米国で仮想通貨への投資意識調査
米暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiが、仮想通貨についての意識調査を実施。今後、これまでとは異なる層が仮想通貨投資に参入する可能性もあることを示唆する結果となった。投資戦略や保有銘柄についてもデータを提供している。
この調査は世帯収入40,000ドル(約430万円)以上で18歳から65歳までの米国居住者3,000人を対象に行われたもの。2020年10月19日から11月16日にかけて回答され、このうちすでに仮想通貨を保有している者は921人、仮想通貨についてもっと知りたいと思っている者は1,697人だった。留意すべきは、回答期間の2020年秋がビットコイン(BTC)などの相場が上昇傾向に転じた時期だった点だ。
すでに仮想通貨を持つ層のデータを平均すると、年収約111,000ドル(約1,200万円)で38歳の男性という像が浮かび上がるという。
一方で、現在は所有していないものの、仮想通貨に興味がある層(仮想通貨をもっと知りたい、または近々購入する予定がある人々)には新たな傾向が見られた。
仮想通貨に興味を持つ女性が増加
今の投資家は平均年齢38歳で、男性74%・女性26%という割合だったが、仮想通貨に興味を持つ層については平均年齢44歳で、男性47%・女性53%である。平均年齢が上昇し、女性が半数以上という結果だ。
また、平均年収は107,000ドル(約1,160万ドル)で、現在の仮想通貨保有者よりも小規模な街や地方に住んでいる確率が高かったと推測される。
さらに現在の女性の仮想通貨保有者の45%は35歳以下で、55歳以上はわずか4%であったが、仮想通貨に興味を持つ女性のうち、35歳以下は約4分の1にすぎず、55歳以上が25%を占める。
この変化についてGeminiは「女性が、次に仮想通貨を購入する者の多くを占める可能性があり、さらに退職間近の女性である確率が高い」と分析。仮想通貨が「平均的な人々がアクセスできる」資産として魅力的になり始めているとした。
仮想通貨に関心がないとした回答者は23%だけであり、回答者の63%が現在保有していないものの仮想通貨に興味があるとした結果からも、今後新たな層が流入する可能性が示唆される。
長期投資を行う人々が大半
今回の調査では、現在の投資家の大半が、長期投資のために仮想通貨を購入していることが示された。
利益を得るために積極的に売買する人々が36%、インターネットでの買い物に積極利用する人々が27%である一方、69%が仮想通貨を「バイ・アンド・ホールド」(購入後、長期にわたって保有し続ける)している。
仮想通貨に興味を持つ層でも、同様の傾向が示された。半数(54%)が、長期投資として仮想通貨をバイ・アンド・ホールドしたいと答えた格好だ。積極取引に興味があるとしたのは39%である。
また現在の投資家については、年に数回しか取引を行わないとした割合と、月に数回は取引するとした割合がそれぞれ約4分の1であった。Geminiによると、「バイ・アンド・ホールド」戦略をとる者、買い増しを続ける者、短期的な取引を行う者が混在していることが示されているという。
購入時期や保有銘柄
仮想通貨所有者の購入時期については、4分の1以上(26%)が1年以内、68%が過去2年以内と回答。これについてGeminiは、仮想通貨について初期の採用者以外にも関心が高まっていると説明した。
これまでに保有したことのある銘柄については、87%がビットコイン(BTC)を挙げる。イーサリアム(ETH)は36%、ビットコインキャッシュ(BCH)は22%、ライトコイン(LTC)は21%だった。
購入者が保有を続ける割合もビットコインが高く、これまでにビットコインを購入した割合は87%で、84%はまだポートフォリオにビットコインを持っている。これに対して、21%がライトコインを購入したことがあったが、現在も保有しているのは15%だったという。