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元日銀局長「デジタル円の発行には数年かかる」 =ロイター

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル通貨の課題

日本銀行の元決済機構局長の山岡浩巳氏が、中銀発行のデジタル通貨(CBDC)の導入には様々な課題があるため、日本が発行する場合、準備に数年かかるとの見解を示した。ロイターが報じた。

山岡氏は課題の1つとして、民間銀行の預金から多額の円が出金される可能性があると指摘。その上で、「デジタル円」を実現するには発行する前にこういった様々な課題の対策を講じる必要があると述べている。

日銀は先月9日、個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した「一般利用型のCBDC」について取り組み方針を公表した。その後10月22日には、現在の決済機構局長の神山一成氏が、実証実験は2021年度の早期に開始できるように取り組むと説明。その際、神山氏も実際の導入には非常に高度な判断が必要になるとの見方を示し、発行の難しさを指摘している。

関連:日銀決済機構局長「デジタル円の導入は国民の理解が大前提」

山岡氏は今回、上述した預金の流出を指摘するとと共に、CBDCの保有額に上限を設ける解決策を提案した。一方で上限を課せばCBDCの価値が高まることになり、他の形態のお金や民間預金との交換レートに影響を与えかねないと、さらなる問題を提示している。

これは支払いや決済の利便性が下がることにもつながり、CBDC発行の目的に反すると指摘。CBDCは広く普及しないと発行する意味がなく、かつ民間銀行の預金を大幅に減らすのは問題だとし、両者の共存が課題の1つだとした。

また山岡氏は日銀と民間企業は、デジタル決済の利便性を高めるために協業すべきだと主張している。民間企業は決済プラットフォームの互換性を高めるために、重要な役割を果たすと述べた。

山岡氏の経歴

現在山岡氏は、グループ経営戦略や新事業・サービスの企画立案を事業とするフューチャー株式会社で取締役を務めている。

日銀入行は1986年で、2007年には国際通貨基金(IMF)日本理事代理に就任した。

日銀ではバーゼル銀行監督委員会委員や国際決済銀行(BIS)市場委員会委員、同決済・市場インフラ委員会委員など国際機関の要職を歴任しており、CBDCの議論も牽引した。

今年6月にはディーカレットが、山岡氏が座長を務める「デジタル通貨勉強会」を発表。主な論点は国内外のデジタル決済及びデジタル通貨の実例研究と、サービス提供範囲や利用価値の対価など実現における課題を探ることとしている。

関連:ディーカレットが「デジタル通貨勉強会」を開催へ、JR東日本のSuica連携も視野

参考:ロイター

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