BTCのダウンサイドリスク警戒
米金融大手JPモルガンのストラテジストは22日、同日の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)暴落を受け「再び4万ドル台を回復するためには、機関投資家の資金流入が不足している」と指摘した。ブルームバーグが報じた。
JPモルガンのアナリストNikolaos Panigirtzoglou氏は、グレースケール社の運営するビットコイン投資信託(GBTC)への資金流入量の減少を指摘。相場の勢いを示すモメンタムを重視するトレーダーがビットコイン先物ポジションを解消する可能性も挙げ、短期的には下振れリスクに傾いていると分析した。
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GBTCへの資金流入額(Inflow)をみると、19日には1日辺り過去最高の新規流入額(620億円)を記録したが、その後は減少している。
またPanigirtzoglou氏は、資産運用額(AUM)が2兆円を超える規模のグレースケール社の投資信託は、直近数週間でビットコインの下落率17%を上回る22%の下落率を記録したと説明。
統計サイトYchartによると、同社の資産運用額(AUM)は25日現在で200億ドル(2兆円)。グレースケール社のツイッターによると20日時点では280億ドルだったため、1週間で30%近く運用額が低下した計算となる。
同氏の言及するビットコイン先物のSQは、1月30日に控える。
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一部古参は売却か
また、OKEx Insightsが2020年Q4のデータとして発表した、ビットコイン大口投資家(≒クジラ)やマイナーが機関投資家にビットコインを売却したとするレポートについても言及。
同レポートは、2020年後半にかけて1000BTCを超える大型トランザクションの増加傾向や、同年秋頃から取引されたビットコインの「平均年齢」が上昇し続けていたことから、BTCの過去最高値更新に伴い、古参のクジラが機関投資家にビットコインを売却した可能性があると説明している。
1000BTC以上のBTCトランザクションは20年夏頃に急増。同年秋以降も30%以上の高い水準を維持した。
さらにBTCの年齢(coinage)を測る指標では、20年10月から年末にかけて平均値が150日から300日まで倍増している。
BTC価格、及び出来高増の中でこのように数値が上昇したことから、古参のBTCクジラが大量のビットコインを売却、買い手はビットコイン保有に乗り出した機関投資家だと分析した。
ビットコインのUTXO(未使用のトランザクションアウトプット)を基に1年以上保有しているビットコインの割合を算出するLook Into Bitcoinでは1年以上HODLされているビットコインの割合を可視化できる。(HODL率はオレンジ、BTC価格は青)
同サイトは現物価格の上昇に伴い、1年以上のHODL率が下がる要因の一つとして投資家が利確を図る市場心理が働いていると説明している。
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