DeFiのメリットを説明
資産運用企業アライアンス・バーンスタイン(以下、AB社)が、DeFi(分散型金融)のメリットを顧客に説明した。
CoinPostが提携する仮想通貨メディア「TheBlock」のFrank Chaparroディレクターが公開した内容によると、UniswapやSushiswapなど分散型取引所(DEX)にロックされている額(TVL)を提示し、従来の金融機関と比較した場合の優位性を解説したという。
AB社は米国を拠点にする世界有数の資産運用企業。公式ホームページによると、昨年9月末時点の運用資産総額は約66.6兆円に上る。昨年は否定的な見方を改め、ポートフォリオにビットコイン(BTC)取り入れる価値があると顧客に伝えたことが注目を集めた。
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AB社が顧客に提示したTVLが以下。このグラフは「DeFi Pulse」のデータをもとにしているという。
このグラフを提示した上で、規模は及ばないが、DeFiは貸付や両替といった従来の金融機関と同様のサービスを提供していると説明。以下の4点がDeFiの方が優れているとしている。
- コスト
- 速さ
- 透明性
- アクセスのしやすさ
DeFiでは従来の金融機関と違い、仲介者がいなくてもサービスを遂行することができるとし、その分、手数料を削減でき、送金を速く完了できるとした。スマートコントラクトを活用することで、従来のサービスよりも速く処理を行うことができると説明している。
また、パブリックブロックチェーン上で実行されるサービスは透明性が高く、ガバナンスが分散されていて、より民主的だと主張。ビットコインが生まれるきかっけにもなった2008年のリーマンショックで見られたような「中央集権的な障害点」という脆弱性がないとした。
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アクセスのしやすさについては、インターネット環境があれば誰でも利用できるとした上で、「米国では全体の5.4%に当たる700万世帯が銀行に口座を持っていない」などのデータを引用し、DeFiが金融包摂を推進できる可能性も持っているとコメントした。
DeFiの注目度
昨年に利用が急増したDeFiは、現在も注目度が高まっている。
今月には米セントルイス連邦準備銀行のサイトで、DeFiに関する論文が公開された。
論文では、透明性があって改変できない金融インフラを構築する可能性を秘めているなどとメリットを紹介。「スマートコントラクトの実行リスク」などの課題も解説している。
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また、フランスの規制機関である金融市場庁(AMF)のRobert Ophèle長官が、DeFiに強い関心を寄せている。
Ophèle長官は、規制の必要を訴える一方で、金融商品として適格とされる仮想通貨に対して、新たな商品や仕組みなどを試験的に運用する「パイロット制度」を設けるべきだと主張した。
パイロット制度の範囲を厳しく制限しすぎると、仮想通貨関連の事業を欧州連合(EU)から追い出すことにつながる可能性があると述べ、テストする範囲を広げてDeFiも対象にすることを提案した格好だ。
ブロックチェーンは急速に進化する技術であるため、パブリックな分散型台帳技術(DLT)だけでなく、DeFiのビジネスモデルもテストできることが重要になるとして、「分散型ビジネスモデルへの扉を閉ざしてはならない」と技術の未来をサポートすることの重要性を強調した。
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