はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「暗号資産業界のパリ協定」リップル社、ブロックチェーンの脱炭素化イニシアチブ参画へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ブロックチェーンの脱炭素化

リップル社は、ブロックチェーンの脱炭素化を目指す新たなイニシアチブに参加することを発表している。ビットコインを始めとしたブロックチェーンの課題に業界全体で取り組む。

米サンフランシスコに拠点を置くリップル社は、業界のイニシアチブ「暗号資産気候協定(Crypto Climate Accord)」に創設メンバーとして加入することを発表した。

リップル社コーポレート戦略及びオペレーション担当、バイスプレジデントの吉川絵美(Emi Yoshikawa)氏は、4月21日に日本のメディア向けに、サステナビリティ戦略についての説明会に登壇。

「金融システムの脱炭素化に向けたサステナビリティ戦略」の説明会の中で、この新たなイニシアチブを「暗号資産業界のパリ協定」だと説明した。

リップル社は国際送金などの分野で、次世代の金融ソリューションの提供を行う企業。開発を主導している暗号資産XRP(リップル)を「普遍的な価値の媒体手段」とし、決済分野での活用を進めている。

吉川氏は、次世代の金融インフラに求められる要件の一つとして、持続可能性を持つことを挙げた。しかし、現在ビットコイン(BTC)の電力消費量は、1億件毎に951億kWhと、ポルトガル全体の2倍に相当する電力を消費しているという。

この状況を改善するためには、PoW(プルーフオブワーク)などのコンセンサスアルゴリズムをよりサステナブルな方式に変更したり、再生可能エネルギーを利用したマイニング、カーボンオフセットの活用などが挙げられる。

カーボンオフセットとは、経済活動によって排出された二酸化炭素などを、「排出権」の取引などを通して間接的に削減しようとするもの。リップル社はXRP Ledgerのソフトウェアの改善によってメモリ消費量の削減などに取り組んできたという。

企業単体ではなくイニシアチブを

リップル社はすでに、企業単体としては、XRP Ledgerの完全な脱炭素化を20年10月に達成している。これは、EAC(グリーン電力証書)を購入できるEnergy Web Zero(EW Zero)と呼ばれる仕組みを、Energy Webなどと共同開発したことで実現された。

しかし、ブロックチェーン業界全体となると、脱炭素化への道のりは難しさを増す。例えば、ビットコインなどのマイニング(計算作業)を行うことで利益を得るマイナーにとって、進んで脱炭素化を目指すインセンティブはないからだ。

そこで、マイニング業者をも巻き込んだイニシアチブが発足された。その内容は2025年までに100%再生可能エネルギー化・脱炭素化することを目指すというものだ。具体的には以下の目標が掲げられている。

  • 2025年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)までに、世界中のブロックチェーンを100%再生可能エネルギー化
  • 暗号資産業界におけるCO2排出量を測定するためのオープンソースの会計基準を策定
  • 2040年までに、ブロックチェーン以外のすべての事業活動と過去の排出量を含む、暗号資産業界全体の「排出量実質ゼロ(ネットゼロ)」を達成

イニシアチブはEnergy Web、ロッキーマウンテン研究所、Aliance for Inovatibe Regulation(AIR)などが主導する。

イニシアチブへの参加企業、団体、個人は以下の通りとなる。暗号資産の上場商品を開発するCoinSharesやイーサリアムエコシステムの開発を行うConsenSys、マイニング企業のHut 8 Miningなどのほか、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)の気候チャンピオンも参加している。

出典:プレスリリース

ブロックチェーンを活かした取り組み

イニシアチブに参加する国際連合のCOP26 気候行動ハイレベルチャンピオンのNigel Topping氏はプレスリリースで「この業界は、将来のCO2排出量を削減することに加えて、過去の排出債務にも対応できるユニークな立場にある」と指摘した。

ビットコイン単体でも、脱炭素化の動きが進んでいる。「Bitcoin Clean Energy Investment Initiative」は、決済大手の米スクエア社が主導する計画で、ビットコインのエコシステムで環境問題に取り組む企業を支援する。

スクエア社は、このイニシアティブに1000万ドル(約10億円)を費やすとしている。

関連:ビットコインも「脱炭素」へ──米スクエア、10億円規模の環境支援計画

また、NFTマーケットプレイスのNifty Gatewayは3月29日、環境への影響を考慮してカーボンニュートラルを目指す方針を明らかにした。同社は、ウィンクルボス兄弟が運営する暗号資産取引所Geminiの子会社でもある。

業界全体を通して、今後もこういった脱炭素化、環境問題への取り組みは加速していきそうだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11:07
ヤーン・ファイナンスのyETH製品に攻撃、約4億5000万円相当が流出
イールド・ファイナンスのyETH製品が攻撃を受け、約4億5000万円相当のETHが流出。攻撃者は無限ミントの脆弱性を悪用し、約1,000ETHをTornado Cashに送金。V2・V3ボールトは影響を受けず、yETH保有者は安全に引き出し可能に。
09:15
中国人民銀行、仮想通貨取引の厳格取締を改めて要請、ステーブルコインも警戒対象
中国人民銀行が仮想通貨取引の取締強化を改めて各当局に要請した。仮想通貨関連活動の再活発化が背景にあるとみられ、ステーブルコインも警戒対象としている。
09:03
コインシェアーズ、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げ
欧州大手のコインシェアーズが、XRP・ソラナ・ライトコインのETF申請を取り下げた。米国市場での大手運用会社への集中により、差別化や利益率確保が困難になるとの懸念を示し、ナスダック上場を控え、仮想通貨関連株式やアクティブ運用戦略など新商品の投入を計画している。
11/30 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、金持ち父さん著者キヨサキのBTC売却やソラナとXRPのETFの好調など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
DeFiで株式市場はどう変わる? Progmat齊藤達哉氏が語るオンチェーン金融の未来|独占インタビュー【後編】
Progmat齊藤達哉氏インタビュー後編。議決権付きトークン化株式で日本が世界初となる理由、2028年施行を目指すトークン化法のロードマップ、DeFi・AIエージェントを見据えた将来ビジョンを聞いた。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|個人マイナーのビットコイン採掘成功に高い関心
今週は、個人マイナーのビットコイン採掘成功、JPモルガンによる仮想通貨業界関係者の口座の連続閉鎖、アップビットの約48億円の不正流出に関する記事が関心を集めた。
11/29 土曜日
13:50
米賭けサイトカルシ、無免許スポーツ賭博運営で提訴
ブルームバーグによると米賭け市場のカルシが無免許でスポーツ賭博を運営し、マーケットメイキング手法について顧客を誤解させたとして集団訴訟を起こされた。共同創設者は主張を否定。
13:10
ブラックロック、債券ファンドでビットコインETF「IBIT」を買い増し
ブラックロックが7~9月期に債券ファンドで自社ビットコインETF「IBIT」を買い増していた。9月末時点で1.5億ドル相当を保有。ビットコイン現物ETFへの流入はここ数日復活傾向だ。
12:03
仮想通貨のバイバックとは?2025年注目の6銘柄を解説
2025年、仮想通貨業界で総額14億ドル規模に達したバイバック。ハイパーリキッド(HYPE)やパンプファン(PUMP)など、実際にバイバックを実施している6銘柄を徹底解説。株式の自社株買いとの違いや投資リスクもわかりやすく紹介します。
12:00
24時間・1円から取引可能に Progmat齊藤達哉氏が語る「トークン化株式」の全貌|独占インタビュー【前編】
Progmat代表・齊藤達哉氏に独占取材。1円単位・24時間取引可能な「トークン化株式」の仕組みと、議決権や優待も得られる投資家メリット、リアルタイム株主把握など発行企業メリットを聞いた。
11:30
アーサー・ヘイズがビットコイン年末25万ドル予測維持、流動性底打ちと量的引き締め終了を根拠に
ビットメックス共同創設者アーサー・ヘイズ氏が11月27日、ビットコインの年末25万ドル到達予測を堅持した。先週の8万600ドルを底値とみており、米ドル流動性の底打ちと量的引き締め終了が上昇を牽引すると分析。
11:00
税率10〜45%の差、アフリカ5カ国の仮想通貨課税の現状を探る
サハラ以南アフリカで年間30兆円超のオンチェーン取引が発生する中、各国が独自の仮想通貨税制を整備。南アフリカの18〜45%累進課税、ナイジェリアの15%一律課税、ケニアの10%物品税など、主要5カ国の税制アプローチを詳細解説。日本の税制改革案(55%→20%)との比較から見える、成長と規制のバランスとは。
10:10
IMF、資産トークン化のリスクを指摘 「フラッシュクラッシュ」の可能性を警告
国際通貨基金が資産トークン化のメリットとリスクを解説。自動取引による「フラッシュクラッシュ」の可能性や断片化の問題を指摘した。米SECなどの当局も規制を協議中だ。
09:35
テザー、中央銀行級の116トンの金を保有 世界最大の民間保有者に
世界最大のステーブルコイン発行企業テザーが116トンの金を保有し、中央銀行以外で世界最大の金保有者となった。第3四半期に26トンの金を購入し、韓国やハンガリーの国家準備金に匹敵する規模に。
07:55
米司法委員会、トランプ氏の仮想通貨関連事業を問題視
米下院司法委員会は、ドナルド・トランプ大統領の仮想通貨関連事業を問題視。大統領職の責任や健全性を取り戻すために、議会による改革を早急に行う必要があると主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧