受け入れたいです。

Slushは世界中の起業家を招いたカンファレンスであるため、John氏の内容は起業家に向けられたメッセージのように聞こえました。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア