はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

イーサリアム急反発で過去最高値4250ドルへ、揺れる金融市場と真価問われるデジタルゴールド

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融市場と仮想通貨

11日の金融市場では、インフレ圧力及び金利上昇への警戒感が再び強まると、日米株式市場では金融緩和局面で高騰してきたハイテク銘柄などのグロース株を中心に大きく売られた。

12日に米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることや17日に米国の確定申告期日(納税売り)を控えていることも様子見基調を強めており、ビットコインなど仮想通貨市場が連れ安する場面も見られた。

しかしその後、12日にかけてビットコイン(BTC)が57,000ドル台(621万円)を回復したほか、イーサリアム(ETH)は過去最高値を更新する4250ドル(46.2万円)に達するなど、金融市場の地合いが急悪化する中でも強い買い圧力が働いている。

ETH/USD日足

イーサリアムについては、4月21日時点で大口買いのシグナルなどのオンチェーンデータが確認されていたほか、4月28日の記事でも解説したビットコイン建て価格の「ETH/BTC」節目ブレイクは意識されていたものと思われる。上値余地の目安として、ETH/BTC価格での水平線も見ておく必要がありそうだ。

(4月28日時点)

4月28日時点のETH価格2,700ドル(29万円台)からわずか2週間で1,500ドルを上乗せたことになり、ETH/BTCでは0.041BTCから0.074BTC水準まで大幅続伸した計算だ。長期レンジを切り上げると共に、アルトシーズンに伴い騰勢を強めた。

ETH/BTC週足(5月12日時点)

関連:BTCドミナンス2年ぶり水準で「アルトシーズン」本格化も、ATHのイーサリアムとPolygonに高い関心

関連:なぜイーサリアムへの資金流入が続くのか、高騰続く背景は

狭間に揺れるビットコイン

ビットコインは、株式、投資信託、デリバティブ(金融派生商品)と連動しやすい「リスク資産」に分類される一方、金や米国債(U.S. Treasuries)といった「代替(オルタナティブ)資産」としての側面も併せ持つ。

新型コロナウイルスのパンデミックが現在進行形で世界経済に深刻な打撃を与え続ける中、経済を支える大規模金融緩和は当面の継続が想定される。

一方で、カナダ銀行は4月21日の金融政策決定会合で国債の購入減額を決めたほか、日銀によるETF(上場投資信託)買い入れ縮小など、米国外ではテーパリング(量的緩和縮小)はすでに始まっていると見る向きもある。金融政策の正常化のためには出口戦略が必要不可欠だが、米金融当局によるテーパリングの示唆は、バブルと言われる「官製相場」の終了を意味することから、短期的には緩和マネーの流入で高騰してきた株などリスク資産全般の急落につながるおそれがある。

2013年5月には、当時のバーナンキFRB議長がテーパリングを示唆したことで長期金利が急騰。金融市場が大混乱に陥るテーパー・タントラム(バーナンキ・ショック)を引き起こした。この時の教訓があるため、より慎重な舵取りを迫られているのが現状だ。

このような局面において、昨今では米上場企業や機関投資家の米ドルのインフレヘッジとしてのビットコイン大量保有が顕在化している。

最大発行数2100万枚のビットコインは、大量増刷で希釈化する米ドルとは対極に位置する。4年に1度の「半減期」を経てますます供給量が絞られており、市場に出回るBTC流通量は減少の一途をたどる。

関連:ビットコイン、次の半減期でゴールドの希少性を超える=金融大手フィデリティ

米ドルなどのインフレーションによって中・長期的に物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念が生じるため、デジタル・ゴールドの性質を有するビットコイン市場にとって追い風と言えるだろう。

20年3月に発生したコロナ・ショックでは、追証回避売りなど手元資金の確保のため、金(ゴールド)などの安全資産も投げ売られ、ビットコインも前日比40%安で3,000ドル台までの暴落を記録。前代未聞の事態を受け、シカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数はリーマン・ショック以来の水準に到達するなど、金融市場はパニックに陥った。

関連:ビットコイン一時前日比40%安、急反騰でセリクラなるか(2020年3月)

一方、新型コロナの感染拡大はすでに織り込まれているほか、機関投資家の参入が相次いだ現在の仮想通貨業界は市場規模が飛躍的に上昇するなど新しい資産クラスとして確立されつつある。DeFi(分散型金融)市場にも多額の資金が預け入れられており、投資家の狼狽売りを伴う同規模の混乱が生じるとは考えにくい。

ビットコインは、2008年に起きたリーマン・ショックで世界的な混乱を招いた伝統金融市場ならびに、中央集権的に管理される「米ドル」など法定通貨のアンチテーゼとして誕生した経緯がある。2009年1月に生成されたジェネシス・ブロックには、英The Timesの見出し「Chancellor on brink of second bailout for bank(公的資金で二度目の銀行救済措置へ)」の文字が刻まれており、その真価が問われるところだ。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/06 木曜日
08:45
キリフダ、企業の売掛債権に1万円から投資できるトークン化債権サービス開始へ
キリフダは企業の売掛債権に1口1万円から投資できるトークン化債権マーケットプレイス「おカネのこづち」を年内公開する。企業の資金繰り支援と個人投資家の社会貢献ニーズを結びつけるプラットフォームだ。
07:55
フランクリン・テンプルトン、香港初のトークン化MMF運用開始
金融大手フランクリン・テンプルトンは香港でトークン化された米ドル建てマネーマーケットファンドを開始した。ルクセンブルグ登録で短期米国債を裏付けとし、香港金融管理局のフィンテック2030計画下での初の取り組みとなる。
07:15
S&P指数をオンチェーン化、ディナリとチェーンリンクの提携で
ディナリ社はチェーンリンクと提携し、S&Pデジタルマーケッツ50指数をオンチェーンで検証可能にする。米国株35社と主要仮想通貨15銘柄で構成される初のトークン化ベンチマークが第4四半期にローンチ予定だ。
06:50
「米政府はCZ氏の恩赦を精査済み」ホワイトハウス報道官が妥当性強調
米報道官は、トランプ大統領による仮想通貨取引所バイナンス共同創設者CZ氏への恩赦ついて会見で質問に応じた。徹底的に精査した上で判断を行なっていると妥当性を強調している。
06:21
ビットコイン価格の年末予想を12万ドルに大幅下方修正=ギャラクシーデジタル
ギャラクシー・デジタルは2025年末のビットコイン価格目標を本来の18万5000ドルから12万ドルに大幅に引き下げた。成熟期に入り機関投資家フローが支配的になるため、上昇ペースが鈍化すると予測し直した。
05:55
リップル、マスターカードと提携 RLUSDで法定通貨決済効率化へ
リップルはマスターカード、ウェブバンク、ジェミニと提携し、ステーブルコインRLUSDを活用したカード決済の改善を模索。規制対象の米国銀行によるパブリックブロックチェーン上での決済事例となる見込みだ。
05:30
リップル、6.1兆円の評価額で新たに770億円調達
リップルはフォートレス・インベストメント・グループとシタデル・セキュリティーズ主導で5億ドルの戦略的投資を実施した。評価額は400億ドルで、決済サービスの総取引量は950億ドルを超えている。
11/05 水曜日
17:08
Progmat、日本版トークン化株式の検討開始
Progmatが日本版トークン化株式の検討を開始。1円から投資可能で24時間取引も視野。配当・議決権も保護される設計。大手金融26組織が参加し、2026年春から商品開発へ。
15:45
メタプラネット、ビットコイン担保に1億ドル調達 
メタプラネットが保有ビットコインを担保に1億ドル(約153億円)を借入。資金はビットコインの追加取得やインカム事業に充当。同社は30,823BTCを保有しており、2027年末までに21万BTC取得を目指す。
15:23
リップル社のステーブルコイン「RLUSD」 流通額10億ドル突破 
リップル社の米ドル連動ステーブルコイン「RLUSD」が時価総額10億ドルを突破。非営利団体や米Bitnomial取引所で採用が進み、実需型ステーブルコインとして存在感を高めている。
13:55
アーサー・ヘイズ、FRBの実質QEでビットコイン強気相場再開と予測
ビットメックス共同創業者アーサー・ヘイズ氏は、FRBが常設レポファシリティを通じた実質的な量的緩和(QE)により、ビットコイン強気相場が再開すると分析した。米国債発行増加でSRF残高が拡大しドル供給が増加すると予測。
13:30
米政府閉鎖を乗り切る仮想通貨市場、価格下落でも基盤強化に進展=グレースケール報告
グレースケールの10月レポートによると、米政府閉鎖やマクロリスク、史上最大の3兆円ロスカットなどにより仮想通貨価格は低迷したものの、規制明確化や機関投資家参入の進展、ステーブルコイン普及などで市場基盤は着実に強化されている。
13:15
ビットコイン採掘大手マラソンがAI事業強化へ、データセンターへの天然ガス供給で合意書 
仮想通貨マイニング大手マラソンがMPLXと天然ガス供給で合意書を締結した。テキサス州に新たなデータセンターを建設しビットコインからAI事業への多角化が加速する見込みだ。
11:15
仮想通貨取引所ジェミニが予測市場参入へ、カルシやポリマーケットと競合=報道
ウィンクルボス兄弟設立の仮想通貨取引所ジェミニが予測市場契約の提供準備を進めている。CFTCにデリバティブ取引所設立を申請中で、ポリマーケットやカルシとの競争が激化する見込みだ。
10:50
「プライバシー銘柄ジーキャッシュは暗号化されたビットコイン」、高騰背景をギャラクシーが分析
プライバシー仮想通貨Zcash(ZEC)が過去1年で10倍以上上昇している。ギャラクシーデジタルが背景を分析し、ビットコインの精神的後継者として注目されていると理由を指摘した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧